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星を追う者たち  作者: 矢口
第七章 愛に生まれ、殺戮に育つのは『世界』
111/222

110:巡り会い

 港町ポルカで宿屋を兼ねる小さな食堂『白鹿亭』で食事を交えて商談中の彼らは、この店にとってのみ成らずフェリシア全土を見渡しても一風変わった客と言える。

 西部に現れ国境を守り、緑色の服に身を包んでは時たま魔法荷車や大きな『鳥』で城外まで現れる『鳥使い』と呼ばれる自由人(バロネット)達とも違う。

 彼らの内の一人などは、この店にとっては『鳥使い』が現れる三十年前からのお得意様だそうである。


『だそうである』

 と言うのは、この店の店主は昨年代替わりしたばかりだからだ。

 店主は記憶にないが彼が生まれた時には既に常連客だったという。

 

 この店は船員やバロネットが多く訪れるため、気取った店ではない。

 だが、彼らの服はこの場にそぐわず質の優れた物であり、鞄や靴などはどの様にして作ったのか分からぬ程に上質の出来だ。

 初めて『その男』がこの店に現れた時、その服や靴を譲ってくれと言う者が多かった。

 丁寧に彼が断ると、今度はそれを狙ってケンカをふっかける者も後を絶たなかったらしいが、彼は何やら不思議な技を使って自分の何倍もある大男達を投げ飛ばしてしまったらしい。

