表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/381

高くせり上がる波

「『四聖蛇公(ミズガルズスオルム)』..........だと?」

(ベルンの奴が言っていた、世界蛇の親衛隊.............)


大斧を手元に顕現させ、両手で持ち構える。


「ふむ、その表情........事前に知っていたな。」

「だとしたら?」

「遊んでやろう。時は有限ではない。ラグナロクは全ての神々を消しさった。危機となる敵は最早存在しない。ヘル様を訪れる前に戯れてやる。そら、現在のアースガルズ(人間)がどの程度のものなのか、見てやろうではないか。来い。」


スケッゴルドは跳躍し、大斧をヘヴリングへと振り下ろす。だが、ヘヴリングは身体を軽く傾け、軽々と攻撃を避ける。スケッゴルドはすかさず大斧を横払いし、攻撃を続けた。だが、ヘヴリングは屈伸をし、その攻撃すらも欠伸をしながら回避する。


「目新しくないな。大斧使いなら技の一つや二つあるだろう?」

「ッ!!!舐めやがって!!!!」


小振りに斧を振るい、攻撃の手数を増やす。


「ふむ、攻撃が単調ではないことは評価しよう。」


背後に立たれ、肩へポンポンとする。スケッゴルドは肘をすかさずヘヴリングの顔面へと向け突き出すが、腕で攻撃を防がれる。


「才能はある。認めよう。だが、未熟だな。」

「んなこと知ってんだよぉ!!!」


ルーン魔術で火球を手元に圧縮させ、その場で暴発させる。


「おほん、おほん.......無茶をするっ!」


大きな爆発が起きる。だが直ぐに煙の中から逃げ出すようにヘヴリングが飛び出てくる。


「へ、へへ.......」


そして煙が晴れると、スケッゴルドが傷だらけの姿で笑っている姿が見える。


「.......お気に召してくれたかぁ?」


ヘブリングはニッと歪な笑みを浮かべると白翼のマントを靡かせ、背を向けた。


「ふ、ふふ、ふははは!!ここまでにしようではないか.....我輩は楽しみは後で取っておく派なんだ。死ぬんじゃあないぞ。精々強くなって我輩に殺されろ。」


ユグドラシルの大樹から学園へと向け、飛び降りるヘブリング。その姿を確認すると、スケッゴルドはその場で膝をつき、斧を地面へと手放す。


(強すぎる.........俺とあのじじいとの間には絶対的な力の差がある。)


初老の男は言葉通り、戯れただけに過ぎなかったのだ。力の一片も出していない。


「死んでいた......奴が一瞬でもその気になれば抵抗する余地もなく殺されていた。」


震えがおさまらない。自分が殺されることに対しての恐怖ではない。


「あんた、なんて顔してんのよ、」


スカル•モルドが殺される姿を想像してしまった。手が震える。口が動かない。彼女を失えば自分は怒り狂い、無策に襲い掛かり殺される。そんな容易な未来が見えてしまう。


「モルド......事が落ち着くまで、学園にいてくれないか?」


冥界の女王が学園を領域にしている限り、世界蛇の影響は学園には及ばない。へヴリングに生かされた理由も冥界の女王への謁見ゆえだ。


「頼む....お前には生きていて欲しい。」

「..........はぁ?」


モルドは「こいつ、なに言ってんだ?」って顔をする。ちなみにではあるが、モルドの腕はルーンで治療を終え、完治していた。


「あんたバカなの。好きな男を死地に一人行かせる程、私は堕ちてないの。私は「魔剣」をとりにモルド領に戻るわ。」

「す、好き..........ってモルド領に戻る!?無理だろ!陸を見て分かんだろ、海に沈んでんだよ!」


スケッゴルドの言葉にモルドは軽く鼻で笑うと、ルーン魔術を唱え始める。


『海神エーギルよ、迎え入れよ、受け入れよ、汝は我らが敵ではなく、共闘者である。自由を、我ら戦士に絶対なる加護を_________________』


そして、スケッゴルドの手を引っ張り、走り出す。


「___________________行くわよ!!」


ユグドラシルの大樹から飛び降りる。そして飛び降りる事を想定していなかったのかスケッゴルドは悲鳴を上げるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