11話:淫乱ドMはNTRに想いを馳せる
「うぅ~ん……もう、無理……だ……」
「全く、これくらいで音を上げるとは……まだまだ鍛錬が足りないな、ネトレ」
俺がガティと結ばれてから、一夜が明けた後。
疲れのせいでベッドから動けない俺に対し、ガティはまるで平気な様子で、裸のままストレッチをしている。
むしろ、肌がツヤツヤとしていて……リフレッシュしているようだ。
「……今回は、俺が優位のはずだったのに」
「ふふっ、お前は優しいな。私としては、もっとガンガン……おま○こを壊すくらいの勢いで激しく突いて欲しかったものだが」
「アナタが強すぎるんですよ。今の俺のアレじゃ、そこまでの力は無いようで」
鎧姿に着替えながら笑うガティに答えつつ……俺も服を着る。
なんにせよ、ガティと結ばれたのは間違いない。
これで俺の能力が本物なら、彼女は完全に俺の虜になっているはずだ。
「だったら、これから毎晩……私と修行すればいい。快感は少し物足りなかったが……お前とのセックスは心が満たされる。未だかつてない幸福感を感じたぞ」
着替え終えたガティが俺の頬にチュッとキスをして、そんな言葉を口にする。
やっぱり、俺の性技はまだまだ未熟のようだな。
アイの時にも似たような事を言われたし。
「それに、試したい体位があるんだ。後ろからだけじゃなく、こう……弁当売りのような体勢で、お前に抱えられながら突かれたい。それに、お尻の穴も……」
「……ごほん。これからの話をしてもいいですか?」
瞳を煌めかせながら、今後の夜の方針を語るガティを諌めつつ。
俺は大切な本題を切り出す。
「俺は当然として、これからはアナタもお尋ね者になってしまいます」
「ああ、そうだな」
「ですので、一度この国を離れようと思うんです。行き先はサンルーナ辺りにして」
サンルーナ。ここから西へ遠く離れた土地にある国で、エクリプスとは数十年に渡り、冷戦状態となっている。
「なるほど。エクリプスと敵対しているサンルーナなら、この国からの追手は来ない」
納得したように、ガティは顎に手を当てて頷く。
しかし、腑に落ちない点もあったようで。
「だが、いいのか? 私の罪が公になる前なら……陛下の傍に近付き、首を切り落とすのは容易いぞ?」
「え?」
「……お前を罠に嵌めたゴミクズだ。どうせなら、殺しておきたいだろう?」
何の迷いも躊躇もなく、淡々と放すガティ。
それも、仮にも恩義を感じ、忠誠を誓っていた国王陛下に対して。
「ダメですよ。仮に国王を殺せても、すぐに貴方が捕まってしまう。国王の周りには何人も、騎士団の隊長達がいるんですから」
「確かに、一人ずつなら私と互角の勝負だが……複数人いると厳しいか。他の隊長達はイヴィルとは違い、全員が強者だからな」
自分がヒイロに匹敵すると豪語していたイヴィルだったが、実際はそんな事は無い。
あの男は家柄のお陰で隊長に選ばれていただけで、実際の戦闘能力は副隊長以下だ。
「そもそも、私の隊の隊長でさえ……勝てるかどうか分からん」
「そうでしょう? だから、ここは一度他国に身を寄せて……そこで戦力を整えるんです」
「だが、私はお前の為なら、刺し違えてでも国王を殺して――」
「ガティ」
「ぶっ!?」
俺はガティの頬を、グッと鷲掴みにして言葉を無理矢理に遮る。
もっと温厚な黙らせ方もあったのだろうが、そんな判断が付かないほどに……今の俺は怒っていた。
「お前は誰のモノだ? あ? 勝手な事を言うんじゃねぇよ」
「ひゃ、ひゃひっ……わらひは……っ!?」
「お前の命は誰にもやらない。一生、俺の傍にいろ。いいな?」
「……はいっ♪」
俺の言葉に、ガティはうっとりとした様子で頷く。
ちゃんと釘を差しておかないと、何をしでかすか分からないからな。
「分かってくれて嬉しいですよ、ガティ」
「フッ……お前のせいで、股間がぐしょぐしょになったぞ。困った奴だ」
困った奴なのはどっちだよ。
爽やかに笑う暇があったら、パンツを履き替えて来て欲しいものだが。
「一応、聞いておきます。ガティの一番大切な人は誰ですか?」
「愚問だな。お前に決まっているだろう」
「陛下や、イヴィルよりも?」
「……聞く必要があるのか?」
「騎士の誓いや、誉れよりも?」
「何と比べようと、ネトレしか勝たん」
「じゃあ、俺の復讐の為には……どんな汚い真似でもしてくれますか?」
「私の忠義は、お前を幸福にする事だ。お前の望みなら、なんでも叶えよう」
よしよし、ガティがここまで言うという事は、完全に俺の虜になっている証拠だ。
残るは、後の事を考えて……言質を取っておくだけだな。
「それなら俺が、他の女の子を寝取っても許してくれますか?」
「ああ、もちろ……なんだって?」
「え? あっ、えっと……」
勢いでなんとか押し切ろうと思ったのだが、流石にそう上手くはいかない。
ガティは眉間に皺を寄せながら、ズイッと俺の顔を覗き込んでくる。
「寝取る? それはつもり、お前は私以外の女と……セックスをするという事か?」
「それはまぁ……仕方ないといいますか」
「ネトレ、お前まさか……?」
マズイ。やはり、俺には寝取りの才能が受け継がれていないのか?
