25話:エロの花咲くガールズトーク
「……という事で、俺は世界への復讐を誓ったんだ」
シアンと結ばれて、キマイラを消滅させた後。
俺は彼女に、これまでの経緯を全て説明した。
俺が母の寝取られによって産まれた子供で、勇者の血を引いていない事。
ニセ勇者として処刑されそうになった事や、アイとの出会い。
ガティを婚約者から寝取り、今に至る事まで――全て。
「……」
「騙していて悪かった。俺は……本物の勇者なんかじゃないんだ」
「ぐすっ……! ひっくっ、うぇぇぇんっ……!」
「シアン?」
俺の話を静かに聞いていたシアンだが、急に堰を切ったように泣き出してしまった。
やはり、俺の正体がショックだったのだろうか。
「ごめん。こんな話、傷付くのも当然だよな」
「ずびっ。ち、違います……悲しいわけじゃなくて、私……嬉しいんです」
「嬉しい?」
「はい。だって、ネトレさんも……母親の不貞で産まれた子供なんですよね? それって、私と同じじゃないですか」
「……そうなるな」
「私、今までずっと、自分の生い立ちを恨んでいました。でも、ネトレさんと同じ境遇になれて、ネトレさんと同じ痛みを分かち合える事が……う、うぅっ、うれじくでぇ……」
そう言って、再び大粒の涙をこぼすシアン。
ああ、くそっ。なんて健気な子なんだ。俺はもう、この子を抱きしめずにはいられない。
「……あっ」
「ありがとう、シアン」
「えへへっ……初めて会った時から、ネトレさんの事が気になっていたんですけど。きっとそれは、私と似た空気を感じたからなんでしょうね」
俺の腕の中で、シアンは幸せそうに微笑む。
もはや確かめる必要なんか無いが、念の為に……いつものをやっておくか。
「シアン。お前の一番大切な人は誰だ?」
「ネトレさんですよ。これから先、どんな事があろうとも」
「ダイルナや、ギルドの仲間達よりも?」
「誰が相手であっても、ネトレさんの勝利以外ありえません」
「じゃあ……俺の力になってくれるか? 俺と共に、復讐の道を歩んでくれるか?」
「私の体、心、魔導は全て……ネトレさんのモノ。アナタの為なら、たとえ地獄の底であろうとも……お供致します」
そう答えて、シアンは俺の右手の甲に口付けを行う。
よし。これでシアンも完全に攻略したと言っていいだろう。
「じゃあ、そろそろガティ達を見つけて合流しよう。新しい仲間を紹介したいし……」
「仲間? 私はネトレさんの運命の人……ですよね?」
視線を下に向けると、角を生やし、光を失った銀色の瞳で俺を見つめるシアンの顔のドアップが見える。
ああ、シアンよ。お前も結構、ヤンデレ成分マシマシな女の子なのか。
「そ、そうだな。俺の運命の人を紹介しないとな」
「はいっ♪ ネトレさん♪」
スリスリと頬擦りをしてくるシアンを愛おしく感じながらも、どんどん増えていく俺の股間への負担に……ほんの少し、同情するのであった。
【数十分後 遺跡ダンジョン】
ボスモンスターを倒した後のダンジョンの攻略は、消化試合のようなものだ。
道なりに進み、時折現れる雑魚モンスターを倒し。
やがては最深部に到達し……今回の目的であった遺跡の起動スイッチを再び押して、遺跡内部のトラップを全て解除する。
これで今回のA級任務は終了。後はギルドに戻るだけ――だったのだが。
「……というわけで、お尻を虐める時にはコツがあって。ネトレさんの場合は、こうして指をクリクリっとすると、簡単にイカせられますよ」
「な、なるほどっ! それが噂のメスイキというやつか!」
「ねぇねぇ、先生! 私の指をこうやってイボイボに変形させたら、ネトレのお尻の穴がもっと気持ち良くなると思うの!」
「アイさんの能力は便利ですね。それでしたら、ネトレさんのネトレ棒の先端の穴に……」
「えええええ!? そんなの痛くないの!?」
「分かりませんが、スライムの柔らかさなら面白い事になりそうですし。次の機会で試してみる価値はあるかと」
「アイばかりズルいぞ! 私にも必勝のテクを授けてくれ!」
「ガティさんは受け身特化なので、ネトレさんが気持ち良くガン突きできるように……」
「そんな事が可能なのか!?」
「筋肉のあるガティさんなら、そのコントロールでアソコの締付けを自在に――」
「あー! あー! げふんげふんっ! お前ら、いつまでやってるんだ!?」
ダンジョンの片隅で輪を作り、何やら物騒なガールズトークで盛り上がっている3人に声を掛ける。
「えー? 今いいところだから、もう少し待ってくれないかな?」
「そうだぞ、ネトレ。これも全て、お前とのセックスの為なんだ」
「おいおい。ついさっきまで、敵意剥き出しだったくせに……」
俺とシアンがアイ達と合流して、結ばれた事を明かした後。
アイは拗ねていじけるし、ガティは不機嫌そうな顔でずっとイライラしていた。
しかし、シアンがサキュバスである事。そして、今のアイ達よりも遥か高みにある性技を持っていると知るなり……彼女達の態度は一変した。
「クスクス……アイさんもガティさんも、教え甲斐がありますね」
「頼むから、二人をこれ以上強化しないでくれ。ただでさえ、普段からやられっぱなしなんだぞ」
「心配御無用ですよ。ネトレさんの性技レベルも、私がしっかり管理してあげますから」
そう言って、外見年齢10歳には不釣り合いな妖艶な表情で、チロチロと赤い舌を蠢かせてみせるシアン。
ぐぅっ……! さっきシアンにアレを舐めて貰った時の事を思い出すだけで、また俺のアソコが硬くなってしまいそうだ。
「それに、ネトレさんのレベルが上がれば、今後の役に立ちますよ?」
「うむ、そうだな。より女を堕としやすくなるだろうし……」
「エッチする私達も、今まで以上に気持ち良くなれるから一石二鳥だよ!」
「なんだか、上手く言いくるめられた気もするが」
なんにしても、この3人が仲良くやれているのなら好都合だ。
美少女を3人も堕としたんだ。その責任は取るべきだろう。
「分かった。俺ももっと、テクを磨くよ」
「「「わーい!」」」
「でも、ポイント制は変えないからな」
「「「えーっ!?」」」
「当たり前だ! お前達の相手を毎晩していたら、身が持たないっての!」
一度、アイとガティを同時に相手にした時でさえ死にかけたからな。
成長した二人にシアンまで加わったら、俺は間違いなく腹上死するだろう。
「近い内に、優れた回復能力を持つ僧侶を仲間にした方がいいですね」
「あっ、それにさんせーいっ! ネトレのネトレをビンビンにしてくれる子がいい!」
「いくらでも好きにネトレとエッチできるようになるのか……胸アツだな!」
「あー、はいはい。そうなるといいな」
脳内ピンク一色の3人を一蹴しつつ、俺はダンジョンの出口へと向かって歩き出す。
「ほら、急ぐぞ。次のターゲットはもう決まっているんだからな」
「「「はーい!」」」
そう。次のターゲットはギルド・フロンティアのギルドマスター。
ダイルナ・フラミスト。
彼女を籠絡し、俺はフロンティアを手中に収めてみせる!
ブクマ100件、評価人数20人到達しました!
ありがとうございます。皆様からのご支援でやる気を頂きつつ、今後も頑張って参りますので。
どうかこれからも、お力添えをお願い致します!




