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次の標的はヴァナヘイム

「__________実力があるものが上に行く国、ね。」


心の底から賛同しよう。そのシステムはとても素晴らしく、とても喜ばしい。何故ならば自分たちはヴァナヘイムの仕来たりに従い、力で国を屈服させられるのだから。


「良いじゃないか。本物の強さというものを思い知らせる事が出きる。」


上には上がいると言うことを見せてやろうではないか。


「うん、ジークフリートならそう言うと思ったよ♪」


すりすりと頬擦りをしてくるロキ。まるで子猫のように懐いてくる。


(信じられるだろうか。こいつはこう見えて第二部のラスボスだった人物なんだぜ?)


人を人だと思わない冷酷無比の道化師が此処まで一人の人間に入れ込んでるんだぜ?


(正直な話、何故ロキがここまで自分に入れ込んでいるのかは不明だ。だけど、こいつのお陰で全ての計画は上手くいっていると言っても過言ではない。)


冥界の解錠、生徒会戦、世界蛇復活と様々な件で暗躍している。


「なぁロキ.......ちゃんと休んでいるのか?」

とはいえ一度足りともロキが休息、睡眠をとっている姿を目にした事がない。


「ジークフリート.........」


ロキは頬を上げ、微笑を浮かべる。


「............僕を想い、僕を案じてくれる。君だけだよ、こんな道化師に心配とした言葉を掛けてくれるのは。」


ぎゅっとジークフリートを抱き締め、顔を埋めるロキ。


「あぁ......早くスローライフ計画を完成させたいね。そうすれば世界は一つになって静かになる。ジークフリートが何も恐れる事はない平穏な世の中で一緒に生きて行けるんだ。」


上目遣いかつ光のない目で自分の目を見つめる。冷や汗が出る。


「田舎で嫁さん貰って余生を過ごす、だよね..........ふふふ、ファフニールのお宝は見つけたかい?」


まるでお宝はここにあるぞと言わんばかりに自信に満ちた表情を見せるロキに苦笑が出る。


「前から何度も聞こうと思ってたんだが、ロキの性別ってどっちなんだ?」


ロキとの未来を考えて見ると案外、平常とした未来が浮かんでくる。


(何の言い争いもなく順風満帆、そんな景色が見えてくるんだよなぁ)


ロキはしっしっしと笑い声を出すと、ジークフリートの元から離れ、振り向き様に言葉を紡ぐ。


「前にも一度言ったね......君の好きな姿が僕さ。性別や個性、見た目なんていくらでも変えられる。本当に必要なものはここ。」


ジークフリートの胸元へと人差し指を当て口元を上げる。


「_____________人は心に魅せられる。」


心が通えば人は理解し合えると言う。


「くさい言葉だと沢山の人は笑うかもしれない。流石は道化師だと失笑を貰うかもしれない。だけど、人が人を本気で好ましく思うには心が真に触れ合う必要があるんだ。その本質に人は気づいてはいる。けれど、認めたくない。認められない。恥ずかしいから。」


的を得ている。羞恥心と言うのだろうか。人は自身の気持ちに無意識的にストッパーを掛けている。


「だからもう一度言うよ。いいや、何度だって言おう。僕は君が望む姿であり、君が想う姿だ。」


道化師は道化師らしく嗤った。そしてジークフリートは心の中で思うのだ。


(_______________質問には答えてないよね?)

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