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師匠を越えていく

職業適性「冒険家」、覚醒能力は不明。


(何でも器用にこなす事が出きるけど、専門職には及ばない職業。)


それが俺が天啓で言い渡された職種適正だ。要約するにどんなことでもある程度は出来るよと言う優れた職種ではある。


(徒手空拳もある程度は出来る。拳闘士までの性能は出せないけど、基本技を使うことは出来る。)


剣、弓、槍、斧、鞭、魔術、道具なども目視で使い方を知ればある程度は使いこなせるようになった。槍を好んで使うのはリーチの長さ、そしてジークリンデに教授するために敢えて使い続けていただけに過ぎない。


「くっ、小癪な技ばかり!」

「それが俺の戦闘スタイルなのは知っていただろう?」


剣帝はどのような流派をも模倣することが出来る。そして三秒先の未来を見通す心眼をあわせ持つ化物性能だ。何よりも覚醒能力は「次元斬り」とどのようなものであろうと切断することが出来る絶殺の剣技を保有している。


「逃げてばかりじゃないですか!」

「まともに打ち合えば槍が弾かれちまうだろーが!」


ヒットアンドランを繰り返し、一定の距離を保つ。剣帝の間合いに入ってはいけない。


(「盗賊」の基礎、隠密に「槍使い」の基礎、カウンターで僕の攻撃を躱し続けている。そして距離を取れば柄を長く持つことで有効攻撃圏外から攻撃を仕掛けてくる。突き、払い、斬り、跳ね飛ばす、叩き潰すと戦い方を変えることが出来る。だから師匠との戦いは凄くやりずらいんだ。)


けれど、圧倒的不足しているものが一つだけある。それは決め技に欠けると言う欠点。それを補うのが魔剣やら原初のルーン魔術だけれど、師匠はそれら一切を現状持ち合わせていない。


(......エギルの兜は相手に恐怖を感じさせる効力を持つと言われているけれど、恐らく師匠の隠し球がそれなのだろう。相手を恐怖で怯ませた隙をついて斬りつける。)


シンプルだが、強い。だけど残念かな。今は装備をしていないんだ。


「__________戦い上手なのは確かに美点です。ですが、僕は貴方を越えて行く。」


軽騎士の「縮地」程ではないが、超加速は出来る。師匠が瞬きをする一瞬を狙い、手の甲を木剣で強く打ちつける。


「いっ!!」


木槍が地面へとカランと音を立て落ちる。そしてすかさず首もとへと木剣を当てた。


「___________僕の勝ちです、師匠」


ジークフリートは一瞬驚いた表情を見せるが、直ぐに両手を軽く上げ「参った」と言う。


「___________そして俺の負けだ。」


パチパチと拍手が鳴る。どうやらいつの間にやら観衆が出来ていたらしい。そこまで多くの人が見ていた訳ではないが、戦闘音を聞きつけ、貴族の用心達が様子を見に来ていたようだ。


「師匠の恩に報いれるように僕はもっと強くなります..........待っていてください。必ずや、貴方の剣となり、世界を..........」


ディートリヒはそう言うと、去って行ってしまった。


「________________負けちまったな!どんまい!」バンバン


タイミングを見計らったかのように背中をバンバンと叩くレギン。どうやら戦いを見ていた観衆の中にいたらしい。

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