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15話:ロリ魔法使いとギルド【フロンティア】

「ネトレ、見ていてね。今度は私が……ネトレを守るから」


「お前に降りかかる火の粉は、この私が全て取り払う」


 俺の軽率な行いにより、四方を囲まれた絶体絶命の状況下。

 アイもガティもやる気十分といった様子で戦闘態勢を取っている。

 こうなったら、もう腹を括るしかない。

 そんな風に覚悟を決めた――直後の事であった。


「待ってください」


「ん?」


 俺達を囲む兵士達を押しのけるようにして、一人の少女が姿を見せる。

 歳は10歳くらいだろうか。黒いウィッチハットを被り、手に魔法杖を握りしめている彼女は……実に将来が楽しみな美少女であった。


「そこの方達を取り押さえる必要はありません」


「なんだと!? いきなり現れて、何を言い出すんだ!?」


 少女が唐突に俺達を庇う発言をしたので、兵士達の間に動揺が走る。

 そして、その中の一人が……少女を見て、ハッとしたように声を張り上げた。


「待てよ。お前は……ギルド【フロンティア】のシアンスカだな!?」


「はい。その通りです」


「これはフロンティアに関係の無い話だろう!? 首を突っ込むな!」


「そういうわけにはいきません。これは、私の受けた依頼とも関わりがあります」


 屈強な兵士達に凄まれても、シアンスカと呼ばれた少女は涼しい顔を崩さない。

 それどころか、おもむろに俺達の方へと歩いていくると……足元に転がる二体のゴミクズの死体を確認するようにしゃがみこんだ。


「……やはり。この死体はどちらも、私が始末する予定だった兵士達ですね」


「なにぃっ!?」


「お仲間なら、この二人がどんな男達がご存知でしょう? 皇帝陛下の耳にも、その悪評が届いていた……という事です」


「「「「ぐっ……!?」」」」


「恐らく、そこのお美しい女性達にも下品な真似をしようとしたのでしょう。それで、そこの男性が二人を処分した」


 返す言葉に詰まる兵士達に、淡々と自分の推理を告げるシアンスカ。

 それからチラリとこちらを、上目遣いに見てきたので……俺は彼女の期待に応える。


「ああ。大正解だよ」


「……容易い事です」


 そう呟き、シアンスカは特に誇る様子でもなく立ち上がる。

そしてそれからすかさず、俺達に向かってペコリと頭を下げてきた。


「私の仕事を代わりに遂行してくださり、ありがとうございます」


「いや。こちらこそ、助かったよ」


「当然の事です。では、私はこれで……」


 そう答えてから、シアンスカは踵を返して門の方へと歩いていく。

 その途中、すれ違った兵士達に向けて……彼女は一言だけ言い残す。


「アナタ達、明日は我が身ですよ」


「「「「……」」」」


 それだけで効果は抜群だったようで。

 兵士達はお互いに顔を見合わせてから、俺達への包囲を解いていく。


「……過失はこちらにあったようだ。通りたければ、通れ」


「そりゃどうも」


「ふーんっだ! 早く行こっ!」


「久しぶりに暴れられるかと思ったが、残念だ」


 道が空いたので先へ進もうとすると、ガティとアイが俺の左右から俺の腕を組んでくる。

 ぶにゅぶにゅと俺の右腕を飲み込むアイのおっぱい。

 そして逆にガッチリと、胸当ての無機質な硬さを押し付けてくるガティ。

 この差は……触れないでおこう。


「あっ、おい。待ってくれ」


 美しい女を二人はべらせて、門を抜けようとしたところで。

 さっき俺達を囲んでいた兵士の一人に呼び止められる。


「さっきはすまなかったな。こんな事を言うのもアレだけど、実は俺……お前達が殺した二人の事が嫌いでさ」


「……」


「すげぇスッキリしたよ。ありがとう」


 まさか、人を殺して礼を言われる事になるなんてな。

 俺は少し、変な笑いが出そうになるのを堪えつつ……どうせならばと、この兵士に質問してみる事にした。


「それなら、礼代わりに……一つ、教えてくれないか?」


「構わないが……何を聞きたいんだ?」


