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82:震える手で料理した

 海に面するように存在する白亜のアスタルニア王宮、その敷地は広大だ。

 国の何処からでも目に入る白亜はアスタルニアの太陽に陰る事無く輝き、海の上へと広く伸びた石造りの立派な港は巨大な帆船が行き来する貿易港でもある。その中心たる王宮は誰もが気軽に足を踏み入れられるものではなく、そしてその王宮の中でも更に深部である場所にその部屋はあった。

 窓一つ無い部屋は魔力のランプにより辛うじて照らされているが薄暗く、本来整然と並べられていただろう本棚の隙間を埋めるように無造作に追加された大きさも形も違う本棚がその部屋のほとんどの床を埋める。その数に負けぬ膨大な量の本が棚に並べられるだけではなく、床に積まれ上に乗せられとにかく溢れかえっていた。

 そのほぼ中央で、ごそりと動く布の塊がひとつ。


「…………うふ、ふ」


 アスタルニア特有の華やかな刺繍が施された布から、籠った笑い声が静かな部屋にポツリと落ちた。そう、前後左右どちらを向いているかも何処を見ているかも何をしているかも分からないが布の塊の中には人が一人入っている。

 今はどうやら床にしゃがみ込んでいるのか、布を掻き分けるように現れた腕がつまむように一冊の本を持ち上げ再び布の中に消えた。覗いたのは褐色の肌に金の装飾、この国の人間である事は間違いが無い。

 この国の人間で無い訳が無い。この部屋は王宮の中でもより容易に立ち入られる場所に無い。

 こんな場所に我が物顔で居られるのは、王宮に住むアスタルニアの王族のみ。


「鎧王、鮫。持ち込まれたなら、ね」


 ぽつり、ぽつりと零される声。高いとも低いとも言えない不思議な声。

 布の塊がもぞりと動く。


「トビラ、開いたなら」


 は布の中で本を見下ろしながらぼんやりと思案していた。賑やかで煩い弟が、鎧鮫が港に持ち込まれたと教えに来たのはつい先ほど。

 鎧鮫を討伐出来る程の力量を持つ事が、イコール最深層の扉を開けられる訳ではない。

 しかし、気になる。何故ならイコール最深層の扉が開かない訳でもないのだから。

 二度は訪れないと言われてきた討伐を成し得た冒険者が、不可能だと言われてきた扉を開ける確率はどれくらいだろうか。不可能を可能にする冒険者が、普通ならば直ぐに知れ渡る踏破を誰に知らせる事も無い確率はどれくらいだろうか。

 過去鎧王鮫を倒した冒険者には無理だったようだがそれは決してゼロでは無いのだろうと、まるで根拠の無い考えに至ってしまう彼が国一番の学者・・だと誰が信じられるだろう。


「話してみたい、な」


 声に出すとともに、ぼんやりとしていた筈の思考が急激な回転を始める。

 仮に本当に踏破していたとして、その冒険者達がいまだ踏破を告げない理由は何か。顕示欲が無いにせよギルドによりいずれは判明するのだから、迷宮から帰ってきて鎧王鮫を狩ったと同じように踏破を告げるのが自然なタイミングだろう。

 隠したいというのではない。ギルドカードは自らの意思で隠せるものではない。

 ただ何となく? 古代言語に通じる人間がそんな事を考えるだろうか。古代言語といえば己があの扉に刻まれた紋様を古代言語だと示した事も知っているだろう、ならば当然王族の耳に入る鎧王鮫の存在から踏破へと繋げるかどうか自分の出方を窺っている可能性もある。

 踏破に気付けないのなら、それは冒険者如きに己の知識が劣る筈が無いと固まった思考を持つ者、可能性を考慮しない視野の狭い者。

 気付けたのならばその逆。望まれているのはどちらだろうか。


「でも、思った通りには、動いてあげない、よ」


 確実に接触するのなら鎧王鮫の加工が済んだ時、港に彼の冒険者達が現れる時だ。

 あの鎧王鮫を倒す冒険者を好奇心のままに王宮に迎え入れようと兵を動かすのは何ら不自然ではない。他の国では痛くも無い腹を探られるだろうが、このアスタルニアでは打算も何もない自然な接触に過ぎない。

 恐らく王族がひょこっと顔を出しても“鎧鮫に興味あるんだな”で済まされる。

 しかし此方が相手の予定を窺って迎えを出して招き、更には自ら出向くなど相手が優位だと認めるようなものではないのか。確実な手段を選ぶと彼の冒険者にとって絶対的優位な状況となる、狙って作りあげるのならば何と人を動かし慣れている人間だろう。


