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この世の不条理を全て踏み潰し進んで行く姿を見てください。
この場に居るもの全員をラーニ公爵領の近くの山裾に転移させる、周りが何が起こったのか理解出来ずにさらにザワつく。
「さてあそこに見えるのはラーニ公爵領です、そして」
街の上空に巨大な岩を出す。
「あれが落ちたら街は跡形もなく消え去るでしょう、あー余波もこちらまで来るかもしれませんが魔法で防御するので大丈夫です、では落として見せましょう」
「ま、ま、待ってくれ、いや待ってください」
ラーニ公爵が焦って言ってくる。
「でも私の武力を見たいのですよね、街1つ消すことなんて簡単ですよ」
「わ、わかった、わかりました」
「何がわかったのですか、私はね駆け引きとか嫌いなんですよ、私を害するのならば誰だろうと許すつもりはない、私の武を知りたいと言ってきたのそちらでしょう」
「へ、陛下、も、申し訳ありません、陛下からも、な、何か」
「レイ殿お許しください」
陛下が土下座をしてきた。
「この者をお好きなように、しかし街に居る者は何の罪の無い民です、どうかお許しください」
「へ、陛下?」
「ラーニ公爵、貴殿は先王、私の父の弟、王弟の息子だが、今回私が何故玉座を降りてまで頭を下げたのか理解していない、私は国を救った英雄に頭を下げたのだ、それを試すような行為、何様のつもりだ」
周りの貴族もやっと理解し、自分が間違って声を上げなかった事に安堵している、貴族派の筆頭であるラーニ公爵が消えるがこれを見せられれば仕方がないと諦めている、王派閥の上位貴族はある程度聞いていたので何食わぬ顔で見入っている、下級貴族は元々発言権などないので我関せずだが、中にはどうにか取り込めないかと考えている者も居る。
俺は岩を遠くの山に打ち出す、山が消え、余波がここまで届く。
「まぁそこまでされたら許しますよ、ラーニ公爵の命も、もらっても仕方がないので、貴族の引退?であっているんですかね?それで許しますよ」
「すまない」
また王が頭を下げてきた。
そして王宮に戻る。
「そんな訳でまだ武力が見たい方はいらっしゃいますか?」
皆一様に言葉を発さないが下級貴族の1人が手を上げ発言の許可を取っている、王や宰相も下級貴族が何故?と困惑しているので声を出す。
「いいですよ、なんでしょうか?」
「貴殿が恐ろしい武力を持っているのは理解した、いや理解しました、そこで失礼は承知なのですが、剣の腕を見せて頂くことは出来ないでしょうか?私は武のみで男爵に上り詰めた、勝てないとわかっていますが、己の武がどれくらいか知りたいのです、私と剣を交えて頂く事は出来ないでしょうか?」
そこで考える、たぶん一瞬で勝負は着く、だけどこの貴族の心意気はなかなか良い、殺すのも惜しい人物だ。
「わかりました、しかし失礼な事を言いますが勝負は一瞬でつきます、貴方がSランクの武力を持っていても私は一振で切り伏せる事が出来ます、なので私はこの木刀で相手します、貴方は自らの最高の武器で挑んで構いません、これは舐めている訳ではありません、貴方の心意気を買ったんですよ、殺すは惜しいと思ったので」
なるべく日を空けずに投稿出来たら良いなと思ってます。
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