『66』 緊急クエスト
「ちょっと待って。そんなの一切聞いてないんだけど?」
「そうだったけか?あれだよ、あれ。あのクソみたいに強かった斧使いの野郎が暴れていたときがあったろ?その時に手続きをしていたクエストがこれだよ。まだ残っていたけど、スマホでも出来たから受けておいた。参加人数無制限の集団クエストだから、アヤヒも入れておこうって話になって勝手に入れた」
「入れるのは構わないけど………せめて一言何か言ってよね。当日いきなりは流石にビックリするから」
うーん、なんか私も知らないところで勝手に参加させられていたみたいです。でも、本人達は私に言ったはず的なことを言っている。
私が聞いていないって言うんだから聞いていないんだよ。たまに人の話を聞かないときはあるけど、こういう命に関わるようなことは嫌でも聞いちゃうから。聞いてないってことは言ってないって事なんだよ。
まぁ~、こういうことにいちいちツッコんでも仕方ないよね。とりあえず、クエストの内容を聞こう。どんなクエストなのかが全然分かっていないから、少しでも多くの情報は知っておきたいし。
「それで、どんな感じのクエストに行くの?何かを倒すとか、そんな感じなのかな?」
「あぁ、最終的にはそうなるって事なんだけどな。今回はただ倒すって訳じゃねぇみてぇだし」
「ん?それはつまり、どういうことなんでしょうか?」
「今から行く場所に、いきなり空に浮かぶ城が現れたらしくてだな。それを皆で攻略していくって感じなんだよ。その城の名前はヴァルドヘイム・スケールからの情報だと、『終焉を告げる黄昏の城』って呼ばれているみたいだ」
「で、でうる……しー………ある、何?」
これから向かうであろう場所の名前を教えてもらったけど、何て言ったのかを聞き取れなかった。もう一度、ゆっくり言ってもらうことで、ちゃんと聞き取ることが出来た。
デウル・シゥ・アルナキア。この世界に昔から存在する言葉で表した名前で、日本語に訳すと″終わりを知らせるお城″って事になるみたい。
終わりを知らせる………あっ!!もしかして、病院のトイレの中でジェラールさんが言っていた「世界が終わる」っていうことと何か関係があるのかな。
うーん、そう考えるとそうとしか考えられないよね。モロに終わるだ何とかって言っちゃっているわけだし。
はぁ~、まさかの攻略していくっていう感じのクエストか。ゲームなら何てことない内容なんだけどね。それをリアルでやるってなると、めちゃくちゃしんどい。
ただ敵を倒すってだけじゃないから、皆で協力して進めていくっていうのも分かる。多分、そうでもしなきゃ無理なんだと思う。
名前からして、相当大きなお城みたいだし。そんな馬鹿でかいお城に数人で乗り込んで攻略、なんて無理だよね。敵だって、そこそこ強いのが出てくるかもしれない。
気を抜いていたら、あっという間に死んじゃう感じだね。いつも以上にちゃんと気を引き締めて挑まないと。
「もう、お城に向かうってことでいいのかな?」
「イクザクトリー!!今から直接城の入り口よもちょっと離れたまで飛んで行くぞ。城の入り口には、スキルを掻き消す力があるみたいだから、直接行くことが出来ないみたいだからな」
「うん、分かった。用意するものは?」
「戦う気持ちと剣だけだ!!生活するための物は、クエストが終わるまではヴァルドヘイム・スケールが全部支給してくれるから安心しとけ」
「OK。それじゃ行こう!!」
「『行くぞ!!野郎共!!』」
(この世界を………守らなきゃ!!)
そう強く心に思って、私達は目的の場所のデウル・シゥ・アルナキアの入り口から少し離れたところまで転移することになった。
協力するとはいえ、相当厳しい事になると思う。考えたくないけど………誰かが死んじゃうってことも起きる。目の前でそういうことが起きたとしても、自分をしっかりと保たないと。




