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怒らせてはいけない

「_______気付いていますわね、皆さん。」


アスラウグは足を止め、皆へと問いかける。


「先程から此方の様子を伺っているな。何もしてこない。ならば捨て置けばよい。雑魚になど一々構っていてもしょうがなかろうて。」


クリームヒルトは放って置けという。だがアスラウグは鼻でそれを笑い、簡易魔剣を抜刀した。


「エイリークさん、貴方は私と残りなさい。わたくし達を観察している者達は先程と同じく七人の小人達ですわ。」

「こっちからうって出るつもりか?」

「えぇ、今放っておいて後々戦いにしゃしゃり出てこられてもめんどうくさいだけですので。此処で芽は摘んでおきましょう。」


暗黒騎士の衣を身に纏い、簡易魔剣を四本出現させる。それらは一人でに宙へと上がりアスラウグを取り囲むように展開された。


(ロズブローク家は代々「暗黒騎士」の職業を天啓にて与えられる名家。その職業適性は七英雄にも並び得る強力な職業適性だと聞いている。)


エイリークもまた血斧を異空間から取り出し、戦闘態勢を取る。


「クリームヒルトさん、この通りわたくしとエイリークさんは敵の殲滅に取り掛かります。貴方とベルンさんは敵城へと先に向かいニザヴェリルの王並びに七人の小人の残存を討ち取りなさい。わたくし達も敵を掃討次第直ぐに向かいます。」


エイリークも同意するように小さく会釈をする。


「せっかくお二人が足止めしてくれるって言ってるんだし先に急ごう!」


ディートリッヒはアスラウグの意志を尊重するようにクリームヒルトへと言葉を挟む。


(暗黒騎士の覚醒能力は確か対象の覚醒能力を封じた上、相手の生気を吸い付くす能力だったな。そして吸った生気の力は当人へと還元され魔力量や体力面の回復に繋がる。覚醒能力を封じた上に常に万全かつ全力で戦い続ける事が出来る破格の覚醒能力。火力面では心許ないが、エイリークが補うか。)


一度考えた末にクリームヒルトはあぁと一言言うと歩を進める。ディートリッヒはアスラウグへとウィンクをするとクリームヒルトの後を追うようにニザヴェリルへと向かって行った。


「____________さて、わざわざ聞こえるように話をしたのです。姿を現したらどうですか、七人の小人さん達?」


大矢がアスラウグの頬を霞め、地面を砕く。アスラウグは頬の切り傷へと手を当て、弓の射手の軌道を逆算し、そちらへと身体を向ける。


「わたくしの顔に傷をつけたましたわね...........許せないッ!!!ジークフリート様を差し置いてわたくしの身体に傷を着けていいものなど誰一人として存在しないッ!!その低能で矮小な小人共にはそれ相応の報いと断罪を受けて貰いますわッ!優しく殺して貰えるなどと淡い希望は捨てるのですわね!!」


四本ある内の一つ、宙に浮かぶ簡易魔剣へと足を乗せ射手の元へと超高速で飛翔する。エイリークは唖然とした様子でアスラウグを見ていたが、直ぐに気を引き締め、後を追うのだった。

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