「うふ、ふ」


 考え過ぎだと思いながらも考えてしまうのは、それを望んでいるからだ。

 どちらが優位だとか拘るつもりは無いが、張り合いがあるのは大歓迎。書庫に引きこもってはいるが彼も奔放なアスタルニア王族の血をしっかりと引いている。

 満足げに笑い声を零した布の塊はもぞりと一度大きく動き、以降部屋には紙が擦れる音しかしなかった。






 リゼルは一人、ギルドの椅子に座って魔物図鑑を読んでいた。

 王都パルテダギルドと同じように広いギルドの中には冒険者の話し合い用に幾つか丸机が並んでおり、昼過ぎの空いている時間を見計らって机を一つ占領して図鑑へと目を通している。相変わらずギルド所有の魔物図鑑は持ち出しが不可なので宿で落ち着いて読む事が出来ない。

 とはいえゆっくり読めないかと言われればリゼルにとっては全くそんな事は無く、ギルドの片隅に穏やかな喫茶店の午後を彷彿とさせる空間を作り出してゆったりと読書に励んでいた。

 周囲は鎧王鮫を討伐したパーティのリーダーが居ることにざわめきつつも全力で困惑している。まさかそうとは思えない、魔法使いだからだと自らを必死に納得させている。


「この迷宮は道が狭ぇ。隊列を――――――」


 本には無い“人魚姫の洞”のボスの情報を提供したら幾らになるのだろうと、のんびり考えていたリゼルが隣の机から聞こえてきた声にふいに耳を澄ます。

 狭い通路や広がった空間、はたまた魔物が襲いかかって来た状況により隊列の組み方や戦略を確認しているのは以前団長に喧嘩を売り魔王に恋焦がれる男だった。ちらりと見てリゼルは何かを考えるように髪を耳にかけながら微かに首を傾げる。

 改めて思い出してみると果たして自分達はこういった事を話し合った事があっただろうか。結構重要な事のような気がする、と思いながら思考と同時進行で読み込んでいる図鑑を捲る。


「(隊列……時々ジルが言う『いいから進め』とかは隊列指示に入ったりしないかな)」


 しないか。リゼルは一人で頷いた。

 リゼルも戦争時の陣形指示は出した事があるものの、冒険者としてパーティメンバーに指示を出すことは滅多にない。ジル達の方がリゼルよりも冒険者歴がずっと長いという事もあり、必要な場面以外はどちらかと云えばリゼルの方が従っている。


「(やってみたい気もするけど)」


 リゼルは無意識に本の角をいじりながら、うーんと声に出さず考える。

 そもそも隊列指示が必要になる場面など滅多に無い。魔物が現れれば各々武器を構えて近くにいる魔物から倒していくのみだ。

 それでどうにかなるから今まで考えた事も無かった。問題無いなら良いような気がするが、リゼルは今かなり隊列とかの話し合いをしてみたかった。

 鎧鮫の時は提案通り連携が取れたのだから出来なくは無いのだろう。しかしジルもイレヴンも最初からずっとソロで活動してきた事もあり、隊列などを意識した事など無さそうだ。

 冒険者としての隊列、戦闘パターン、先人に教えを請うのが一番理解が早そうだと、リゼルはそう結論付けて席を立ち上がる。


「話し中すみません、ご一緒しても?」

「は?」


 カタカタと椅子を引き摺って隣のテーブルで話し合う冒険者達へと微笑んだ。

 話を聞いている限り依頼は今日受けたものの実際迷宮へと潜るのは明日のようだし、話し合いも特に深刻そうな様子は無い。ギルドで暇を潰しがてら話し合い、という所だろう。

 ならば遠慮なく話に横入りしようというリゼルに躊躇は一欠片も無い。


「ちょ、待てお前、何が」

「冒険者としてパーティの隊列とか戦略とかに興味があって。俺はまだ冒険者になって日が浅いし、参考にさせて頂きたいんですが」

「はぁ!?」


 五人組のパーティなのだろう、丸い机を囲むように座る男達の隙間へとリゼルは椅子を置いた。そのままストンと腰かけて聞く体勢に入ってしまったリゼルを机につく男たちは勿論、周囲の冒険者も固まったように見ている。


「参考って、お前、一刀いんだろうがよ!」

「ジルってそういうの詳しく無さそうですし」

「もう一人の獣人は!」

「イレヴンは協調性から一番遠い所にいる子なので」


 まさか今話題のパーティのリーダーが自分達を参考にしようと思っているとは。

 恋焦がれる冒険者は意味を為さない言葉を怒鳴る様に繰り返しながら、助けを求めるように周りを見回した。一瞬にして全力で顔を逸らされる。人徳か。


「おま、あ、そうだ。タダ聞きしようなんざ厚かましい野郎だなァおい!」

「魔王役の子、意外ときつい炭酸飲料が好きみたいです」


 勝負は決まった。







 有意義な時間だったとリゼルは微笑みながらギルドを出た。

 周囲の反応から何か違うんだろうなと思っていた冒険者活動だが、どうやら大分違っていたようだ。本から得られる知識ならば良いが、本にも書かれないような当然の部分の違いはリゼルには分からない。