 又、腕力そのものも虎人(ティグロ)と見紛う程のものが有ったと言う。

 但し、騒ぎが収まった後は喧嘩相手に対しても真摯に対応したため、珍しく腰の低い人物として誰からも好意を持たれるようになった。


 例外的に集団で仕返しに来た馬鹿者達が一組居たという。

 だが、どうやら彼の影には相当数の護衛が付いていたらしく、全て叩きのめされてしまった。

 そうして一年もするとこの街で彼を知らぬ者は居なくなり、まるで顔役のように歩き廻る。

 王宮から呼び出しが有った事も一度や二度ではないというから、実際相当な大物らしい。

 護衛も王宮から付けられているのでないかと噂される様になるまで時間は掛からなかった。


 街にはひと月に一度顔を出せば良い方らしいのだが、そのような経緯(いきさつ)から誰もが彼に敬意を払う。

 最初は、特に諍いを起こした者達から『ボン』と敬称を付けて呼ばれていたが、本人がそれを嫌がったため次第に誰もが気軽に彼の名を呼ぶようになっていった。

 しかし、本人の前以外で彼の話をする際は誰もが彼に敬意を払って『ボン』と敬称を付ける事を忘れない。


 ここ数年は考える処が有るのか、二名の若い部下を引き連れて歩く様になっている。

 だが、気さくな人柄は変わらないようだ。





「コーヒーは相変わらず高値かな?」

 その男の言葉に向かいの席に着いた(いま)だ年若いフェリシア商人は、少し困った顔をした。

「いや逆ですね。値段は落ち着いてるんですがね。落ち着きすぎですよ」

「早い話が、大暴落って訳か」

 若者の言葉に、男はそう返して笑った。

「ええ、でヒロタさんは王宮からコーヒーを買い入れる訳ですか?」

「うん。そのつもりだけどね。それはひとまず置いて、だ。 

 西のほうで“こういうもの”が出回っているのを知っているかい?」

 そう言って広田修身(おさみ)は新品の鉛筆を数本取り出した。


「何ですか、これは?」

「こうやって使う」

 そう言って、燭台(しょくだい)の上でナイフを使って鉛筆を削っていく。

 次に鞄からノートを一冊取り出すとその上にサラサラと文字を書いて見せた。


「ほう。インクが要らないんですね!」

「うん。王宮から許可が下りてね。扱って良い、と」

「これを僕に見せると云う事は、もしかして……、」

「うん。どうする? 扱ってみるかい?」

「お願いします!」

 若者は一瞬喜んで意気込みつつ答えるが、直ぐに表情が硬くなる。


「あっ、でも、高級品ですよね。う~ん。自分の手じゃ(さば)ききれないかも知れません」

 難しい顔だ。

 だが、広田の表情は明るい。

「そう云う訳でもない」

「へっ!」

「これはね。基礎学級(エレメンタリー)の子供達に安い紙と一緒に売る事が条件で認められたんだ」

「じゃあ!」

「うん。一本、四十以上の売値は付けられないんだよ」

「安っ!」

「だって、消耗品だよ」

 驚く青年に確認させるように、広田は(けず)(くず)を指さした。

「ああ、なるほど」

 若者も納得したようだが、続いては広田の方がやや考え込む顔になる。

「紙なんだよね。問題は……」


 二〇五〇年代の現在、広田の国では紙は再生紙も藁半紙(わらばんし)も新紙も生産コストは全く変わらない。

 いや、新紙の方が安いくらいである。

 そこでフェリシアに製紙工場を建てるべきかどうかで王宮と交渉中なのだが、“いきなり異世界から高すぎる技術流入は困る”と云うのが王宮のスタンスなのだ。

 製紙技術は少しずつ上がってきているが、未だ高品質紙を大量生産にこぎ着けるという程ではない。

 と言って極端に技能が低い訳でも無いが、質、量共にやや不足気味と言える。


 唯、鉛筆ならば、いずれ模倣品も自然に出て来るであろう。

 そろそろ技術的に其処に届く時期だと王宮は見た。

 そこで広田に鉛筆の販売を許可したのだ。

 国防軍のPXを通じて西部での使用が少しずつ広がっている事も、これを認めた切っ掛けとなっている。


「紙、ですか……。う~ん。紙は高いとまでは云いませんが、安くもないですからねぇ」

 二百年程前に王宮が公開したフェリシアの製紙技術は低くはない。

 炭酸ナトリウムを使ってアルカリ化した水を使っているためほぼ中性紙である。

 つまり現在造られている紙は今後、一千年はもつ筈だ。

 但し、現時点では原料樹が少ないためインクを溶かし、()き直してリサイクルして使われる事が多い。


 それはそれで良い事なので特に問題は無いが、広田の中には別の疑問がある。

 それは過去において何故紙が少なかったのか、である。

 理由は先に挙げた原料樹の他に様々に考えられるが、どうも記録をあまり残したくなかったのではないか、とも考える。

 過去の記録。即ち、この国の歴史は一部の者が独占して小出しにしている。

 他国の事にあれこれ口を出したくはないが、こればかりは気に掛かるものだ。


 考え込んでしまった広田に若い商人が声を掛ける。

「ヒロタさん。ヒロタさん。私、何か(まず)い事でも言いましたか?」 

 慌てて広田は彼に返事を返す。

「いや、すまない。一寸(ちょっと)、考え込んだだけだ。それよりね、セリオ君

 実は“こっち”の販売も認めさせたんだよ。だから、紙が少なくても大丈夫だろうと思う」

 そう言って取りだした物で、今書いた文字を綺麗に消してしまった。

「えっ!」

 叫び声も隠せず、セリオは完全に消えた文字を見て驚いている。


 広田がセリオと呼んだ若手の商人に披露したのは『天然消しゴム』である。

 物理的に黒鉛を吸着するプラスチック消しゴムと違い、紙を削り取る消しゴムであるため、同じ面に対しての使用回数に限界はあるが、これだけでもかなりの効果だ。

 

