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屋敷に戻ると何かバダバタしてる様子だな。
「何かあったのか?」
「ん?ハッ!レイ様、大変です」
「何があった?」
「ハッ!元騎士がある商家の馬車に乗り隣の領都に移動してる時に襲われました、その騎士は辛くも逃げられたのですが、商家の馬車は全滅、襲った者は魔物です、ワイバーンに何故かレッドウルフやゴブリン、それも全てボブゴブリンやジェネナルゴブリン、有り得ない話ですが、何故か魔物が連携して襲って来たのです」
「魔物が連携・・・」
「ハッ!魔物は本来連携はしません、縄張り争いとかあり、なのでそこまで増えないと言うのが通説でした、連携されたら数を増やし脅威となります」
「(魔物が連携か)」
(操ってるのね、調べればすぐ分かるでしょ)
「(まぁそうなんだが、それよりも被害が出た事だ)」
(貴方が世界に気を巡らせれば分かるけど、嫌なんでしょ?身近な人間の心情とか分かるの)
「(まぁそうだな)」
(ならそこは気にしない事ね天命と思うしかないでしょ、貴方の天命よ、助けられたけどそれが嫌だったんだから、神は全ての事象を見る事が出来る、手を出すか出さないかは神によって違うけど、貴方はなるべく人間らしく生きたいと言うか分からないけど人間らしくいたいのでしょ、前にも言ったけど貴方はこれからより多くの死を見るのよ、身近な人間も貴方より後に死ぬ事は無い、姿も大人だろうが子供だろうが変われる)
「(まぁそうだなそこは考えても仕方がないのか、それよりも今の状況だ、誰の仕業だ)」
(まぁとりあえず現場を見れば分かるでしょ?)
「(そうだな)」
「俺はこれからその場所に行く」
「きけん、いえ、わかりました」
「大丈夫だどんな魔物だろうが俺には関係ないからな」
「ハッ!わかりました、セバス様には話しておきます」
「頼んだ」
すぐさま現場に飛ぶ。
「(魔物は居ないな、もう移動したか?)」
(ほら、あっちの方向に移動してるわよ)
「(うーん?俺の領都の方向ではないな?)」
(そうね、たまたま運が悪く遭遇したようね)
「(だとしてもだ、俺の街の人間に危害を加えた者を許す訳にはいかない)」
(それなら魔物の思考を読まないと、このなら街の人間の思考まで見れないでしょ、まぁ目の前まで行ってついでに倒すのもありだけど)
「(いや、操られてる魔物居るんだろ、倒しても良いが、あの数を殺すとなると生態系が変わる可能性があるから、やはり操ってる奴を見つける)」
(お好きなように、人間なら魔物の事なんて気にしないのにね、と言うか、好んで倒しに行くでしょう)
「(まぁそこは仕方がない、お前達の言うように感覚的に人間のそれとは違うのだろう)」
そして魔物に意識を向けると、操ってる者がわかった。