 例えば迷宮内では基本的に食事をしないなど知らなかった。当たり前のように食べてた。

 ここら辺はジルやイレヴンが知っていて黙っていた部分でもあるのだろう。聞かれたら答えただろうが普通にサンドイッチやら何やら取り出してほのほの食べていたリゼルを見て、ジル達はまぁ問題無いし確かに腹は減るし良いかと流していた。


「(あと結構パーティリーダーって忙しいらしいし)」


 魔物が出る場所を歩いている時の注意喚起や戦闘中の指示、迷宮ではマッピングや休憩場所の捜索や罠への警戒なども必要だし常にパーティの動向に目を配っていたりもする。

 考えてみれば自分がリーダーっぽく無いのは指示が足りないからかもしれない。しかし戦闘中に指示を出そうにもジルもイレヴンもリゼルの目で追えない速さで動く事が度々あるので指示が追いつく気がしない。

 リーダーらしさは遠い、と冒険者の奥の深さを感じながらリゼルは目が合った花弁の砂糖漬けを売る屋台の店主に微笑んだ。


「おい」

「あ、ジル」


 ふいに後ろから声をかけられ振り返る。一瞬歩みを止めた足はすぐにジルが隣に並ぶと共に再開した。

 そして共に歩き出す。目的地が同じなのだからわざわざ別に行く必要は無い、元々向かっている先の港で待ち合わせていた。


「何で装備着てんだよ、外出てねぇだろ」

「ギルドに行ってたんです。流石に普段着で行くと浮いちゃうかと思って」


 着ていても浮いていると言った方が良いのだろうか。

 ジルはそう思いながら口には出さなかった。確かに元々浮いている以上に普段着では浮いてしまうだろうし、間違っている訳ではない。


「ジルもですね。迷宮にでも?」

「いや、森ん中ぶらついてた」

「あぁ、スポットの近くなら手強い魔物もいますしね。そろそろ来そうですか?」

「一週間ぐらいじゃねぇの」


 ギルドの警告ボードでもスポットは変わらず徐々に国へと近付いている。

 国を覆えば天災となるだろうがジャングル内をうろつくだけなのでアスタルニア国民に危機感は無く、魔力が多い者はその量に応じた魔力中毒に悩まされるだろうがアスタルニアは国柄か魔力を豊富に持つ者は多くない。そのお陰で大した問題にはなっていないのだろう。

 とはいえ外から来た冒険者、その中の魔法使いは中々に辛いようだが。先程ギルドでの話し合いの最中、恋する冒険者のパーティメンバーが一人スポットが近付くと頭が痛くなるから嫌だとブツブツ言っていたのを思い出す。


「そういえば、ギルドで冒険者が迷宮に潜る時の隊列の話を聞いたんです」

「誰に」

「ほら、団長さんに突っかかった人がいたでしょう? その人のパーティが隣に座ってたので、乱入してみました」


 あの魔王だんちょう相手に恋をするという修羅の道を選んだ男か。

 まだ正体を知らされていないのかと心底どうでも良い事を思いながら、何故そうほいほいと他のパーティに乱入しようとするのだとジルは呆れたようにリゼルを見下ろす。面倒を避ける男だ、問題無いと判断したから乱入したのだろうが何事も無かったようで何よりだろう。

 その粗暴さから反発しあう事も多いが、冒険者は基本的に情報交換や合同依頼に備えて他のパーティとそこそこ上手くやっている者がほとんどだ。それはパーティとして信頼に値するという程ではないが、リゼルとヒスイのように冒険者同士が個人的に友好を持つ事も決して珍しくはない。

 それに冒険者同士のやり取りは損得勘定がいつだって存在する。親しくも無いリゼルがただ“入れて”と言うだけで受け入れられるとは思えず、賄賂か何か渡したのではと疑ってしまう。あながち間違ってもいない。


「(それで反感を持たせねぇあたり上手くやってる)」


 元より境界線を見極めるのが異常に上手いリゼルだ。滅多な事で相手に反感を抱かせる事も無ければ、わざとでも無ければ不快感を与える事も無い。

 何より清廉な空気と穏やかな微笑みは、冒険者からしてみれば慣れなさ過ぎて咄嗟だとどう反応して良いか分からなくなる。無意識にせよ何にせよ相手が戸惑えばリゼルの独壇場で、自分の意見を通すのは慣れたものだろう。


