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アングルボサの呪いは人類悪である

『へヴィ•カヴァルリィ•パラディン』、またの名を『聖重騎士』の職業適正を司るヘズ•バルドル。彼女は故郷のバルドル領へと帰郷していた。


(冒険者組合による召集を受け長期の間、学園を休学していたが.....)


まさかラグナロクの再来、世界蛇ヨルムンガンドが復活するとは。


(.......ロキきゅんが無事であればいいのだけど)


アングルボサの呪いの返り血を浴びながらそう思考するヘズ。


「すっ、すげぇ.....」「あぁ、流石はヘズ様だ。」


聖重騎士の特性を生かした突進攻撃。迫りくるアングルボサの呪いの大群に真正面から突っ込み化物達の進行速度を下げる。


「くたばれぇ!!化物!!!」「フレイム•アロー!!!」「蒼蓮双撃ッ!!!」「フォレスト•バイトォ!!!」「打鉄重槌!!!」「サンダー•ファングゥ!!!」「霹靂三千ッ!!!」


冒険者達は怯んだアングルボサの呪いへと向け、覚醒能力を各々解放し、蹂躙していく。


「ぐっ!!!」


真っ直ぐと進んでいたヘズの身体が後部へと吹き飛ばされる。


「大丈夫ですか、ヘズ様」

「あぁ、私は無事だ。」


後ろからついて来ていた冒険者達がヘズを受け止める。そしてヘズが視界を上げると歪な形状をした白色の狼が大口を開けていた。


【Woooooooooooooooooooo!!!!!】



獣の雄叫びが戦場を支配する。四つの眼、そして二つの大口。伝承では成熟したハティは二足歩行の獣人となり、月を呑み込むと言われている。その為、冒険者組合は幼体から成体の間に討伐しなければならない規則を設けている。


「ッ......彼奴を優勢して討伐するぞ。」


ヘズは冒険者達へと指示を出す。


(成体であることは間違えない。だが、あのヒビはなんだ.....)


対面しているハティの成体には身体中にヒビのような亀裂が出来ていた。まるで孵化を待つ卵のような出で立ちに違和感を覚える。



【__________なんだ、ハティが孵化しかかっているじゃないかね。】



声が脳内へと響く。男の声。アングルボサの呪いを蹴散らしながら周囲へと警戒の目を向けるが、正体が見当たらない。


「吾輩を探しているのかね?」

「っ!!?何者だ!!!」


突如として目の先に初老の男が姿を見せる。ヘズは数歩下がり大槍を男へと向ける。


「何者か、と問われれば災厄としか答える事しかできないが......「世界蛇」の遣いと言えば理解出来るだろう。」


男はハティの成体へと歩きだし、背へと騎乗する。


「それにしてもこの地は虫に溢れているな。煩くて仕方がない。」


ヘズを除いた周囲の冒険者、そしてアングルボサの呪いは上半身を消し飛ばされる。ハティが大口を閉じたと同時にその現象は起きたのである。


(私は........助かった?)


正確にはヘズは立っていた場所から少し離れた位置にいつの間にか立っていたのだ。


「_______________大丈夫、ヘズ?」


見知った声。声がする方へと目を向けると、学園生活を共にした人物が心配そうに私の顔色を窺っていた。


「......................スカル•モルド」

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