浮気者として、ここでガティに殺されてしまっても、おかしくは……
「私に寝取られを体験させるつもりなのか!?」
「……は?」
「ふっ、ふふ……そうか。これは言わば、お前という者がありながら、イヴィルなどというカスと婚約していた私への罰というわけだな」
「……はい?」
「確かに、愛するお前が他の女と……あんなにも気持ちよく、幸せな行為をするなんてのは許せない。だが、しかし……なんだ? この胸の奥からこみ上げてくる熱い感情は」
「もしもーし?」
「ネトレが他の女と……くぅっ、なぜだ!? やはり大きな胸がいいのか!? 私の小さな胸では満足できないというのかっ!? ああああああああっ!」
頭をかきむしりながら、その場で何度もぐるぐると回るガティ。
その異様な光景に、俺が何も言えずに立ちすくんでいると……唐突にピタッと、ガティの動きが止まる。
「うっ! ふぅっ……いいさ。それはお前にとって、必要な事なのだろう?」
「え? ええ、まぁ」
「ならば文句は言うまい。ただ、出来る事なら……その寝取り行為の詳細を、私にもしっかりと……丁寧に、話して貰いたい」
「構いませんけど……」
「あ、ああっ……! 私のネトレが、私のネトレが取られてしまう……あぁんっ!」
何を妄想しているのか、自分を抱きしめながら悶えているガティ。
仮にもこれが……騎士の姿か? いやまぁ、それでも好きなんですけどね。
「納得して頂けたところで、紹介したい子がいるんですけど」
「紹介? それはもしかして、例の協力者の事か?」
「はい。恐らく今後しばらくは、俺とガティ……それと、その子の三人で一緒に行動すると思うので」
「……まさかとは思うが、もしかしてソイツは女か?」
「……はい」
「っぅっ!? そして……既にお前と、その……セックスを?」
「しています」
「んあああああああああっ!?」
ショックを受けるのはいいんだけど、いちいち反応が大きすぎないか?
「はぁっ、はぁっ……うっ! ちょっとイク……おぉん……」
「ちょっとイってないで、そろそろ宿屋を出ましょう」
昨晩の激しいセックスでの嬌声や、さっきからの奇声は周囲には丸聞こえだろう。
そして案の定、宿屋を出る際に……宿屋の主人からこう言われた。
「お客さん、アンタにゃ負けたよ。お代はタダでいいから、また来てくれ!」
よく分からんが、宿泊代の120ゴルドが浮いたから良しとするか。
さぁ、早いとこアイと合流しよう。
『ステータスが更新されました』
<<ネトレ・チャラオ>>
【年齢】18歳
【職業】ニセ勇者
【性技レベル】C
【股間サイズ】17~22.5cm
【経験人数】2人(スライム1体含む)
【経験回数】30回
【戦闘レベル】21
【能力】寝取り(抱いた相手を自分の虜にする事が出来る)※未確定
<<アイ>>
【年齢】0歳
【職業】暗殺用スライム(ネトレのお嫁さん)
【性技レベル】B
【スリーサイズ(人間時)】B88 W57 H85
【経験人数】1人
【経験回数】20回
【戦闘レベル】65
【能力】擬態(自身の体を自由自在に変形させる)
<<ガティ・アグリッタ>>
【年齢】22歳
【職業】剣士(ネトレの伴侶)
【性技レベル】D
【スリーサイズ】B77 W60 H88
【経験人数】1人
【経験回数】10回
【戦闘レベル】62
【武器】紅蓮剣プロメテウス(自身の感情を炎へと変える)