「で、隊列がどうした」

「そういうの、話し合った事無いなと思って」

「必要無ぇだろ」


 そう言われてしまえばそうなのだが。話し合いたくなってしまったのだから仕方ない。

 露骨に拗ねたような視線を寄越され、ジルは視線を逸らしながら溜息をついた。


「……何が話してぇんだよ」


 どうやら乗ってくれるようだ。リゼルは嬉しそうに目を細めて微笑み、どうしようかと考える。

 隊列を話し合う上で何が重要か。それは役割分担だろう。

 今は魔物が出たら全員武器を構えて各々好きなように倒しているが、先の冒険者たちはそれはもう守備がどうとか先制や陽動がどうとか己の役割を把握してしっかりと確認していた。思わず感心すると同時にちょっと居づらくなった。


「俺の魔銃ライフルってポジション的には何処になるんでしょう」

「あ?」

「魔法使い、よりは弓使いに近いのかな。属性的には魔法使いなんでしょうけど、戦闘形式を考えると弓使いがしっくり来る気がします」


 何せ他に銃など利用している者がいないのだから参考にするものが何も無い。

 ジルはどうして規則に従う人間に見える癖に型に嵌ってくれないのかと呆れながら、戦っている時のリゼルを思い出す。


「魔力封じられりゃ攻撃手段ねぇんだから魔法使いなんじゃねぇの」

「封じられ方にも依りますけど……でも隊列として考えると扱いが変わりそうです」

「あぁ、守られんのが当たり前ってやつ」


 魔法使いは魔力構築中はほぼ身動きがとれないというのが一般的だ。もちろん集中力を乱さなければ出来るのだろうが難易度は高く、また威力の高い魔法ほど緻密な魔力構築が必要な為に魔物を一撃で倒せる程の魔法ともなると他に気を向ける余裕などない。


「確かに主力になる程の魔法が使える人がパーティに居たら、どれだけ魔法に集中させられるかが戦略の基本ですよね」

「発動すりゃまず勝てるからな」


 リゼルは高い思考力と集中力を用いた魔力行使の荒技でその欠点を補うが、此方の世界では余り一般的では無いようだ。元の世界の魔術が戦闘に特化していたというのも理由だろうが、ジル曰くSランクの魔法使いがやっているのを見た事があるらしいので使っていても問題は無いだろう。

 そもそも冒険者における魔法使いの絶対数が少ない。リゼルも純粋に魔法だけで勝負する冒険者に出会ったのは、先程スポットが近付くと頭痛がすると言っていた男を含めて二人のみだ。


「話を聞いてると相当しっかり守られるみたいです」

「守られてぇの」

「必要な時は」


 当然のように答えるリゼルに、こういう所が冒険者らしく無いのだとジルは喉で笑う。

 守られる事に戸惑わず、守らせる事を躊躇わない。勿論その言葉が貴族の傲慢から来るものではなく冒険者の視点から出た冗談染みた言葉だと分かっているが、それが似合うと思ってしまう程度には彼は貴族然としていた。


「でもあれだけしっかり守られると、俺の銃には合いませんね」

「だろうな」


 パーティとして互いに助け合うのは当然の事で勿論可能ならばリゼルが守る事もあるだろう、それだけの事。何十年も貴族をやっていて良く思考を冒険者などに切り替えられるものだとジルは常々感心している。


「そもそも君達の戦い方って隊列を組んで力を発揮するどころかマイナスになりそうです」

「だから必要無ぇっつったじゃねぇか」

「でも話し合いたいって言ったじゃないですか」


 必要な時に連携は取れるんだから、とリゼルは割と真剣に考え始めている。

 そもそも何故普段から各々やりたいように戦っているのか。数人がかりで連携をとってかからないと倒せない魔物がいないからだ。早速隊列の必要性が消え始めた。

 大体言われずとも自然と最善の位置取りが出来るジル達なので、予め隊列を決めておくより状況によって臨機応変に動いた方が良いに決まっている。今隊列の必要性が完全に消えた。

 前からやってくる荷車をリゼルは考え続けながらも一歩横にずれて避けた。足りないとばかりにもう一歩分ジルに腕を引かれる。


「何でそんなに隊列組みてぇんだよ」

「冒険者っぽくて良いっていうのもあるんですけど」


 すぐ横を通り抜けていく荷車に揺れた髪が口に入ったのだろう。

 リゼルは一度口を閉じ、頬にかかる髪を耳にかけながらジルを見た。


「“隊列を乱すな!”とか言ってみたくて」

「諦めろ」


 リーダーらしいじゃないかと不満そうなリゼルの額を軽く叩いて、ジルはさっさと港に向かってしまおうと足を速めた。







「リーダー、こっち」

「先に着いてたんですね」


 港に着くと待ち合わせていたイレヴンが巨大錨の柵に腰かけていた。

 簡単に服を叩いて汚れを払い、軽い足取りで近付いてくる。その片手には近くで買ったのだろう、フィッシュ&チップスの容器が握られていた。

 結構な量が入っているだろうにヒョイヒョイと軽く消化していくイレヴンが、ふいに最後の一つを爪楊枝に刺してリゼルへと差し出した。


「食べる?」

「じゃあ一つだけ」

「二人共ちゃっかり装備じゃん。どっか潜ってたんスか」

「こいつはギルド行ってただけだよ」


 爪楊枝を受け取ろうとした手を避けられ、そのまま唇へと押しつけられてリゼルは苦笑しながら口を開いた。まだ表面が温かいそれは、多少冷めたとはいえ当然のように中は熱い。

