友情
俺はそのままバルドル領を離れ、ヴェストフォル国を目指す。グローアとはその後、会話をする事もなく別れた。彼奴が何処かで俺と世界蛇の戦いを見ている事は気配から感じられる。
「ヴェストフォル........強固なルーン結界が張られているな。」
他国の侵攻を容易に防ぐだけの強度はある。だが、それは人同士に置いての尺度に過ぎない。神話の化物、スケッゴルドの戦っていた尖兵は英雄級の力量を有していた。世界蛇はそれ以上で在ることは予測できる。
「____________ノルナゲスト、遅かったじゃないか?」
ヴェストフォルの領地に踏み入れる。木に背を預け自分を待っていたと言わんばかりに晴れたような笑みを浮かべる。
「ハーラルを助けるんだろ。なら、俺も手伝うさ。」
ノルナゲストは頭に手を起き、お前って奴はと溜め息をつく。そして誇らしく共に歩きだす。
「冒険狂いめ.....せいぜい、俺の前で死なないでくれよ。」
「お前もな。」
何隻もの船が停泊するヴェストフォルの港にて戦闘が始まった。世界蛇の心臓がヴェストフォルへと上陸したのである。そしてホールファグレ王を守護する近衛師団並びにハーラルは世界蛇との戦闘を開始した。
「__________________おいおい、戦場で目を瞑ってる奴があるか。」
結界は言わずもがな彼らは敗北し、止めをさされる寸前まで来ていた。魔剣ダーインスレイブの発動により朱色の世界に染まるヴェストフォルの港。本来であらばこの領域にいる人間は即死するだろう。だが、グローアの所持する原初のルーン魔術による障壁により効力を無効にする。
「..........ッ、グローア、来て、くれたのかっ」
ハーラルの希望を信じる瞳。彼はナルシストな一面もあるが真っ直ぐとした芯が通ってた男だ。そして精神面で言えばハーラルは正しく勇者に相応しい心を持ち合わせている。
「............ノルナゲストっ!!」
感激とした様子で自分を見るハーラルにノルナゲストは照れを隠すように苦笑をした。
「久し振りだな、ハーラル。元気にしてたか?」
安心とした様子で涙を流すハーラル。その様子にグローアとノルナゲストは同じ気持ちを感じる。この場に間に合った事、そして友人を失わない為に死力を尽くし戦おうと。
「__________________原初のルーン.......何者だ?」
目の前の化物は単純な質問を問う。グローアとノルナゲストは口を合わせてこう答えるのだ。
「「____________俺達はハーラルの友人だッ!」」




