矛と盾
『国門が破壊されたぞーー!!!!』『王に報告しろ!!』『我らが国土を汚されてなるものかぁ!!!』
クリームヒルトが門を破壊したことでドワーフ達が警報を鳴らす。その慌てふためく姿を見てクリームヒルトはニヤリと嗤う。
「そうだ、恐怖しろ。絶望しろ。お前達が立ち向かおうとするものは絶対なる強者。頭を垂れ、敬意を見せるのが常であろうに、それを蔑ろにしたお前達は死刑なのだ。」
悪役令嬢然とした様子で前進する。
「グンテル郷、此処は私が七人の小人達が住まうニザヴェリル城への一本道を作ろう。」
兜を下ろし大槍を構える。『聖重騎士』に相応しい全身鉄製装備に巨大なランスを突き出すヘズ•バルドル。
(バルドル領を放棄したクラキ国に騎士の誓いを捧げる必要はない。スケッゴルドやモルドのように世界のために命をとした英雄達こそが賞賛される世の中であらねばならない。)
その為には世界の統制機構、四大国を破壊し、再構築しなければならない。ジークフリート、十解にはその可能性がある。
(拙はその可能性に掛ける。世界がより良くなるのならば私はこの命を卓上に賭けても構わない。)
ヘズ•バルドルは巨大なランスを前方へと向け、突進を開始する。鋼鉄乙女の二つ名は伊達ではない。ドワーフの住人を轢き殺し、建造物を破壊する。正真正銘、ニザヴェリル城への一本道を作ろうとしていたのだ。
「あはは!!凄まじいな、バルドル次期辺境伯ッ!!!」
クリームヒルトは腹を抱え笑う。その姿を横目に苦笑とした様子を見せるディートリッヒ。
(ヘズ•バルドル......へヴィ•カヴァルリィ•パラディンの職業適性だったね。自己回復術、そして戦車にも勝る突進力を持つ。)
凄まじいの一言に尽きる。ディートリッヒのみならず他の十解メンバーも驚然としていた。
『____________そこまでにして貰うよ。』
ガキンッ!!!と大きな金属音がぶつかる音がニザヴェリルの町に響く。
「何者だ?」
巨大な盾により、ヘズの一撃は防がれてしまったのだ。
「七人が小人が一人、盾のヒュンフ。」
ヘズは直ぐにランスを引き、ヒュンフから距離を取る。
「標的の一人か......降伏をすると言うのであれば命までは取らないと約束しよう。」
ヒュンフは大盾をガンと地面へと突き刺し、見下した目付きでヘズを見る。
「笑わせないでくれるかい。君達と僕たちとでは武具も技術も違い過ぎる。」
ヒュンフの後部から巨人が立ち上がるように姿を出現させる。
「________圧倒的な力、盾の巨人の強さを見せて上げるよ。」
七人の小人各人が保有すると言われる巨人兵団の一体。ヘズは頬を歪ませる。
「あぁ、そうだな。拙の突貫力が貴様の盾を破るか力比べと行こうじゃないか。」