 港ならではの新鮮な魚を使用している為に美味しいは美味しいけど、と思いながらリゼルはそれを飲み込んだ。そしてジャングルの様子はどうだっただの手強い魔物は特にいなかっただの話す二人を見て、ふいにイレヴンが先程まで座っていた柵の辺りへと視線を向ける。

 柵に凭れ、あるいは地面にうつ伏せに倒れている男達が数人。ピクリともせずに捨て置かれていた。


「彼らは?」

「あー、何か絡まれたんスよ」


 力尽きている男達のド真ん中でイレヴンは悠々と腰かけリゼル達を待っていたのだ。

 最初から視界に入っていただろうに余りにも自然に待ち合わせの光景が展開されて戸惑っていた周囲は、あぁ気付いていたのかとホッとしている。果たしてそのリアクションは正しいのか。


「鎧鮫倒したの嘘だろとか寄越せとか訳分かんねぇコト言われて凄ぇうざかったし寝て貰っただけ。リーダーこういうトコでやり過ぎると怒るし」

「別に怒りはしませんけど」


 確かにイレヴンの“やり過ぎ”は港の人々には刺激が強いだろう、色々えげつない。褒めるように潮風に乱れた前髪を整えてやると、満足げに目を細めている。

 しかし本当に鎧王鮫を倒していたら自分達では敵わない事ぐらい考えれば分かるだろうに。

 港に集まる者の中にはリゼル達が鎧王鮫を持ち込んだ日もその場にいた者も居て、絡んだ側の自業自得だと思っている為か特に騒ぎにはなっていない。寝てるだけと言う割には一切動かないのが気になるが、冒険者同士の衝突など然して珍しいものでも無いからだ。


「そろそろ行きましょうか」

「美味いと良いッスね」

「あれだけ漁師が盛り上がってたんだから不味いとかはねぇだろ」


 そう、今日は鎧王鮫の加工が終わる日だった。

 昨晩に上機嫌な漁師が宿を訪れてそう告げたので間違いではない。彼は前祝いだと酔っ払ったまま上機嫌に歌いながら港へと飲み直しに帰ったのだが、果たして今日きちんと加工の仕上げをしてくれたのだろうか心配になる程の酔い具合だった。


「そういや魔物の肉ってすぐに傷まねぇけど何でッスか」

「一応魔物の持つ体内魔力のお陰って説が有力ですね。事実死んでからも残る魔力残滓が完全に消えるまで腐ったりしないようですし、職人によっては魔力量を調整しながら捌けるらしいですよ」


 ふぅんとイレヴンは頷く。経験上腐らないとは知っていてもその理屈まで気にした事は無かった。

 小型の魔物ではその魔力残滓も微かにしか無く、切り分けた途端に一気に散ってしまう為に保存が利く訳ではないのだが加工中ぐらいならば保つ。

 とはいえスピード勝負なのは変わりない。漁師達はあの巨大な鎧鮫相手に余程頑張ってくれたのだろう。


「おう、冒険者殿こっちだ!」


 ふいに前方から声がかかった。数人の漁師が此方を向いて手を振っている。

 既にその場には人だかりが出来ていた。解体中も常に観客が途切れなかったが今日も同様なようだ。

 特に加工終了日だけあって鎧鮫を倒したパーティが確実に来る日ともなれば一度見てみたいと思う者も多く、中には冒険者の姿もあった。彼らの目的は見物だけでは無いようだが。


