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大国ヴァナヘイム

美麗な巨人族、その末裔が統括する大国ヴァナヘイム。

この国はフレイとフレイヤと呼ばれる双子により統治される。両者は英雄級以上の実力を誇り、武力による恐怖支配が為されていた。


「お兄様、どうするの?」

「どうもしないよ、フレイヤ。あのような無知な弱者は放置に限るんだ。」


玉座に座るフレイ。その上にはお姫様抱っこのようにフレイヤが上に乗る。その眼前には怯えた様子の兵士や待女が控えていた。


「ヴァナヘイムに入ってきても無視?」

「ははは、面白い事を言うね。正式な手続きを踏まずに侵入する愚か者は例え七英雄で在ろうとも許しはしない。僕達の領域に入ってきた者は誰であろうと晒し首だよ。」


フレイアは嬉しそうな笑顔を見せるとぎゅっとフレイへと抱きつく。


「えへへ、それじゃあ神聖スヴァルタールヴァヘイムなんて名乗りを上げる無法者達は皆殺しになるんだね!」

「あぁ、そうだね。僕達の暴力を見せつけようじゃないか。」


互いに見つめ合うフレイとフレイア。そして口を揃え告げる。


「「ヴァナヘイムに栄光を」」


フリイアはフレイから離れ、階段を下りていく。そして待女の一人へと命じる。


「これから楽しくなるんだから衣装を整えましょう。愚かな侵略者を出迎える準備をしないと。」


待女の一人は怯えた様子で「は、はい」と返事を返す。彼女や兵達が何故此処まで双子の王に恐れをなすのかと言うと一つでも機嫌や意向に合わないと王はその者の命を塵のように命を奪うのだ。


「あぁーあ、フレイアが行ってしまったか。つまらないな。」


パチンと指なりを鳴らすフレイ。すると前列に控えていた二人の兵士の頭がザクロのように弾け飛んだ。ひぃぃと周囲は怯えた表情を見せる。


「はぁ、気分は少しは楽になったよ。片しておいてね、汚いから。」


大国ヴァナヘイムは実力主義で構成されている。最も強き者が王位につき好きなように国を統治する。巨人種は長命であり、人種の何倍もの時を生きるのだ。そしてフレイとフレイアはヴァナヘイムに置いて数世紀にも及び頂点に君臨してきた。


「はぁ、僕達と戦えるだけの実力があるといいな。」


多くの猛者達を真正面から踏み潰し、王冠を持ち続ける。強き者との闘争に双子の王は飢えていた。ならば何故、世界蛇討伐へ赴むかなかったのか。それは自身が王であり、挑戦者ではないと言う誇り故に玉座から動かなかったのだ。


「世界蛇を倒したんだろう。なら一角の戦士であることは間違えないんだからさぁ、僕を失望させないでおくれよ?」

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