「あのシアンスカとかいう少女。陛下とか言っていたけど……何者なんだ?」


 さっきの彼女の口ぶりは、まるで皇帝からの勅命で動いているようであった。

 もしそうなら、彼女は皇帝と親しい関係の人物という事になるが……


「ああ、その事か。シアンスカはサンルーナでも有数の大手ギルドである【フロンティア】のナンバー2なんだよ」


「え!? あんな小さい女の子がナンバー2なの?」


「うむ。にわかには信じがたいな」


「本当さ! 今のギルドマスターであるダイルナさんの義理の娘なんだが、その魔法の実力はサンルーナの中でも5本の指に入るらしいぞ」


 アイ達と同じく、俺も兵士の話には懐疑的であったが……

 ここで嘘を吐く理由も無いし、本当の事なのだろう。


「噂じゃ、シアンスカは皇帝陛下のお気に入りらしくてな。よく城に招かれては、さっきみたいに直接、依頼を受ける事もあるとか」


「ふーん。なるほどね」


 皇帝と繋がりのある少女……気になるな。

 それともう一つ、俺が引っかかった情報がある。


「なぁ、フロンティアの現マスター……ダイルナっていうのは名前からして女なのか?」


 だとしたら、ますます都合がいい。

 ギルドマスターが女。そしてナンバー2が皇帝のお気に入り。

 もしも、そのギルドを手中に収める事ができたなら、この国を乗っ取る上で重要な足がかりになるに違いない。


「ああ、そうだよ。それはもう、美人な人でな」


「へぇ。だったら、もっと詳しく……」


 ビンゴ! やはり狙うはギルド【フロンティア】だ。

 そう思い、俺はさらなる情報を兵士から聞き出そうとするが……


「むぅぅぅぅっ! ネトレ! まずは宿屋を探しに行こっ!」


「まずは英気を養うべきだ! あんなカッコいい真似をして私の股間を湿らせたんだ! 今すぐ責任を取って貰うぞ!」


「あっ、おいっ! ちょっ……ああああああああっ!」


 俺とした事が、アイ達のケアをすっかり失念していた。

 嫉妬ゲージが限界を迎えたらしい二人に引きずられる形で、俺はずるずると……宿屋へと連行されていく。


「んふふぅーっ! 今日はどんな風にネトレを気持ち良くしちゃおっかなー?」


「アイ、お前の胸と私の尻でネトレのアソコを挟むというのはどうだ?」


「あはっ! それイイかもっ!」


 宿を取るなり、俺をベッドに放り投げ、素早く全裸になるアイとガティ。

 そして、いつの間にかコンビネーションを覚えていた二人によって――


「ほーら、イっちゃえっ! えいっ、えいえいっ、えーいっ!」


「さぁ、イけっ! イッて、イッて、イキまくれ!」


「あっ、あっ、あぁーっ!」


 今日も俺は散々イカされまくり、精も根も搾り取られるのであった。


『ステータスが更新されました』


<<ネトレ・チャラオ>>

【年齢】18歳

【職業】ニセ勇者

【性技レベル】B

【股間サイズ】18~22.5cm

【経験人数】2人(スライム1体含む)

【経験回数】52回

【戦闘レベル】21

【能力】寝取り(抱いた相手を自分の虜にする事が出来る)※未確定


<<アイ>>

【年齢】0歳

【職業】暗殺用スライム(ネトレのお嫁さん)

【性技レベル】B+

【スリーサイズ(人間時)】B89 W57 H84

【経験人数】1人

【経験回数】32回

【戦闘レベル】65

【能力】擬態(自身の体を自由自在に変形させる)


<<ガティ・アグリッタ>>

【年齢】22歳

【職業】剣士(ネトレの伴侶)

【性技レベル】C

【スリーサイズ】B77 W60 H89

【経験人数】1人

【経験回数】27回

【戦闘レベル】62

【武器】紅蓮剣プロメテウス(自身の感情を炎へと変える)


<<シアンスカ・フラミスト>>

【年齢】110歳

【職業】ギルド『フロンティア』所属 魔法使い

【性技レベル】A+

【スリーサイズ】B72 W49 H73

【経験人数】0人

【経験回数】0回

【戦闘レベル】70


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