「漁師さん、お疲れ様です」

「このぐれぇで疲れてたらアスタルニアの漁師の名がすたるってもんよ」


 老いても尚気骨のある声と屈強な肉体は確かに説得力がある。二日酔いの気配も全く無いし羨ましい事だとリゼルは微笑み、解体にも使われていた巨大な作業台を見た。

 その上には元の巨体からは随分と小さくなった塊が置かれているようだ。断定出来ないのは布が被せられているからに他ならない。

 小さいとはいえ成人男性一人分程の幅は持っているのだから残念という事は無く、充分過ぎる程の量だろう。その手前には剥がした鱗や牙が並べられている。


「これ骨とかは?」

「素材じゃねぇ部位は全部消えちまった。俺ぁ知らねぇが迷宮の魔物っつうのは倒したら消えんだろ?」

「迷宮の外で見ると凄ぇ違和感」

「大侵攻の時の魔物の死骸も消えたじゃないですか」


 そうだったかとイレヴンは記憶を思い返してみる。全く覚えていない。


「シャドウ伯爵が片付けが楽だって呟いてましたよ」

「素材が獲れねぇともぼやいてたがな」


 流石商人の国の領主、損害を受けた分は少しでも魔物の素材で補おうとも思っていたようだ。確かにあの量の素材を集められれば、上位の魔物もいた事だし充分復興資金の足しになっただろう。

 とはいえあの状況で消えてしまう前に素材を回収する事など出来る筈は無く、実行はされなかったようだが。

 リゼルはちらりとイレヴンに視線を向けてゆるりと微笑んで声を潜め、内緒話のように呟く。


「疑う必要は無いでしょう」

「そ?」


 同じく視線を返し目を合わせたイレヴンが、悪戯っぽく唇を吊り上げて首を傾げてみせる。

 ようはカマをかけてみたのだろう。鎧王鮫の素材ともなれば売れば相当な金になる、尤もらしい事を言いながらかすめ取られては堪らない。

 勿論リゼルが任せた時点でそれは無いだろうと思っているので一応というだけだが。いくらだるくても人は選ぶ。


「先に素材だけ渡しとくか」

「そうですね。それなら、えーと……ここまでがイレヴンで、ここからがジルです」


 えー、という視線が隠しもせずポイポイと各々の空間魔法の中に素材を仕舞っていくリゼル達に注がれる。

 彼らは基本的に報酬に限らず素材も出来るならば三等分で分けていた。出来なければ欲しい者が貰うし、じゃんけんで決めたりパーティ代表としてリゼルが貰ったりもする。

 数センチの差で金貨単位の違いが出る素材を目分量で三等分した挙句、それに文句が出ないのが他の冒険者には不思議で仕方無い。リゼル達的には足りなければ分けるし必要なら貰うしで問題無いのだが。


「地底竜の時も思いましたけど、全身の鱗が素材って訳じゃないんですね」

「そりゃそうだろ」


 並べられた鱗は鎧王鮫が持つ鱗全ての数に比べると格段に少ない。

 当然のようにジルは言うが、リゼルには不思議で仕方が無い。これも迷宮だから仕方ないの法則が働いているのだろうか。

 分厚く巨大な鱗や牙は端が鋭利だ。ポーチから装備である薄い手袋を取り出して身につけ、小さな物から仕舞っていく。


「頭の部分の鎧みたいに尖ってた鱗も無いみたいですし」

「ありゃ剥がした途端砕けちまった。鱗っつうよか岩みてぇなもんだったしな」


 成程、鱗という分類にはならなかったようだ。

 並べられた鱗をひっくり返してみると、貝の内側のように淡く虹色に輝いている。無骨な表面に反して美しく、眺めていた周囲からは感嘆の声が上がった。

 強度から当然装備にすれば高性能なものが出来そうだが、装飾品に加工しても良い値がつきそうだ。


「リーダーはこれどうすんスか」

「どうしましょう。イレヴンは決まってますか?」

「俺? んー、これでナイフ何本か作る予定」

「テメェこれ以上ナイフ増やしてどうすんだよ」

「うっすいの作って貰うんスよ。靴裏に仕込める奴」


 物騒な話の割に楽しそうなイレヴンに、リゼルは本人が楽しければ良いかと微笑みジルは呆れて溜息をついている。明らかに魔物に対して備えている武器とは思えないが気にしない。

 ジルはいつもと変わらず取り敢えず持っておくだけで、リゼルやイレヴンの装備を作る時にも大変世話になったその習性は変わらないようだ。売る程金に困ってないし他に使いたい事も無いのだろう。


「これで全部、ですね」


 顔より大きな鱗をリゼルが持ち上げようとして、しかしジルが先に手にとってポーチへと突っ込んでくれる。礼を言って漁師を見た。

 待ちかねたと言わんばかりの笑みを浮かべる姿に、促すように微笑んで見せた。


「じゃあ、お願いします」

「あぁ、良く見ろよ!」


 目の前の漁師の声と共に、待機していた二人の若い漁師達がガッと布を握り一気に引いた。魔力付与のついた布なのか青白い光が煌めきながら尾を引き、白いそれが港の青い空に翻る。


「これが漁師おれたちの間で伝説にもなった鎧王鮫だァ!」


 現れた肉は魚というより獣の肉に近かった。

 鮮やかな赤身に霜降り状に脂が乗り、はっきりと区別された赤と白が日の光に輝いている。ただの食料というには美しく、しかし宝石とは全く違い食料から離れず人の食欲を刺激するような美しさだ。

