世界蛇の強さ
「我が兄、世界蛇の知識についておさらいをしましょう。」
学園長室にてジークフリートとロキはヘルの言葉に耳を傾ける。
(原作ではほぼ登場しなかったヨルムンガンドとの戦闘描写。)
そもそも戦闘を行ったのは主人公達ではなく、七英雄の一人「英雄」と剣帝のみなのだ。そして「英雄」が誰かまでは公式でも明かされていない。ただ、テキストにて七英雄の一人『英雄』が命をとし、相討ちとなったとだけ書かれているのだ。
「世界蛇の全長は世界の長さです。星を一周出来る程の巨大な体躯を誇ります。」
故に世界蛇と呼ばれる。そんな世界蛇をラグナロク以前に封じたのが雷神トールである。
「一度動き出せば地上の大半は大海に呑まれるでしょう。ですが、その体躯の分、動きは鈍重です。」
動き出せば大陸は確実に壊滅的状況になる。しかし、世界蛇本体は動く大きな的だとヘルは言う。
「それだけであればこの時代の七英雄でも容易く屠れたでしょう。」
巨大な蛇、と言うだけではないらしい。
「ヨルムンガンドの核は人型となります。そして四体の親衛隊を創造し、従えるのです。前時代ではこれらに数多のアースガルズ(アース神族)とミドガルズ(人間)の英雄達が殺害されました。核を倒さない限り、巨大な本体の動きは止まりませんよ。」
巨体な体躯で大陸を大海に沈めることは容易に出来る。だが、英雄級の実力を持つものを殺すことはそれだけでは足りないのだ。故に強者を屠る為に核自らが形をとり、戦士達と対峙するのだ。
(北欧の戦闘狂らしい設定の敵だな。)
ジークフリートはほくそ笑む。
「___________シグルド生徒会長を指標にするならば、我が兄(核)の強さは彼の全力時の数倍の力を有しています。それに親衛隊一体一体が再生能力を持ち、「s」級冒険者レベルの力を持っているのです。父の長子フェンリル程ではありませんが、人類が敵にしていい相手ではないと、忠告をしましょう。」
ヘルは溜め息を吐き、ジークフリートの目を真っ直ぐと捉える。
「ジークフリートさん、一つだけ言わなければならないことがあるます。」
「........なんだよ。」
ヘルは椅子から立ち上がり、自分の元へと近寄ると強く抱き締める。
「私の持つ死者蘇生の効力は私以下の者に殺された場合にのみ、適用されます。災害などの二次災害で死亡したのならば蘇生は出来ましょう。ですが、兄に直接手を下された場合は「生き返らせる」ことが出来ません。その点についてのみ、お気をつけ下さい。」
「...............ヘル、知っていたか。俺は冷たい人間なんだ。俺以外の「奴」が何人死のうと、最後に俺が立っていればどうでも良いことなんだよ。」
ヘルとジークフリートは口元を歪める。
「__________あぁ、本当に死後が楽しみです。」




