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「b」組の結束

領域が展開されるように紅い霧が一帯を支配する。ダーインスレイヴの能力は半径500m内にいる生物の強制吸血権を得るという規格外の能力。元々の所有者であるミストは魔剣を制御しきれなかった故に吸血量は指定できなかった。故にオートである10秒毎に5000mlの血液を領域内の生物から搾取するという仕様方法を取っていた。


『___________ダーインスレイブ起動』


5000mlの血液は人間一人分の血液量に値する。それ即ち、この魔剣を起動した瞬間、勝利は確定するのだ。


「朱色の世界、美しいな。」















世界の中心地、世界樹の真下、ウルズの泉に存在するヴァルハラ学園。エリートのみが通学を許される最高峰の教育機関。美髪王と珍しい職業を天啓で受け、ハーラル•ホールファグレは学園に通う資格を得た。


(王族と言えど、職業適性に恵まれなかった者は入学出来ない。それ程までに厳格な規則を敷く。)


僕は高揚したさ。これまでヴェストフォルにて王子としての役割しか与えられなかった自分が同年代の者達と青春を謳歌出きる事に。


(だからかな、僕はクラスの皆の事が好きでしょうがなかったんだ。)


ぶっきらぼうなボスヴァル、それにかっこつけのグローアとはよく昼食を共にした。ノルナゲストとも休憩時間などではたわいのない談笑をし、学生らしい生活をしていたな。


(楽しかった........楽しかったんだ......)


まるで僕は王子ではなく、一人の人間、ハーラルとして皆と時間を共に出来た。かけ替えのない特別な記憶だ。


(だから僕は君達の誇れる友人でありたい.........)


後悔はない。胸を張ってボスヴァルに会いに行ける。僕は弱いけれど、美しく気高くあれたんだと冥界への扉を叩こう。




「__________________おいおい、戦場で目を瞑ってる奴があるか。」




声が聞こえる。朱色の世界に呑まれ、死んだ筈。声の主が誰なのかを確認するために目をゆっくりと開く。


「..........ッ、グローア、来て、くれたのかっ」


スヴィプダグ•グローアの姿が目の前に存在した。それにもう一人、彼の隣に立つ人影がある。


「............ノルナゲストっ」


一年生「b」組序列第四位ノルナゲストが燭台を手に苦笑を浮かべていた。


「久し振りだな、ハーラル。元気にしてたか?」


フランクな様子で語り掛けるノルナゲストにハーラルは涙を浮かべる。


「ぼ、僕は..........」


仲間が、友が戦場に駆けつけてくれたことに歓喜のあまり、涙が頬を伝う。



「__________________原初のルーン.......何者だ?」



ダーインスレイブを発動させたヨルムンガンド。だが、効力は原初のルーンにて相殺され、今も尚、三者は吸血されていなかった。


「言わなくても分かるだろう。なぁ、ノルナゲスト?」

「ふ、そうかもな。」


グローアとノルナゲストは照れ臭そうに笑う。そして勝利の剣、燭台を手元に出し、ヨルムンガンドへと向ける。


「「____________俺達はこいつ(ハーラル)友人(ダチ)だッ!」」

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