 現れたそれに周囲は思わず歓声を上げ、漁師らは己の仕事を誇るかのように胸を張り、リゼル達は美味しそうだなぁと眺めていた。


「これってどうやって食べるのが良いんですか?」

「勿論刺……脂身多いから網焼きで脂落として食べんのが良いぞ!」

「当然刺……いや鍋で軽く湯に通して食べりゃ旨味が溢れんぞ!」

「馬ッ鹿野郎共!」


 少しばかり言葉に詰まりながら自慢げに言い放つ若い漁師らに何故かと思っていると、老いた漁師が怒鳴りつける声が響く。薄々思っていたが親子か孫だったりするのだろうかと、そう思えば何処か似た雰囲気を持つ三人をリゼルは見比べた。

 だってと言い辛そうにする男二人をもう一度怒鳴りつけ、漁師は自信を持って勢い良くリゼルを振り向く。


「こんな良いモン刺身に決まって…………か、かるぱっちょとやらにでもした方が良いか?」

「あ、俺が原因だったんですか」


 凄く気を遣わせたようだ。

 別に刺身ぐらい食べるのに、と思いながら横を見ると顔を逸らして笑いを堪えるジル達がいた。噴き出されるよりはマシか。

 そう思っていると、早速とばかりに作業台でそのまま切り分けて刺身にしてくれた漁師達が皿を差し出した。リゼルはそれを有難く受け取り一切れ食べる。

 隣からジル達も手を伸ばして一切れずつ取って行った。無言で食べる三人に注目が集まる。


「……うん」


 ひとつ頷いたリゼルに視線が集まった。

 と同時に皿に残った刺身を全てかっ浚って一口で食べてしまったイレヴンへと視線が移る。そんないっぺんにと勿体なさそうな声が若い漁師から上がった。

 ごくん、と飲み込んだイレヴンがリゼルから皿を受け取りぐいぐいと声を上げた漁師へと突き出す。


「おかわり」

「おま、伝説の魚をそんな一気に!」

「はーやーく」


 苛立ったように促され、若い漁師達は必死に鎧鮫を捌き始めた。

 捌いては数口で食べきるイレヴンにひーひー言いながら彼らは手を動かし続けている。イレヴンが満足するまではしばらくあのままだろう。

 リゼルは取り敢えず一皿分だけ確保して貰った皿を持ち、もう一口食べる。ジルもその皿からひょいと一切れ口に放り込んで飲み込んだ。


「凄い、こんな魚食べた事が無いです。魔物だからでしょうか」

「普通の魔物じゃ此処までの味は出ねぇよ」


 貴族としてどれだけでもリゼルは良いものを食べている。

 元の世界でなら高級と称される魔物の肉だって度々出されて食べた事もあった。当時は種類など気にした事は無かったが、それでも良い肉が使われていた筈だ。

 しかしその全てがこの味に敵わないと思わせるような、味覚どころか全ての感覚を呼び起こすような強烈な印象を持つ程の美味しさに鳥肌が立ちそうになる。

 それ程に感銘を受けているにも拘らずそうは見えないのがリゼル達なのだが。普通にパクパク食べているように見えるのが若干残念だ。

 何切れか食べ、リゼルは静かに息を吐いて漁師に向かって微笑んだ。


「漁師さん、加工お疲れ様でした」

「あぁ、この年になって最高の仕事させて貰ったぜ」


 皿を使う事を放棄し、作業台の上に切り分けられた刺身をひたすら食べているイレヴンをバックに漁師は感慨深そうにそう告げた。

 ガンガンと作業台を蹴られ急かされている若い二人は放っておいて良いのだろうか。


「報酬の件なんですが」

「そりゃ話ついてんだろ冒険者殿。鎧鮫の解体なんて貴重な体験させて貰ったのはこっちなんだからな」


 鎧王鮫を持ち込んだ時はとにかくだるくて仕方が無かった為に、取り敢えず任せられる人を見つけて直ぐに宿へと向かったリゼルだが後日見学と共に報酬の話し合いを終えていた。

 話し合いの結果は漁師の言う通り。報酬なんて貰う方がおかしいと主張して引かない頑固な漁師にリゼルはその日は苦笑して帰ったが、しかし数日漁を休んで解体して貰うのだからやはり必要だろうと思い続けていた。

 この味を知ったからこそ、余計にそう思う。金など渡しても受け取っては貰えないだろうが、それならば別の方法を取るだけだ。


「鎧鮫の肉、半分を差し上げます」

「ッな!!」


 漁師は絶句した。絶句するしか無かった。

 貰えるなどと微塵たりとも思っていなかった。それ程までに希少な代物だ。

 ただ一口食べた漁師が数代にも渡って解体技術を残した程の魚を、今や漁師の中では伝説であり捌ける事に対する誇りである魚を、一口でそれ程までに人間の人生を動かせる魚をまさか巨大な塊の半分も渡そうなどと。

