『54』 退院
「退院おめでとうございます!!」
「もしかしたら………またお世話になるかもしれないですね………アハハハハ………」
「安心して。アヤヒちゃん達がいつ病院送りになるような怪我を負ってもいいように、病室はちゃんと空けておいてあげるから。まっ、埋まることは無いから、空けておく必要はないと思うけど」
お昼をだいぶ過ぎて、ようやく、病院から出られることになった。お昼は、サージェスさんの気遣いで、病院のご飯を食べさせて貰えた。
サージェスさんを含め、大勢の病院の人が私のことを見送ってくれた。わざわざ私なんかのために、こんなにも見送ってくれる人が居るなんて………感動するね。
そんなサージェスさんは、いつでも怪我して来ても良いよって笑いながら言っていたけど、病院なんて頻繁に行くような場所じゃないよ。
はぁ~、病院にはなるべくお世話にならないように気を付けないとね………当たり前なんだけどさ。戦うたびにボロボロに怪我して入院とか良くないから。
見送られながら、病院の人達に頭を下げて、ある程度病院から離れたところで、家まで転移することになった。
* * * * *
「ふへぇ~、ようやく帰ってきましたよ~」
「お帰りなさいませ、ご主人様♪」
「て、テンション高いね………」
「そりゃも~、ねぇ~?アヤヒがこうして元気で居る姿を見たら、テンション上がらないわけがねぇだろ。そうだろ?相棒」
「んだんだ。今日はアヤテトの退院祝いだ。夕飯は、この俺が絶品のご馳走を吐くほど食わせてやるから覚悟しな!!」
(うん、いつも通り…………なんだよね?)
家に着くと、2人のテンションがおかしいくらいに上がっている。私が退院して、こうして元気に居る姿を見て、嬉しくて嬉しくて仕方が無いみたいです。
ふぅ~、まっ、喜んでくれているんだから悪い気は全くしないよね。ここまで私のことを想ってくれているってことの証みたいなものだし。
ユーリさんは、冷蔵庫みたいな物を扉を開けて何やらゴソゴソと漁っていた。多分、今日作る料理の材料を探しているか何かだろうね。
漁っている音的に、そこまで沢山あるって訳でも無さそうだね。何となく、中身がスッカスカのような音が聞こえてくる。これは、材料を買い足さないといけない感じかもしれないね。
ユーリさん、[あれ?あれ?少ないぞ?]とか言ってるから…………間違いなく買い物に行く気がする。それで、私も一緒に行くっていう流れになると思う。
そして、ラークさんも一緒に行きたいって言うだろうから、3人で買い物をするって事になる。この予想は外れる気がしない。絶対に当たるっていう確信しかない。
「どうっすかな………材料が全然無いんですよね。これがアヤテトに美味しいご馳走を吐くほど食わせてやることが出来ねぇな」
「足りない、だと?おい、ユーリ君。それなら………これからやることが決まったな?」
「…………あぁ、そうだな。それしかないな!!おい、アヤテト!!」
(はい、この流れは間違いないですね)
「えっと、何でしょうか?」
「買い物行くぞ!!今日は沢山買うからな。荷物持ちが必要だ。」
「3人で楽しくショッピングタイムだい!!」
「そぉうだ!!イッツ!!ショッッッピング………タァァァイム!!!!」
(このテンションをキープしていて疲れたりしないのかな?)
さっきからハイテンション過ぎる2人に、私が全然ついていけていない。だって、ドン引きするレベルで高いんだもん。時間が経っても、疲れて元気じゃなくなっていくどころか、どんどんテンションが上がっていくんですもの。
私の目の前で奇妙な踊りを披露している2人。それを無言で見つめる私。何とも言えない不思議な状況になっている。これから買い物行くだけっていうテンションじゃないよ。




