26話:寝取り前の作戦会議
遺跡ダンジョンの攻略を終えて、サンルーナの城下町へと戻ってきた俺達。
後はフロンティアの本部へと戻るだけ……だったのだが。
「うちのギルドマスター……ダイルナさんを堕とす上で、二つほど大きな問題があります」
「問題?」
その道中、シアンが俺達を引き止めて、そんな話を切り出してきた。
「まず1つ目。ダイルナさんとセックスをした人間は死んでしまうという事です」
「ああ、あの噂はやっぱり本当だったんだな」
「はい。私が知る限り、これまでに99人の男が命を落としています」
「99人!? はぇー……ダイルナって、相当なヤリマンさんだぁ」
「こら、そういう言い方は良くないぞ」
「あたっ!? ごめんなさい……」
精神年齢の幼い部分があるアイは時々、デリカシーの無い発言をするからな。
俺がちゃんとこうして、躾けていかないと。
「まぁ、ダイルナさんがヤリマンクソビッチなのは認めますが」
「認めるのか……」
「……それより、なぜダイルナとセックスをした男は死んでしまうんだ?」
歯に衣着せぬ物言いをするのはシアンも同じかと呆れていると、俺の隣のガティが本題を切り出す。
確かに、ダイルナの秘密の中でも……一番大事なのはそこだ。
「それは……呪術のせいです」
呪術というと、呪いとかまじないとか。
そういった力の事だと記憶しているが……
「ダイルナさんの家系は代々、優れた呪術師でして。彼女自身も、高い能力を秘めた強力な呪術師なんですが……両親が、とてもヤバい方々でして」
「両親が?」
「はい。ダイルナさんの両親は優れた呪術師の血筋を残すべく、ダイルナさんに許嫁を用意しました。強い呪術師を孕む為に最適な、強い精神力と精力を持った人を」
「うぇーっ、好きでもない人との結婚とか、絶対に嫌だよー」
「ああ。私も一度そうなりかけたが、今思えば本当に最悪な状況だった」
イヴィルとの婚約を思い出したのか、ガティは気持ち悪そうに口元を押さえる。
好きでもない男の上に、家族の仇と結婚しそうになっていたんだもんな。
救い出せて、本当に良かった。
「ダイルナさんもそう思い、許嫁を拒否して逃げ出しました。それで彼女の両親は、ダイルナさんに……腹上死の呪いを掛けたんです」
「そんな……!」
「強い精神力と精力があれば、死なずに済みます。しかし今まで、その条件を満たして生還した人は一人もいません」
「強い精神力と精力……?」
「ええ。ダイルナさんの体を前に我を失ったり、彼女を満足させる前に射精の限界を迎えたりすると……あっという間にあの世行きです」
「「なーんだ。じゃあネトレは大丈夫だ」」
シアンの話を聞き、揃って安堵の笑みを溢すアイとガティ。
「ネトレのチ○ポは限界知らずだよっ! 何回ヤってもビンビンだもんっ!」
道の往来でそんな事を大声で言うのはやめなさい。
道行く人々がこっちを見て、ヒソヒソと話しているじゃないか。
「そりゃすごいのぉ、あたしもあと十年若ければねぇ……」
「ママー! あの人のチ○ポ、すっごいんだってー!」
「まぁ……そうなの? ウフフ……それは、興味あるわねぇ」
そこのおばあさんも、ちびっこも、そのお母さんも。
そんな熱い視線で俺の股間を見つめないでください。
「……ネトレのおチ○ポ様が最強なのは言わずもがなだが、それよりも私は精神力を評価している」
「ガティ……!」
「厳しい修行の日々を、一度も弱音を吐かずに耐え抜く。自分の生い立ちを知ってなお、抗い、前へ進もうとする。これほどまでに心の強い人間を、私は他に見た事が無い」
少し大袈裟に言い過ぎな気もするが……師匠であるガティから褒めて貰えて、悪い気はしない。
「ネトレならば、ダイルナとのセックスで死ぬ事は無いだろう」
「ええ……それに関しては、さっきネトレさんとラブラブちゅっちゅで、エロエロぐちょぐちょな汗だくセックスをした私も同意見です」
ガティの言葉に頷きつつ、先ほどの俺との行為を思い返しているのか。
シアンはうっとりとした顔で、だらしなく口元を緩めている。
「なので1つ目の問題。ダイルナさんとセックスすると死ぬ……という部分はクリアしていると見てよさそうです」
「じゃあ、残る問題は後一つだけって……コト?」
アイの言うように、シアンはこの話を切り出す時、二つの問題があると言っていた。
後はもう片方の問題をクリアすれば、ダイルナを堕とせるようだが……
「そうなりますね。というより、私としては……こっちの方が大問題だと思っています」
「死の呪いよりも、大きな問題だって? それは一体……」
「実は……ダイルナさん。ネトレさんの事を嫌っているみたいなんです」
「「「えっ!?」」」
綺麗に重なる俺達3人の驚きの声。
ちょっと待て、俺が嫌われているって……どういう事だ?
