ドーヴァの災難
『四聖蛇公』は四つの特性に優れた戦士により構成される。
(お父様をお守りするために産み出された最強の戦士達。それがドーヴァ達、四聖蛇公。)
「知」のへヴリング。四聖蛇公を統括し、世界蛇の右腕の立場に就く最長の四聖蛇公。己を参謀役と自称するが、本質が闘争を好む戦士の為、知恵はあるが、身体が先に動いてしまうタイプである。
(へヴリングはお父様とよく行動を共にしている。恐らく、今も一緒にいると思う。)
「力」のコールガ。世界蛇の復活により壊滅的な影響を受けたアースガルズで先鋒として暴れ周り、クラキ国が保有する最強戦力「十二人の狂戦士」を実質潰した豪傑。だが、先日の戦闘でベルセルク最強の戦士ボスヴァルと相討ちをする形で死亡している。
(コールガはいつも裸で靴下だけを履いてる。裸である理由は確か筋力を最大活用するためだっけ。)
「速」のヒミングレーヴァ。漢剣を操る眉目秀麗な男戦士。類いまれなる戦闘技術を保有し、純粋な剣術や徒手空拳であれば四聖蛇公随一である。ネーデルラント領を全滅させ、ジークフリートの怒りを買う。
(ヒミングレーヴァ。最後に産み出された末っ子。喧嘩っぱやい性格をしているけれど、そこが可愛いと私は思う。)
「技」のドーヴァ。奇怪な術や法具を数多に所有し、操る事が出来る最カワな紅一点。
(私ことドーヴァはお父様から授かった法具での戦闘を得意とする。この巨大バサミもそう。)
お父様からの寵愛は恐らく一番多く受けている。唯一の女型であるから娘として甘やかされているのだろう。
(だからといって素の力でドーヴァは他の兄弟達に劣るとは思わない。法具がなくとも私は一流の戦士であり、殺戮者なんだ。)
だから、目の前に立つふざけた道化師野郎には負けない。強者は私だ。その見下したような眼を引き摺り出して喰らってくれる。
「_________人類は半減したね。いいや、それ以上だよ。君達には感謝している。」
道化師はひっひっひと不気味に笑いながら口を開く。
「......何をいっているの?」
ドーヴァは道化師が言っている事が理解出来ずにいた。同胞である筈の人間達が六割から七割も死滅したにも関わらず、感謝をすると言葉にしたのだ。
「知らないのは当然か。君達をこの世界に復活させたのは僕、ウートガルザ•ロキだ。冥界の女王じゃあない。」
復活出来たのは冥界の女王ヘルが復活したことにより生じた封印の綻びが原因ではないのかと表情を歪ませる。
(理解できない。)
種の滅亡を望むというのか。破滅願望でもあるとでもいうのか。
「自殺願望があるわけでも人類を全滅させたいわけでもない。ただ、数を減らして欲しいんだ。そしてそれは君達の手により達成された。」
道化師はホルスターから短剣を抜き自然体に構える。
「__________もう必要はないんだよ。」
両手両足が切り飛ばされ、首が宙を舞う。
(な、に?)
視界が右往左往に揺れる。だが、己の肉体を目視することで状況を理解したドーヴァは即座に超速再生をし、着地した。
「はぁ.......はぁ......」
(見えなかった.....何が起きたのかっ)
冷や汗を流し、最大限の警戒をする。
「あがっ、」
(あいつっ、動いてないのに!!)
両足を今度は飛ばされ、尻餅をつく。
「理解が追い付かないだろう。だけど、それでいいよ。何も知らないままに冥界にいっておくれ。君達の死は『スローライフ計画』にとって必要な過程なのだから。」