「これは、幾らぐらいで?」

 最早セリオは鉛筆と消しゴムに飛びつかんばかりである。

 反面、広田は相変わらず、のんびりと喋る。

「うん。こっちは一寸値段が張るんだけどね。まあ、此処(ここ)の子供達は大事に使うだろうから、大きさを通常より小さくして五十くらいで売ろうかなと思う。

 だから、卸値は二七から三十って処だね」


 此処まで聞いて、セリオは判断した。

 この人が日頃から話している内容に嘘はない、と。

 そして辛うじてこう答える

「紙が、もう少し安定して確保できると判断すれば是非やらせて下さい」


 セリオ青年は千載一遇のチャンスを得た。

 何より、この人はフェリシアの事を考えてくれている。

 フェリシアの子供達の教育の事を考えている。

 だが、だからこそ不確定で不誠実な返事は怖かった。


 ボン・ヒロタは有名人である。

 王宮に通じて何らかの商売をしていると聞く。

 また、今話題の『鳥使い』達との関係も取りざたされているが、それ以上に大きな特徴は海産物や食肉の大きな取引を若い人物に任せてくれる事である。

『人口の増加には、若者の職場の拡大や待遇の改善が必要だ!』

 と日頃から公言しており、既に財を成した人間には見向きもしない。


 例外として上げるのなら、其の人物の商売が社会の発展に役立っていると彼が判断した時だけである。


 一例としては、プレアデス家がある。

 既に国内最大級の財を成しているが、貸本の出来る図書館を作りたいと言った処、ヒロタは王宮に交渉して植物図鑑や、鉱物図鑑など自然科学に関わる研究成果を惜しげもなく送ったという。

 その他、文学書、音楽の楽譜なども含めて数千点。

 

 利益はかなりの低率であったと云うが、長い目で見れば恒久的に利益が入る良い商売だと広田は云う。

 何せ、支払いは全てプレアデス家の鉱産資源から現物として支払われるのだから、と。

 中には何に使うのか全く分からない唯の『土』を引き取った事もあるという。

 しかし、これも彼にとっては大きな儲けになるのだそうだ。


 セリオがボン・ヒロタと此の様に話が出来たのは、広田が常々、

『信用できる若い商人を捜している』

 と口にしていた折り、代替わりしたこの店の主人が“幼なじみであるセリオなら”と紹介したのである。

 間違いがあれば、ヒロタがこの店に来る事は二度と無いかもしれない。


 その事を恐れてか、先代は余程の事がなければ広田に人を紹介しなかった。

 当代も先代の言いつけを守っており、この一年で紹介された人物はセリオが初めてである。

 つまりセリオに失敗は許されない。


 だからこそ彼は最初、幾ら儲け話になる可能性が有るにしても自分の能力以上の事に手を出す事を恐れたのである。

 一つ間違えればこの店の主人、つまり親友まで道連れだからだ。

『ボン・ヒロタに見限られた店』など人が近付くはずがない。


「セリオ君。君、慎重だね」

「いけませんでしょうか……」

 機嫌を損ねたかと心配になる。

 だが広田は笑った。

「いや、私はこれで儲けるつもりはないんだ。 

 君が将来、でかい仕事の出来る人間になって欲しいだけさ。 

 それも社会のためにね。だから、安い紙を探そうという姿勢は悪くないと思うよ。 

 ただね。当てがないなら、まず動いてみる。

 その内にあっちから飛び込んでくる事もあるってことさ」

「はい……」

 そうは言っても、失敗した場合どうなるのだ?

