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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
†フェアリー・ディファレント†

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『56』 夕飯の買い出し【Ⅱ】

 今、夕飯のメインとなる予定である肉類を選んでいます。うーん、とりあえず私はこの世界の食材に関しては何も知らないから、2人の勧める店で選んでいる訳なんですけど………


 物の見事に、見た目がグロい物ばかりだった。


 この中から選べって、なかなか厳しいものがあるんですけど。えぇ………で、あ、で……うぅん………どうしましょうかね?嫌、選べないって、本当に。

 だって、目の前には恐ろしく大きくなった何かの虫の足みたいのが何個も並んでいるだもん。他には、私の体より少し小さめくらいの大きさの蛙の足みたいのもある。

 

 多分これって、いつだかユーリさんが作ってくれた夕飯のお肉だよね?名前は覚えていないけど………こんなにビッグサイズなんですね。

 


「うーん、ここって足の肉しか売ってないの?」


「そういうわけじゃねぇけど、足の肉が多く置いてある店だな?んで、俺がお勧めなのは………パンパカパーン!!これだ!!」


「ひゃい!?何これ!?何の足!?イボイボがイボイボでイボイボなんですけどぉぉぉぉ!?」


「お、落ち着けって………これ美味いから、マジで」


「そうだぞ。餅つけ餅つけ」


「ユーリさん。それ、クソつまらないですから」



 このタイミングで、『落ち着け』と『餅つけ』を掛けた、どうしようもないレベルでつまらないネタを放り込んでくるなんて…………本当にどうしようもない。

 つまらなすぎて、思わず殴り飛ばしそうになったよ。ネタを放り込むなら、もう少しクスッとでも笑いが出そうなものを頼むよ。流石に愛想笑いすらも出来ませんでしたよ?


 私にクソつまらないって言われたユーリさんは、本気でヘコんでいる。そ、そこまでヘコむか?嫌、いくら何でもヘコみすぎじゃございませんかね?


 ここまでヘコまれると、私が悪いことしちゃったみたいになっちゃってるじゃん。私は正直な気持ちを言っただけのに。

 というか、誰もが聞いても「つまらない」って言うでしょ。ラークさんなんて、つまらなすぎて顔がポカーンとしている。言葉にすることすら出来ないほど、すこぶるつまらなかったようで。


 しかも、こんなアホみたいなことを店の真ん前でやっているんだからね。いくら何でもアホすぎるって!!他の人までが恥ずかしくなるレベルでアホすぎる。



「アヤテトにガチの文句を言われた………もう死にたくなってきた………」


「手伝ってあげましょうか?いくらでも手を貸しますけど?」


「じょ、冗談も分からんのか!?お前は馬鹿か?」


「嫌、今ので本気で殺したくなった」


「アヤヒ!!落ち着けって!!せめて殴るだけにしろ!!」


「殴られるだけでも死ぬ気がするんですけどね!?」



 店の前で私達がギャーギャー騒いでいると、この足の肉をお取り扱いしている店の主が、店の奥からヒョッコリと出てきた。

 ヒョッコリという可愛い表現をしてみたけど、実際出てきた人は、かなり体がゴツめのおじさんだった。顔が怖くはないんだけど、体がゴッツゴツ。胸の筋肉カチンコチンだ。


 全身、岩でできているんじゃないの?この人。



「いかがされましたか、お客様?」


(見た目に似合わず爽やかボイスに凄い優しい対応!?)


「いえ、何でもないです。あっ、これとこれとこれをください」


「はい、かしこまりました。代金は5070ヘスルになります」


(って、普通に何事も無かったかのように買い物してますけど!?)



 あっ、言い忘れていたけど、″ヘスル″っていうのは、この世界のお金の単位だよ。


 ラークさんに教わった通りであれば、1へスルは大体3円くらいになるらしい。まぁ、簡単に計算すると………さっきラークさんが買ったお肉の全部の値段は、円にすれば15000円程度になるって感じかな?


 お肉だけで15000円を超えた。宣言通り、結構良い物を買ったみたいですよ。一人暮らしをしていた身としては、お肉だけに15000円もかけるなんて出来るわけがないよ。


 こんな贅沢、初めてかもしれないね。嫌、初めてだよ。見た目グロいけど、美味しい物を食べられると期待しておこう。

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