子供は何人欲しい?
生徒会の女子メンバー達はジークフリートに会うために校舎の廊下を歩いていた。
「それで、本当に「聖女」の方には手は出さないのか?」
カーラは二人へと尋ねる。フロールフとシグルドはブリュンヒルデとの接触や暴力沙汰をあまり好ましく思っていないのだ。
「あっちから手を出して来なければ別に関わる必要もないんじゃない。」
「いいえ、見掛け次第殲滅をした方が良いでしょう。」
ミストとエイルで意見が割れる。
「俺は正直に言うとエイル姉さんに賛成だね。あの女は手段を選ばなねぇ女だ。早々に消して置いた方がいい。」
「でも会長怒らせたらヤバいじゃん。」
フロールフはどうとでもなる。だが、勇者シグルドが問題なのだ。
「あぁ~、エイルちゃんの覚醒能力使っても「魔剣」だけはどうにもならないもんね。」
ミストは苦笑をする。シグルドはまさに一騎当千の勇者。地上世界では一番に強いと皆が口を揃えて言うだろう。そして現状のネーデルラント家が王家の次に実質上権威を持つのもシグルドの影響が大きい。
「魔剣はどうにもなりません。ですが、「勇者」の覚醒能力は抑える事は________」
________エイルの台詞が止まる。
「エイル姉さん!!」
教室の壁を破壊し、エイルの頭を掴む赤色の影。
「貴様の相手は私だ。」
「ぐっ、貴方はッ!!」
そしてそのまま外へと繋がる窓へとエイルの顔面をぶつけ、ガラスを突き破り、そのまま学園の庭園内へと移動する。
「っ、クリームヒルトぉ!!」
ミストが叫び、後を追うとするが、「聖女」が行手を阻む。
「____________二人の相手はブリュンヒルデ」
学園の庭園、そして校舎内から戦闘音が騒がしく響く。
(..........生徒会連中が動き出したか)
ジークフリートはルーン魔術による連絡をアスラウグから受け、教室を飛び出す。
『現在、覇王と聖女が生徒会メンバーと交戦中ですわ。如何致しますか。』
ジークフリートは一度立ち止まり、熟考する。
(クリームヒルト達の戦場に顔を出すべきか..........いいや、俺がすべき事は取り巻き三人組の相手じゃない。)
生徒会三人娘達の暴挙を黙認している奴らがいるだろう。
「_____________生徒会室に向かう。」
真に鉄槌を下すべきは彼女達の行動を許している男連中だ。
(新学園長もこれだけの騒ぎが起きているというのに完全に無視を決め込んでいる。)
裏で口合わせしているいい証拠だ。とはいえ、放任主義であるだけかもしれないが。
「アスラウグ、覚醒能力の射程、そして有効人数は何人だ?」
相手の覚醒能力を封じる能力を有するアスラウグ。それを利用し、シグルド兄さんとフロールフ先輩に正義の鉄槌を下さなければならない。
「____________ジークフリート様!」
アスラウグと合流する。戦闘現場は戦闘音からしてかなり近い。
「射程はわたくしを中心に半径1km。最大捕捉人数は二人ですわ。」
集団戦には向かない能力だが、「軽騎士」と同じく個人に対しての唯一無二の強さを誇る。
「____________よし。」
(シグルド兄さんとフロールフ先輩にアスラウグの覚醒能力を同時に使用する。)
フロールフを戦闘不能にした後、シグルドを二人がかりで畳み掛ければ勝機は見える筈だ。