 セリオの顔色を見ていた広田は、首を傾げつつも冗談めいて話を続ける。

「なあ、セリオ君。これで失敗しても別に君を借金漬けにして追い込む気は無いぞ。

 王宮から魔術師がすっ飛んで来ちまうからな」

「しかし、紹介してくれたレムルにも迷惑が掛かるかと思うと、」

 セリオはそう言って、カウンターの向こうで皿を磨いている親友に視線を向けた。

 あちらも話が気になるのかチラチラとテーブルに目線を送ってくる。

 広田もそれに気付いた様だ。

「ああ、なるほどね。そう言う事か」

 その言葉を聞いて後の席にいた広田の付き人がクスクスと笑い出す。


「あの、何か?」

 セリオの質問はヒロタに対してだが、後の二人には少し揶揄(からかわ)れているようで気分が良くない。それが表情に出たのだろう。

 広田が彼らの方を向くと耳に手を当て、それから何やら分からない言葉でしゃべり出した。

 どうやら彼らを叱っているようで、若い二人は立ち上がって必死で頭を下げている。

 立ったまま、詫びる際にあれほど深く頭を下げるというのはどういう意味なのだろうと、思う。


 カグラ全体でも頭を下げて挨拶をしたり、謝意を示す事はあるがそれは、”ほんの軽く”であり、詫びるに際してあそこまでは下げない。

 南西諸島であの様な風習があると聞くが、あれは王宮で言う処の「臣下の礼」のようなものなのだろうか?

 とすると、あの二人は首を落とされても文句はない、と云う程に詫びている事になる。


 凄い光景だとセリオは思う。


 暫くそのような光景が続いたが、広田が耳から手を離すと、言葉は普通に戻った。

 よく見ると薄い板のような物が、彼の耳元に張り付いている。


 何だろう? と思う間もなく、若者二人はセリオの前に来ると、これまた深々と頭を下げる。

 セリオとしては僅かに、彼らに腹を立てた事に対して申し訳なく思った。

 此処までの詫びを求めるつもりなど無かったのだ。


 彼らは頭を上げてようやく詫びの言葉を述べる。

「決して揶揄(からか)ったつもりではないんですよ。 

 唯、広田さんは、この件では本当に儲けるつもりは無いんです」

 一人がそう言うと、もう一人妙なガラス板の目当てを耳に釣掛(つりが)けした若者も同じように話してくる。

「つまりですね。我々も似たような目に合いまして、それを思い出していたんです。

 失敗しても大丈夫ですよ。ずるい真似さえしなければね」

 そう言って今度は優しく笑うと、もう一度二人揃って頭を下げ元の席に戻っていく。


 広田は、どうだ、と言わんばかりの顔をして、

「安い紙については一緒に考えよう。何なら王宮にもう一度交渉し直しても良い」

 そう言ってくれる。

 セリオがカウンターに目を向けると、レムルもにこやかに頷いた。


 決まった!


「はい。是非やらせて下さい!」

 セリオがそう言って広田と握手をしようとした時、その手を脇から掴んでくる者が居る。

 驚いて目を向ける。

 知らない男だ。誰だ?


 堂々たる体躯と浅黒い肌は海の男である事を直ぐさまに知らせてくれる。

 だが、その体格に似合わず黒い瞳は人懐こそうに柔和だ。

 流れるような金髪が美しい。 

 が、捕まれた腕が痛い。 

 本人は軽く握っているつもりなのだろうが、セリオは思わず顔をしかめた。

「あっ、すまない!」

 男はそう言って慌てて手を離したが、先の広田の部下が立ち上がり、男の後方に付く。


「どう云うつもりだ!」

「貴様! 何者だ!」

 先程、自分たちがセリオに無礼を働いたと云う意識からか、彼らは名誉回復のために息も荒々しい。


 反面、金髪の大男は其の二人に(ひる)んでいる様子ではないが、手の平を前に向けて、

「いやいや、すまない。気がせったんだ! それ以上の意味はない」

 と弁解に必死である。


「セリオ君、少し下がって」

 セリオは広田の言葉に素直に従った。


 広田は今でこそ紳士で通っているが、彼がこの店で四~五人を相手に店を破壊する程に暴れた話はポルカの伝説の一つになっている。

 投げ飛ばされたり、押さえ込まれて失神した相手は今や多くが街の大物になっており、彼らが関わる酒宴でこの話が出る度に彼らの若気の至りとして、明るく皆に笑われる。

 (もっと)も、その事は彼らにとっては失敗談とは云えども、自分たちが古くからボン・ヒロタと関わりがあると云う事実を表すエピソードであり、場を盛り上げる話ともなる為に好んでなされる話なのだ。