 漁師は己の心情を吐き出すように口を開いた。一瞬何を言おうか迷う様に沈黙が落ちたが、次の瞬間その口は感情そのままの言葉を吐き出す。


「嬉しい! 最高だ! そう言える! だが考えろ、テメェには何の得も無ぇ!」

「これを捌ける技術はそれ程までに価値があると思うからですよ。だからこその報酬で、一番相応しい対価です」


 そう言って差し出された皿を、皿に乗った鎧鮫の刺身を漁師は見下ろした。

 食べれば分かるという事だろう。伸ばした指は微かに震えていたが、その指で直接切り身を摘まんで口へと入れた。


「……ッ」


 直後、漁師はその目に涙を溜めた。この味を得るが為に、この一瞬の為に自らは技術を磨いてきたのだろうと全て納得できた。

 何故自分がと思った事もある。しかし年を経て受け継ぐ事の大切さも知った。だが真の意味で今自らが持つ技術を伝える事の意味を今痛い程に知った。

 この味を後世の子らにも味わわせてやりたいと、ただそれだけの幸福な願いが其処にはあった。


「過去誰かが抱いた願いが貴方の願いになる。それが受け継ぐという事だと、俺はそう思います」


 清廉な空気に、告げられた言葉に、騎士でも従者でも信者でも無い誰よりも自由な筈の海の男が膝を折りそうになったのは何故か。呆然とする漁師を前に、穏やかな微笑みがふいに悪戯の色を帯びる。


「俺も、また美味しいものを食べたいですし」


 そう言いながらパクリと更に一切れ刺身を食べるリゼルに、漁師は一瞬呆気にとられたが直ぐに大声で笑った。

 早くこの肉を漁師達に配らなければ。まずは解体作業を共にした者達、そして全ての漁師達へと。

 そして笑いながら吠えてやろう、冒険者に火ィ付けられるなんざアスタルニアの漁師も落ちたもんだと。しかしそれを誇って良いと言ってやろう。


「お前いつまで食べてんだよ」

「だって新鮮な内に食べなきゃ勿体ねぇじゃん」

「だからってこんな港の真ん中でひたすら刺身だけ食べるのはちょっと。持って帰って宿主さんに調理して貰いましょう」


 半泣きで刺身を作り続けていた若い漁師らはリゼルの言葉にようやく解放されると大喜びだ。直後漁師に刺身を口に突っ込まれ号泣していたが。

 鎧鮫の肉は巨大な解体包丁に真っ二つにされた。もう長く保存は出来ないだろう、今日明日の内に全て食べきる事になりそうだ。

 周囲の人々は食べた瞬間涙を流した漁師たちを見て一体どれほどの味がと食い入るように漁師へと渡された半分の肉塊を見ている。取り分の肉を一応布に包んで仕舞ったリゼルは、そうだとわざとらしく笑って一本指を立てて見せた。


「勿論漁師さん達に配るんでしょうが、もし量に余裕があったら他の方に配って貰っても構いませんよ。ただし条件として、正当な値段で売る場合に限定させて貰いますけど」

「は、そりゃ良いが何で……あッ、てめぇ俺ぁ金受け取らねぇって言ったじゃねぇか! おい待」


 直後押し寄せる鎧王鮫を求める人波と値段を問い質す声に、漁師の怒号は掻き消された。

 可笑しそうに笑い悠々とその場を後にするリゼルを、ジルは呆れきった目で見下ろしイレヴンは面白そうに笑いながら隣に並ぶ。

 最初から報酬は鎧鮫の肉で、で済ますつもりは無かったのだろう。リゼル相手では恩であれ要求であれ受け入れないでいるのは至難の業だ。


「鎧鮫、本当に美味しかったですね。早く帰って料理して貰いましょう」

「刺身に合う酒買って帰るぞ」

「賛成ー。美味い内に食べきるに限るッスね」


 ジルも珍しく食べる気満々だしイレヴンは言うまでも無い。半分の大きさになろうと未だ到底まな板にも乗りきらない肉塊だが、恐らく本当に今日中に無くなるだろう。

 宿主には申し訳ないが、お詫びに少し分けて許して貰おうとリゼルは頷く。

 三人は待ち構えていた冒険者達の素材を売ってくれコールを全て流し、楽しみだ楽しみだと宿へと帰って行った。





「(早ければ今日だと思ったけど、気付いて貰えたのかな)」

 ふと歩きながらそんな事を思ったリゼルは、何処か楽しそうに微笑んで鎧鮫の肉へと想いを馳せた。


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