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白銀少女戦記 〜醜悪と華麗の境界に、唱う偶像達〜  作者: 結城斎太郎
†フェアリー・ディファレント†

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『53』 ジェラールさん、再び

 私は今、病院のエントランスで簡単な退院の手続きを終えて病院から出で行こうとしているところだよ。

 本当に簡単な手続きで、自分の名前をカタカナで書いて終わりだった。ちゃんと退院したってことが決まって、これからはまた、3人で普通……かもしれない生活を送ることができる。嫌、お世辞にも普通とは言えそうにもない生活だよね。


 まっ、ラークさんとユーリさんと楽しい生活を送れるんだからいいか。いつも何されるか分からないし、勝手に2人でとんでもないことを始めたりするけど、それが楽しいんだから。私の記憶に無い、何も残すことの出来なかった眠っていた間を、何とかして埋めておかないと…………


 名前を書いて、椅子に座って待っている2人のところに戻ろうとした。けど、いきなり頭の中に直接話し掛けられるような、何とも言えない不思議なことが私の体に起き始めた。どこから聞こえてくるか分からない声が聞こえてくるってことは何回かあったけど、こんな感じになるのは初めてのことだった。


 思わず、足を止める。その声尾を聞き取るために意識を集中させると、その声はだんだんとハッキリと聞こえてくるようになった。

 この声は………うん、間違いない。ジェラールさんの声だ。私はラークさんとユーリさんの様子は見てみる。

 2人して、スマホのゲームに集中しているみたいだから、この隙にトイレに行って個室に入ってジェラールさんと話をしようかと思った。

 


(でも、トイレでも一人でブツブツ話しているのはヤバいよね…………ヘタしたら、もう一回入院させられるかもしれないしね)


《そこら辺は心配しなくていいぞ。口には出さなくても、さっきみたいに頭の中で思うだけで会話は出来るからな》


(あっ、お気遣いありがとうございます。それで………私に何の用でしょうか?)


《シルエルに、フルボッコにされたみたいだな。嫌、フルボッコどころの話じゃないか》


(はい、普通に死にかけましたからね。というか、あんな攻撃を受けたっていうのに、こうしてぴんぴんしていることの方が不思議なくらいですよ)


《後、アヤヒ。敬語で話すのか、タメ口で話すのか、どちらかに統一してほしいのだが………何となく話しづらいというか何というか…………》


(それなら、タメ口の方向でよろしくね)


《切り替えが早いな。まぁいい、俺がこうしてお前に話しかけている目的なんだが…………》


(えっ………何か、言い方的にあまり良くないようなことを聞かされる気がするんですけど………?)


『あぁ、その通りだ。今………ヴァルドヘイムでは、俺でも予想できないヤバい事態が起こっている。嫌、起きようとしているって言った方が良いのかもしれないな』



 げっ………本当に嫌な話だったんですけど。ヤバい事態って何?

 私の感覚からして、喋る竜と戦ったり、いきなり知らない人に挑まれて死にかけたりすること以上に、ヤバいことなんて想像できないんですけど!!

 

 私はジェラールさんに何が起きようとしているのかを詳しく聞き出そうとした。思わず声に出して話してしまいそうになるほど、相当焦っている。

 ジェラールさんは起きようとしているヤバいことについて、落ち着いて、焦る様子も無く話し始めた。


 最初に言ってきたのは、この世界は………″終わり″に向かっている、というのだ。終わりというのがどういうことなのかを聞き返したら、そのままと言われた。

 世界が終わるって………私の頭じゃ全然ピンと来ない事だった。何がどういう風になって、どんな感じでヤバいことが起こっていくのか、全くもって分かりません。



(あの…………もしかして、今までに無かった大災害が起こるとか、そんな感じですか?)


《嫌、全然違うな。世界の終末………世界を滅ぼす何かの勢力が、この世界に降り立つことになり、誰にも抗えないほどの力を振るって滅ぼすことだ》


(も、もう少し簡単に言いますと………?)


《この世界を終わらせるための力を持った奴等………人のようであり人じゃない奴等が来るって事だ》


(えっと………そのヘンテコな人達を倒せば良いって事なの?)


《あぁ、目的は単純なのだが…………それを食い止める力が無いから不可能だ。あくまで、それを伝えに来た。だから………お前は、それまでに日本に帰ることだけを考えろ。2人と一緒に逃げる______》



 私は頭を軽く叩いて、ジェラールさんとの会話を無理矢理途中で終わらせた。たまたま、頭を叩いてみたら途切れたってだけだよ。本当に話が終わっちゃったから、ちょっと自分でもビックリしている。

 何か、この世界………ヴァルドヘイムに何かが来るそうですよ?勝てないから諦めてラークさんとユーリさんを連れて日本に帰れ、だって。

 

 そんなこと………出来るわけないでしょぉぉ!!!!


 ラークさんとユーリさんだけ助けても意味なんて無い!!他にも大勢の人が居るんだ。その人達の住む世界も助けてあげないと………気が済まない!!



「うっし、やますかっと!!」

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