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最後の相手

「________あぁ、ようやく戻って来てくれた!」


血塗れの姿のミストをにこにことした様子で眺めるヨルムンガンド。そしてシグルドの気配を感じたのかそう言葉を紡ぐ。


「ダーインスレイヴ.......」


ヨルムンガンドが手に持つ魔剣を確認し、簒奪されたことを理解する。


「ヘルが君だけは警戒しろって言ったんだ。だから、どれ程の危険性を持ち合わせるか俺自身、確かめたくてね。邪魔者はもういない。俺と勇者、どっちが強いか殺り合おう!」


ダーインスレイヴを異空間へと投げ捨て、白い手鉤爪を装備する。


(ダーインスレイヴは使わないのか.....いいや、警戒を怠ってはだめだ。全ての可能性を思考しろ。)


シグルドは素早い動きでヨルムンガンドへと斬りかかる。


「はっ!!人間にしてはパワーがある!」


鉤爪でグラム=バルムンクを受け止め、称賛の言葉を送る。


「グラム=バルムンク!!!」

「なっ」


鉤爪は破壊され、肉体が切り裂かれるヨルムンガンド。シグルドは続けてヨルムンガンドの首を跳ねた。そして宙へと舞う頭部へと手を翳し、火炎魔術を放ち焼き尽くす。


(手加減は無用。戦いを楽しんでいい相手ではない。)


世界を混乱へと誘った元凶。冥界の女王を冥界へと強制的に戻された以上、死者蘇生という反則技で生き返ることはできない。故に真の生と死の戦いなのだ。


「私がこの戦いに終止符を打つ。」


己の強さに傲らない。絶対的な強さで相手を瞬殺しなければ殺される。それを先の戦いで学んだのだ。



『__________はは、勇者と呼ばれるだけのことはある。』



虚空から声が聞こえる。シグルドは警戒を高め、周りを見渡した。だが、誰もいない。


『それに容赦もしない。気に言ったよ、その勇ましさ。最後の相手としては申し分ない。全てを殺戮し終えた後に存分に戦おうじゃないか。』


ヨルムンガンドは嬉しそうにシグルドへと告げる。


「.......逃げるのかい?」


シグルドは挑発する。此処でヨルムンガンドを討たなければ被害が拡大してしまう。それだけは合ってはならない。


『安い挑発だね。君との再戦を楽しみにしてるよ。精々、余生を謳歌して欲しい。願わくば更に強くなっていてくれると嬉しいよ。』


そう言い残すとヨルムンガンドの気配が完全に消えた。シグルドは警戒を緩まず、血塗れの姿で倒れるミストの元へと向かう。


「やられたな、ミスト。」

「........................酷い目にあったよ、本当に。」


血塗れだったミストは何事もなかったかのように立ち上がる。


「首とか心臓が破壊されなかったのが幸いだね。」


ミストの覚醒能力の本髄は血流操作にある。己の血液ならば手に取るように操れ、硬質化して剣にすることも可能だ。ミストはこの能力を応用し、出血死しないように内部で循環させていたのである。


「__________ダーインスレイヴを奪われたな。」


魔剣の能力はヨルムンガンドには通じなかった。由々しき事態であると同時に、新たなる武器を相手に授けてしまった。これは大きな痛手だ。


「ごめん........僕のせいだ......」


ミストは胸にぎゅっと手を当て、落ち込んだ様子を見せる。シグルドはミストの肩に手を乗せ、励ましの言葉を送った。


「__________________________案ずるな、私が必ず世界蛇を倒す。」

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