『103』 渓流みたいな場所
「あはーーー!!!!凄ぇ水が綺麗だぞ!!飲めるかな!?」
「ラーク君、いくら綺麗でも川の水をいきなり飲むのはマズいよ。ちゃんと検査してからじゃないと」
「ぶーー、ちょっと冷たいんじゃないかい?」
「君のお腹のことを心配して言ってあげたんだよ。本当に気を付けてよね」
次の階層に潜っている私達。今度は、水が至るところから溢れ出ていて、綺麗な雰囲気が漂う場所………日本の山奥の川みたいな感じだね。結構こういう景色は好きなんだよ。
ラークさんが川の水を飲もうとしてベテランさんにすぐに止められた。
水が試し飲み出来なくて不機嫌そうに顔を膨らませるラークさんだけど、ベテランさんの言うことが正しいから、ラークさんに味方する必要は無かった。
というか、本当にラークさんの味方をするんだったら、ここはベテランさんの言うことを従うようにするのが一番だよ。変にお腹を壊されても皆が困るわけだし、後々そういう余計な報告を私にしてくると思うから。
誰も得しないから。なので、ラークさんには川の水を飲むことには我慢してもらわなくちゃならない。そもそも、何でそんなにも川の水を飲みたがるのかが分からないんだけど。
水が飲みたいんなら、普通の水道水でも何でも良いじゃん。今は飲めないかもしれないけど。帰ったら水なんていくらでも飲めるじゃん。そんなに不機嫌にならなくてもいいと思う。
それで、もう一つ言いたいことがあるんだけど。その不機嫌なトキに頬を膨らませるのって止めてよ。男がそれやっても気持ち悪いだけだから。誰も求めている人なんていないから。
「うーん、うん。渓流って感じだね。でも、結構広々としている空間ではあるね。おっと、靴の防水をしなきゃね。戦っている間とか絶対に水浸しになると思うから………シエル、皆の靴を防水にしてほしいんだけど、大丈夫かな?」
「はぁ~い、任せてよ。じゃあ、皆~!!1カ所に集まってくださぁ~い!!」
「おっ?あのシエルって女の子、可愛いな。彼氏居んのかな?」
「いやぁ~、ああいう感じの子に限って意外と居なかったりするんだよ~?お分かりかな、ラーク君」
「ご教示ありがとうございます!!」
(シエルさんのこと、狙っているのかな?なら止めておいた方が良いかもしれないよ?シエルさんは女の子の方が好きなのかもしれないんだから。というか、そもそもこんな時に女の子を狙っちゃだめだよ!!)
シエルさんがベテランさんに呼ばれて皆を1カ所に集めさせると、手に光っている水のスキルを纏って地面に優しく触れた。
すると、私達の足元に流れるように光る水が靴に纏われていって、それが靴全体に纏われると、その光の水はゆっくりと消えてなくなった。
これで水が靴の中に入ったりしなくなるっていうことか。なかなか良い使い方だね。スキルって戦闘ばっかりじゃなくて、使いようによっては普通に日常生活でも使えそう。
私も火のスキルに関しては、使える場面は有りそうだよ。火って何処でも使えるからね。寒いときとか暖房になるし、エアコン代が節約できる!!光熱費の”熱”の部分が大幅カットだよ。
一人暮らしには有り難いスキルだね。
まぁ、灰色の方のスキルは戦闘以外に使えそうなイメージが湧かないんだけどね。あれって壊してばっかりじゃん。そこら辺で使ったら色々と問題しか起きないよ。
日常生活でも使えるとしたら、水と火だったら本当にパーフェクトだよ。水道代も浮くって考えたら、半端ない!!やっぱり節約大事だよね。
「準備も出来た。では、この階層の攻略を進めるぞ!!」
「あっ、やっべ。ゲームログインすんの忘れてた………って、ここ圏外だったわ」
「クソッ…………Wi-Fiくらい飛ばしておけよ。ったく、気が利かねぇな………!!」
「ラークさん、ユーリさん…………貴方達は、このお城に一体何を求めているのでしょうか?」
緊張感、無さ過ぎるよ!!何でゲームのログインの話をここでしているのかな?攻略よりもゲームの方が大切なんですか?連続ログインを切っちゃう方が嫌なんですか?




