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神器も世界樹も神獣卵も買った。あとはゲームが現実になるのを待つだけ  作者: 狐白
2.

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47/52

第47話

「あり得ない!! この私生児が伝説級の攻略者だなんて……家はあの子に何の支援もしていないのよ! 嘘でしょう?!」


九条理人の言葉を聞いた瞬間、カエルおばさんの表情はむしろいっそう醜く歪んだ。


家族のはずなのに、燈里が成し遂げた偉業は彼女に一片の誇りも抱かせない。


それどころか、頬を思いきり打たれたかのように取り乱し、この現実を即座に否定しようとしている。


だが当の九条理人は驚くほど鈍感で、雇い主の顔色などまるで気づかないまま、崇拝にも似た声を張り上げた。


「俺はあのダンジョン攻略をこの目で見たんだ! 完璧だった、あまりにも完璧すぎた! 操作は華麗、戦略も超一流!


 これからの世界で、あの人たちは間違いなく頂点に立つ存在になる! 今のうちに投資できた奴は大儲け間違いなしだ!!」


「………………」


カエルおばさんの顔は、三トンの汚物でも無理やり食わされたかのように最悪だった。


投資、ですって?


家族である彼女には、燈里へ投資できる機会などいくらでもあった。たとえ「おはよう」と一言かけるだけでも。


だが現実は正反対。


彼女は“投資”するどころか、その成長の道に無数の棘をばら撒いてきた。


挙げ句の果てには、家から遠く離れた別の街へ追いやり、たった一人で学校に通わせたのだ。


「ってことは家族か? なら話は早い! あの人たちなら俺たちを助けてくれるはずだ!」


九条理人はなおも無邪気に、言葉の刃で雇い主の胸を抉り続ける。


私は黙って、あいつに親指を立てた。


馬鹿だけど……いい仕事してる。


「燈……燈里。」カエルおばさんは、泣き笑いのような歪んだ笑みを必死に作る。「助けて……ママを助けてちょうだい……お願い……」


「申し訳ありません。あなたは自分が私の母親ではないと言いました。私の母はとっくに死んでいる、私はただの雑草だと。


 ですから——あなたを助ける理由はありません。」


燈里の言葉に、カエルおばさんの表情が凍りつく。


強盗は奪った財物をアイテム欄へ放り込みながら、のんびりと口を挟んだ。


「やれやれ……どうやら助ける気はまるでねえみたいだな。」


「そ、そんな……やめて……」カエルおばさんは再び笑顔を作ろうとする。「私はあなたの母親よ……継母でも母は母でしょう……?」


「私があなたを“お母さん”と呼んだら、金で人を雇って私の脚を折ると言いましたよね。」


燈里は淡々と、冷え切った声で復唱した。


まるで他人の出来事でも語るかのように。


「何だと?! 本当にそんなことを言ったのか?!」


当主が怒りの目をカエルおばさんへ向ける。


だが燈里は、彼に一切の体面を残さなかった。


「あなたはあの時、ドアの外で聞いていましたよね。気づいていないとでも思いましたか?」


「……」


嘘をその場で暴かれ、当主の顔がみるみる赤く染まる。


「当主であるあなたの黙認がなければ、彼女はあんなこと絶対にできなかった。


 まだ昔のまま——あなたたちに依存し、信じるしかなかった子供だと思っているのですか?」


当主は言葉を失った。


まるで初めて娘を見たかのように。


目の前の燈里は、あまりにも見知らぬ存在だった。


お嬢様が突然、燈里を鋭く睨みつける。


「違う……あなたは誰? 前に会ったときはあんなに怯えていたのに……たった一ヶ月で人がここまで変わるはずがない! 本当に燈里なの?!」


燈里は無表情のままだ。


感情の一切を読み取らせない。


沈黙が恐ろしいほどに場を支配し、当主とお嬢様からは貴族めいた余裕が消え失せていく。


ようやく理解したのだ。


目の前の燈里には——自分たちを救う気など、欠片もないと。


未来世界で最も有望な伝説級攻略者を、自ら敵に回してしまったのだと。


「どうやら終わりだな……撤収、撤収!」


強盗はすでにすべての財物をアイテム欄へ収め終えていた。魔法師が得意げに九条理人を蹴り飛ばす。


「ボスの言った通りだ。降臨エリアの外はやっぱり雑魚ばっかだな。俺たちはまるで超能力者だ、好き放題できる!」


「お前ら、相当金を持ってるんだろ?」


魔法師の杖が、不意に当主へ向けられる。


「この銀行口座に千億円振り込め。それと満タンのSUVを一台用意しろ。さもなきゃ——全員殺す。」


「千億だと?!」


当主の顔から血の気が引いた。


「そんな大金、すぐに用意できるはずが……」


「無理か? なら先に娘を殺す。そうすりゃ用意できるようになるかもしれねえな〜」


杖の先が今度はお嬢様へ向けられ、淡い光が灯る。


「やめろ!!!」


当主はためらいなくお嬢様へ覆いかぶさり、その背を盾にした。


確かに彼は娘を愛している。命を賭して守るほどに。


ただし——その愛が分け与えられることは決してなかった。


キン——


杖が弾き飛ばされる。


逸れた魔法が当主のすぐ横の地面を爆ぜさせた。


「一度だけ助けます。これで——私たちの関係は完全に終わりです。」


同意も拒否も許さない宣告。


次の瞬間。


魔法師の四肢から血霧が噴き上がった。


誰も視認できなかった、その刹那——すでに四肢の筋肉はすべて断ち切られていた。


「なっ……?! この速度……人間に可能な速さか?!」


魔法師は信じられないものを見る目で崩れ落ちる。


「攻撃してくるとはな……! 近づくな!」


剣士の刃が人質の喉元に食い込む。


「一歩でも来れば殺す!」


「どうぞ。」


「……何?」


夜行衣に包まれた燈里の長身が、静かに、優雅に剣士へ歩み寄る。


その声には、微塵の感情もない。


「人質が成立する前提は——」


「相手が人質の生死を気にかけること。」


「ですが——」


「私は気にしません。」

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― 新着の感想 ―
人質としては成立しないとは思った(笑) 警察との協力もあるから出来るだけポイント稼ぎはするだろうと思ったけど アイテム寄越せってならないなら 「人質取られて手が出せませんでしたー(笑)」 で、見捨て…
クズ3人だけならヤっちゃっても良いぞ!
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