「覚えはありませんか? どうやら、今朝に遭遇したみたいなんですけど」
「今朝……あっ! もしかして、あの人か!?」
言われて思い出すのは、変な男に絡まれていた爆乳の女性。
よくよく考えると、俺が聞き込みで得たダイルナの特徴と一致している。
「覚えがあるんですね?」
「あ、ああ。確かにちょっと、生意気な事を言っちゃったかも」
彼女の誘惑を、偉そうに跳ね除けちゃったからな。
そのせいで、ダイルナの機嫌を損ねた可能性は高い。
「……ただ、これは確定ではありません。私が聞いた印象だと、彼女が怒っているのはネトレさんではなく……いえ、この話はまた後にしましょう」
シアンは何か言いたげであったが、今は話す必要が無いと判断したのだろう。
首を左右に振って、話を仕切り直す。
「それよりも重要なのは、ダイルナさんが今……誰かに恋をしているという事なんです」
「「「恋ぃっ!?」」」
再び、俺とアイとガティのリアクションが綺麗に重なる。
「はい。今まで、自分が生きる為に男と結婚する事はあっても、誰かを好きになった事の無いダイルナさんが……人生初の恋をしたそうです」
「はいはいはーい! 私もネトレが初恋の相手でーす!」
「フッ、無論私もだ」
「むっ!? 私だって、ネトレさんが初恋の人なんですからね!」
「……シアン。アイ達の相手はいいから、続けてくれ」
「あ、はいっ。えっと……つまり、何が言いたいのかと言うと。今までのダイルナさんは、自分の呪いに打ち勝つ相手を求めて、色んな男性とセックスをしてきました」
「それが……99人の男達か」
「はい。ですが、好きな人が出来た彼女は、もう二度とそういう真似はしないと決めたみたいなんです。つまり、今のダイルナさんとは……簡単にヤれないんです」
「なるほどな」
つまり、シアンの言いたい事をまとめると、こうなる。
一つ。ダイルナとのセックスで死なない為には、強い精神力と精力が必要。
二つ。ダイルナは今、好きな人がいるので簡単にはセックスできない。
「ネトレさんが望むなら、私達でダイルナさんを動けなくして……」
「いや、その手段は取りたくないな。ダイルナもいずれは、お前達みたいな大切な仲間になって……」
「「「仲間?」」」
「……お嫁さん」
「むっふぅーっ!」
「伴侶」
「んあぁぁぁーっ!」
「運命の人」
「うぇへへへへっ……」
「……に、なって欲しいからさ」
「「「うんうん」」」
自分達のお気に入りのフレーズを貰い、満足そうに頷く3人。
全員、心の底から可愛いとは思っているけど……こういう部分は少し面倒だと思います。
「ネトレさんの方針は分かりました。では、ダイルナさんとは愛のあるセックスをご所望という事で」
「まあ、そうなるかな。ダイルナの想い人には悪いけど、彼女は俺が頂く」
「でしたら、まずは私が一人で先にギルドへ戻りましょう。ダイルナさんに嫌われているネトレさんと一緒に戻ると、警戒されるかもしれませんし」
「それで、どうするの?」
「とりあえず……事実確認からしてみます。嫌われているのがネトレさんなのかどうか、そして……ダイルナさんの惚れている人が一体何者なのか」
「そうだな。シアンスカよ、そこの辺りはよろしく頼む」
「ええ。それでは行ってきますので、皆さんは宿に戻っておいてください」
そう言い残して、シアンは一人でギルドへと向かっていく。
優秀な彼女に任せておけば、何も問題は無いだろう。
「さて、俺達に出来るのは……宿でシアンの帰りを待つだけだな」
「ううん、違うよネトレ」
「ああ、そうだぞネトレ」
「へっ?」
シアンの後ろ姿を見送ったところで、いきなり左右からガシッと両腕を掴まれる。
あれ、こんな状況……前にもあったような?
「うふふふっ……やーっとポイントの使い所が来たね」
「ポイントって……まさかお前ら、今からヤるのかよ!?」
「当然だ。お前はダンジョンでシアンスカと楽しんだようだが」
「私達はご無沙汰だもんねー!」
「ご無沙汰って、昨日……うぉわっ!? 引っ張るなっ!」
俺の指摘も虚しく、アイとガティは俺を力ずくで引きずっていく。
こうなってしまうと、俺にはもはや抵抗する術はない。
「えっち♪ えっち♪ ネトレとえっち♪」
「ああっ! シアンスカから授かったテクニックを早く試したい!」
「10Pだから10発はヤれるもーん!」
「はぁ!? 待て、そんなレートにした覚えは……!」
「先に決めておかなかったお前の落ち度だ。さぁ、20発は覚悟してもらうぞ」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!? 誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇっ!」
ほんの数時間前にシアンに15発も抜かれた後だというのに、アイ達の相手で20発とか無理に決まっている。
だが、俺の必死の叫びに……応えてくれる者などいる筈もなく。
「あはっ……♪ いーっぱい、気持ち良くしてあげる」
「愛しているぞ、ネトレ。ずっとずっと、お前は私達のモノだ――」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
日が沈みつつある、サンルーナの城下町に響き渡る甲高い絶叫。
その叫びはやがて、町外れの小さな宿屋の中へと消えていき……
最後には、周囲一帯に轟く程の……美少女二人による嬌声へと変わったのとさ。
ちゃんちゃん。
『ステータスが更新されました』
<<ネトレ・チャラオ>>
【年齢】18歳
【ジョブ】ニセ勇者
【性技レベル】B
【股間サイズ】18~23cm
【経験人数】3人(スライム1体含む)
【経験回数】89回
【戦闘レベル】22
【能力】寝取り(抱いた相手を自分の虜にする事が出来る)※未確定
<<アイ>>
【年齢】0歳
【種族】暗殺用スライム(ネトレのお嫁さん)
【性技レベル】A
【スリーサイズ(人間時)】B89 W57 H84
【経験人数】1人
【経験回数】43回
【戦闘レベル】66
【能力】擬態(自身の体を自由自在に変形させる)
<<ガティ・アグリッタ>>
【年齢】22歳
【ジョブ】剣士(ネトレの伴侶)
【性技レベル】B
【スリーサイズ】B77 W60 H89
【経験人数】1人
【経験回数】38回
【戦闘レベル】63
【武器】紅蓮剣プロメテウス(自身の感情を炎へと変える)




