ヒミングレーヴァは叫ぶ
「あははははははははは!!!!俺に絶望と恐怖を与える?嗤わせてくれるなよ、人間風情が。」
漢剣を鞘から抜き、ヒミングレーヴァは低く構える。
「真の恐怖ってのを俺様がてめぇに教えてやるよッ!!」
もう片方の漢剣も鞘から抜き捨て、ジークフリートの元へと一足の内に駆ける。ジークフリートは双槍を構えたまま動かない。ただ、迫り来るヒミングレーヴァを殺意の元、見下ろすだけ。
「___________跪づけよ、三下。」
「うぐっつっ!!!?」
ジークフリートの言葉により、ヒミングレーヴァの刃は目の先で止まる。そしてその場へと跪く。己の動作に理解が出来ないと言った様子のヒミングレーヴァ。
(一体どうなってやがる......それになんで身体が震えてやがるんだ?)
冷や汗を見せるヒミングレーヴァの耳元で嗤う様に耳打ちをする。
「「恐怖」って感情を教えてやると言っただろう__________」
ヒミングレーヴァの両腕両足を双槍で切り飛ばす。そして槍で胸を貫いた。
「______________________簡単には壊れないでくれよ。お前をいたぶる楽しみを失いたくないんだ。情けない面を晒してくれ。そして絶望して死ね。」
ぐりぐりと胸に刺した槍を動かす。
「あがっ、........てめぇ、絶対に殺してやっ」
ジークフリートはヒミングレーヴァを籠手で殴りつけ、黙らせる。
「誰が話していいって言った?」
「っ..........」
ヒミングレーヴァは四肢を失い、胸部を槍に貫かれた状態でなぶられる。その姿を城壁の上で観察をする二つの影があった。
「あぁ憂苦は苦痛、堕落は悦楽.......ジークフリート、君のその怒りは良い食材だ。僕にもその顔を見せて欲しい。出来ることなら唾を吐き掛けて罵ってくれると尚良しだね。」
はぁはぁとロキは幸悦とした様子で怒りの感情を晒すジークフリートを見つめていた。
「師匠のことになると変態性が上がるよね、ロキ。結構言ってることが他の子達よりヤバいって自覚はあるの?」
そしてその隣ではディートリヒが引いた様子で道化師へと話しかけていた。
「.........ヤバくないもん。」
「ヤバくないもん、ロキえもん?」
煽る様に笑うと、ロキはキッとディートリヒを睨み付けた。
「剣帝......次に僕をそう呼んだら命はない。それはジークフリートだけが呼んでいい僕だけの親しみを込めた友愛の呼び名なんだ。君が汚していい領分じゃない。」
「僕が悪かったよ......でも、師匠の前では変な発言は控えた方がいいんじゃないかな。君は最もジークフリートから信頼を置かれているからね。嫌われたくないでしょ?」
「知っているよ。だからジークフリートの前ではなるべく自分を抑えているんだ。時には覚醒能力の恩恵を使って僕のだらしない顔が平常時であるかのように見せたりね。」
ロキはジークフリートと一緒にいる時には必ずと言ってもいい程、覚醒能力を使い自身のだらしない表情を隠している。ジークフリートの前では常に頼れる最強の道化師であらなければならないが為に。
「敵を騙すには先ず見方からだと言うだろう?」




