大国アルフヘイム
『_______________我ら十なる勇者は神聖スヴァルタールヴァヘイムを建国する。』
銀狼の鎧兜を纏う勇者は世界へと宣言した。神聖スヴァルタールヴァヘイムを建国し、四大国を支配し統一国家にすると。
「スキールニル王、如何なさいました?」
四大国が一つ、アルフヘイムの王【スキールニル】もまた、ジークフリートの演説に耳と目を傾け聞き入れていた。だが、スキールニルは何処か驚愕としてはいるが、歓喜にも似た様子の表情を見せていたのだ。
「........はは、あはは!!」
そして声を出して笑う。王はヴァルハラでは珍しい黒髪で、赤眼とした容姿をする。その姿は凛々しく王としての貫禄もあるが、まだ若い。そしてどこか神秘的で中性的である。
「君もこの世界に来ていたんだ.....良かった、良かったよ。」
普段とは違い、少年染みた反応の王に周囲の者達は心配とした様子を見せる。
「廉太郎.....廉太郎.......廉太郎......廉太郎......」
(会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい)
スキールニル王は立ち上がり、王の間を後にする。
「陛下、どちらへ!?」
宰相や近衛兵らは王に追随するように後を追う。
「決まっているだろう。彼に会いに行くのさ_____________」
これまで見せたことがない程に王の目は輝いていた。
「_____________________________俺の掛け替えのない親友の元にね。」
この世界に転生してから既に16年と言う歳月が立った。転生前の名前は鴉羽三三三と珍しい名前をしていたよ。自分で言うのもなんだけど、容姿は超絶美形で、中性的。髪色は灰髪だった。日本人離れした外見をしていると廉太郎には良く言われたものだ。
『えへへ、三三三......やっと邪魔物は消したよ♡』
昔から凄くモテていた。周りには何時も女の子がいる。ハーレム主人公と呼べば分かるだろう。俺がそれに該当していたんだと思う。
『...........雅、どうして』
そして廉太郎は親友ポジションにいたんだ。彼はとても気配りで常に調整役を勝って出ていたんだ。だから高校三年生までは何事も起きずに平穏な学園生活を送れたんだと思う。
『三三三も私を拒絶するの?』
卒業式まで残り少ない学園生活。俺の優柔不断が祟って彼女達は焦り始めた。そして仲が良かった彼女達の間に亀裂が入り始めたんだ。廉太郎はそれを諌めようと奮励していた。
『全部.....ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶッ!三三三との未来の為にしたんだよッ!!』
だけど刺されてしまった。そして俺を逃す為に命をとして幼馴染の雅を引き留めたんだ。だけど、数時間後にはこの有り様だ。雅は好意を向けてくれていた女の子達を惨殺し、廉太郎をも手を掛けた。そして最後には自分も捕らえられてしまった。
『自分の為の間違いじゃないのか?』
逃げ場はなく、幼馴染に包丁を突き付けられている現状。おかしな話だろ。
『三三三はそんな事言わない!!お前、三三三じゃないなぁ!!!!』
錯乱した幼馴染に最後には刺され、地面へと転がる。雅は跨がり此れでもかと包丁を身体へと何度も突き刺していく。薄れゆく意識の中、ただ天井を眺める事しか出来なかった。
(もし来世があって、廉太郎とまた友達になることが出来たなら_____________)
_________________廉太郎の為に死のう。どんな障害が在ろうとも彼の味方で在り続ける。それが鴉羽三三三の責務であり、使命なのだから。
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