『61』 晩餐
「よぉし!!出来たぜ、コルァ!!」
「おぉ~!!待ってましたぁ!!」
「えっ……嘘っ…………この大きな皿に乗っているお肉が、もしかしてイボイボのヤツなの?」
「そうだぜ、そうだぜ!!どうだ?同じ物とは思えねぇ仕上がりだろ?」
「う、うん………信じられないくらいに………」
心の底から、そう言える物が出てきてきちゃったんだよ。真面目にビックリですよ。
あのイボイボの足の肉が………物の見事に、セレブ様が口に入れそうな高そうな料理になっちゃっている。これは感動を通り越しての何とやらだよ。つまり、言葉で表現するには無理があるってことだよ。
羨ましい………お料理スキルがこんなにもハイレベルなユーリさんが、すこぶる悔しいくらいに羨ましい。ここまで凄いと、ドヤ顔を決められても、何一つとして文句が言えないよ。
多分これがメインディッシュなんだろうね。メインディッシュのインパクトは勿論だけど、他の料理も凄いクオリティを出していた。
あの奇妙な野菜みたいな物達が、今すぐにでも口に入れて味わいたくなるようなサラダやらスープの具材に変わっている。スープの出汁は、あのイボイボの皮を使っているのことです。
作っている時に見たイボイボの皮を茹でて出汁を取っていたのは、スープに使うためだったんだね。最初、皮で出汁取ってなにに使うんだろうって思ったけど。
ヤバい………ユーリさんがどれだけアホだとしても、お店を開いたら、値段によっては絶対に通っちゃうよ。
お店開いても行かないとか言っていた過去の私は、もうサヨナラです。ここはもう、ユーリさんにはシェフになってもらうしか道は無いよ。
「ユーリさん。″くえすとばーさーかー″なんて止めて、シェフにでもなりましょうよ」
「駄目だ!!ユーリは俺達の大切なシェフだ!!そこら辺のモブにモグモグされてたまるかってんだよ!!」
(凄い………目がガチだ…………)
そんなにムキになることじゃないでしょ。それは怖いよ、ラークさん。しかも、ユーリさんに抱き着いている上に、何故か手まで繋いでいるんだから。
あの手の繋ぎ方って………″こいびとつなぎ″って言うんだっけ?普通に手を繋ぐんじゃなくて、お互いの指と指を絡ませて繋ぐという、カップルがよくやるらしい繋ぎ方。
それを男同士でやっちゃうのは、何て言うか………良くないよね?ユーリさんも全然嫌がっていないのも何かね………
まぁ、それはそれとして、早くご飯を食べようよ。せっかく美味しそうな料理がホカホカの状態で並んでいるんだから、ホカホカのうちに食べてあげないとね。冷ましちゃ勿体ないよ。
私は席について早く食べたいということをアピールしていた。でも、2人が無駄にイチャイチャしているから、私のアピールには気付いていない様子です。
本当に何してるの?別に男同士のイチャイチャは見たくないから早く食べさせてよ。
我慢が出来なくなって私は、2人に向かって「早くしてよ!!」と、強めの口調で席につくことを急がせた。すると、ようやく2人が席についてくれた。
さっきのやり取りは、一体何だったんだろ。さっきのは、本気でネタであったほしいと願っています。ネタじゃなかったら………その時は私、どうすればいいんだろうね?
「さぁ~!!食うぞ~、食うぞ~!!」
「あっ、やっぱアヤヒの隣に座ろ。男が隣よりも女の子が隣の方が食が進むってもんだよな。ゲヘヘヘヘ」
(さっきまでユーリさんと手を繋いでいたじゃん!!ラークさんって、ソッチの意味でも二刀流なの!?)
「まずは………このザ・ミートから頂きましょうか!!」
「もう少し、声のボリュームを下げて話してよ」
「んっまい!!うっほい!!流石はユーリ!!こんな絶品料理を作るなんて、こんな俺達に出来ないことを平然とやってのける!!」
(こ、この前振りは………!!間違いなく、あの台詞だ………!!)
「そこに痺れるぅ憧れるぅ!!」
「高評価、ありがとうございます」
もう、使わない方が良いって。ネタが無くなってきていると思われちゃうから。てか、気に入りすぎでしょ。今まで何回痺れて憧れているのかな。
パロディとか、そういうのを超えているんだよ。パロディですって言っても通じないところまで来ちゃっているんだよ。モロにパクり過ぎているから、ガッツリアウトだよね。
はぁ………2人とも、発言を控えめにするって事をお願いしたい。本当に消されちゃうから。
私達の存在が、やらかした人の携帯ゲームのアカウントのようにBANされちゃいますから。それだけは回避してください。心の底からお願いしますよ。