 彼は全く不思議な男であり、当時から見て年を取ったのは確からしいが、其の筋力や技の衰えは全く見られないという。

 それが分かるのは、当然だがこの街で彼に襲いかかる様な馬鹿な住民が居るからではない。

 近年、彼が護衛を付けずに郊外に出かけた折に山賊に襲われたが、その際に一人で数名を捕縛して来た事があるのだ。

 但し、流石の彼も無傷で全員を捕まえる訳にはいかなかったらしく、山賊の内の一人を殺してしまった。

 それ以来、おおっぴらにこの若い二人を護衛に付けるようにしているのだ。


 要は身を守るためと云うより自身が人を殺さないための護衛と云う訳であり、そのような人柄も彼がこの街の人間に信頼を置かれる理由である。

 なんにせよ、ボン・ヒロタの実力ならばこの大男にも充分対応できるであろう。


 と云う訳で、セリオは素直に広田の言葉に従った。


「まず名を名乗って貰おう」

 先程までの柔和な表情と違い目に力がある。

 普通の人間ならば、この目に睨まれただけで(すく)んでしまうであろう。

 だが、気まずそうに男は頭を掻きながらだが怯んだ様子もなく答える。

「エレコーゼ・オベルンだ。無礼を働いた。すまん!」

 エリオは腰が抜けそうになる。

 カウンター向こうのレムルなど磨いていた皿を落として割ってしまったため、その音が店内に響き渡った。


 エレコーゼ・オベルン。南西諸島の不死鳥。海の魔王ボトム

 何故、そんな人物が手下も連れずにこんな所に!


「広田だ」

 広田がそう言うと、オベルンは頭を下げた。

「すまん修身!」


 一瞬、二人の間に妙な空気が流れる。

 セリオはその時初めて「ボン・ヒロタ」は、「オサミ」という名前だったのか?

 と気付く。

 

 だが、妙だ。

 ヒロタが海賊の王の様な男に自分の名を知られていると知って、訝しむのは分かるが、言葉を発した当人も首を傾げている。

「あんた“オサミ”というのか?」

 オベルンの言葉にセリオは()けそうになった。

 何を言っているんだ。この人は?

 自分からそう呼びかけたではないか。


「ああ、広田修身だ。あんたエレコーゼ・オベルンと言ったな。名は聞いているが、私は自分の名を余り名乗った事はない。

 此処ではヒロタで通している。それで不自由はない。

 だが、何であんたが私の名を知っている?」

 そう問われて、オベルンは更に首を傾げる。

 そして、俄には信じられない言葉を発したのだ。

「……何でだろうな?」


 普通の人物なら怒り出すであろうが流石は落ち着いたもので、広田は少し考えているだけだ。

 だが、此方もオベルンとは別の意味で妙な事を言い出す。

「なるほど、“此処がスタート地点”か、しかしパラドクスはどうなっているのやら?

 まあ、追々分かるだろうな。座れよ」

 そう言ってオベルンに席を勧める。

「私を知っているのか?」

「有名人だからな」

「そうじゃない。俺の正体を知っているのか、と訊いているんだ?」

「面白い事を言うね。あんたの正体? エレコーゼ・オベルン意外に何か有るのかい?」

「それが分からんから、困っている」

 その言葉を聴くと広田は大笑いし始めた。

 当然だがオベルンは不思議な顔で広田を見ている。

 

 と、不意に笑うのを止めた広田はセリオに一瞬視線を送り、オベルンに向き直る。

「何故、彼の手を掴んだ」

 問われたオベルンとしては実にバツが悪そうだ。

 情けないその表情は本当に「海の魔王」なのだろうか、と思うと同時に、(かた)っているにせよ、その名前ですらも飲んで掛かる広田にセリオは明確に恐れを抱いていた。



 自分はとんでもない怪物に関わってしまったのではないのか、と。






お話にお付き合い下さる皆様、ありがとうございます。

来年もよろしくお願い致します。


良い年明けをお迎え下さい。

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