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生徒会の邂逅と・・・

「ようこそ一ノ瀬 真面目君。 我々生徒会は、君の入会を歓迎するよ。」


 生徒会室で待ち構えていたのは、生徒会長である高柳 銘を含めた、副生徒会長、会計、書記の面々であった。 もちろんその重圧感に真面目は押し潰されそうになりつつも、銘を方を真っ直ぐ向こうと必死になっていた。


「僕が立候補として選挙に勝ったことは、会長にとって喜ばしい事であると思いますが、当選して早々に生徒会の仕事をやることになるとは思いもしませんでしたよ。」

「ははは。 だろうね。 とは言え最初からなにかをやらそうとは思っていないよ。 今日は君が担当して貰う業務について説明をするだけだよ。」

「担当って・・・僕は庶務ですよね?」

「庶務と言ってもやることがないとは言っていないぞ。」


 真面目の質問に答えたのは、副生徒会長のネームプレートの掲げられている席に座る女子だった。 髪色も赤く、目元がかなり厳ついのか、威圧感も感じられる。


「おいおい海星。 そんなに睨むこと無いだろう。 それに君だって彼の事は認めていた筈だろう?」


 海星と呼ばれた女子は、銘を見ると、はぁと溜め息をついた。


「分かってはいますよ。 副生徒会長の花井 海星(はない かいせい)だ。 銘会長と同じ3年だから半年程ではあるが、一緒に生徒会を運営していくメンバーとしてやっていこうと考えている。」

「花井先輩堅いですよ。 あんまり高圧的なのは普通の生徒にはキツいですよ。 いくら女子高生とはいえ。」

「こうしておかなければナメられるのでな。 特に反抗的な輩にはな。」


 向かいの女子に対して返答をする。 向かいの女子には会計のネームプレートが掲げられていて海星とは対照的に髪は緑のツインテールで、穏やかそうな雰囲気を出していた。


「やあやあ一ノ瀬君。 僕は会計の金田 松丸(かねだ まつまる)。 2年生だよ。 よろしくね。」

「よろしく、お願いします。」


 海星とは逆に松丸はかなりフランクに話してはいるものの、真面目にとってはそのフランクさはあまり慣れないものだった。


「じゃ、最後は私ね。」


 そういうと書記に座っていた男子は、男らしさのある容姿とは真逆に、どこか艶かしい雰囲気で真面目に近付いた。


「私が書記の水上 真梨子(みなかみ まりこ)よ。 こういう容姿でご免なさいなんだけど、変化する前は美人だったんだからね。 まあ今のあなたに言っても心には響かないでしょうけど。」


 そう肩を掴んで来る真梨子の雰囲気に真面目は、女の容姿であるにも関わらず身の毛がよだつようなものを感じた。


「水上。 問題児定義されているお前がそのような行為をするなといつも言っているだろう。 そのやり方をもう少し変えるんだ。 私達が卒業する前に。」

「はーい。 銘会長には逆らいませんから。」


 そう言って書記の席に戻る真梨子。 真面目はある意味で性別が逆転していることが功を奏したと言えるくらいに、謎の寒気がしたのだった。


「まあ一部例外を除けば、ここにいる面子はみな真剣に生徒会の仕事に取り組んでくれる。 最初はなにも分からないだろうが、フォローも当然する。 庶務の仕事などそのようなものだ。 あまり気負いせずに頑張って貰いたい。」

「はぁ・・・」


 真面目は拍子抜けしたわけではない。 銘の言う通りで、実際に最初などなにをやればいいのか検討もついてはいなかったので、銘の判断力を評価したのだ。


「さて、最初から仕事を任せることは無理難題に等しい。 来週のために考えておくから、今日のところは帰って大丈夫だぞ。」

「はい。 あの、部活の方はどうすればいいですか?」

「ああ、そういえば君は2つの部活にも所属していたね。」


 真面目の質問に銘も答え直して、頭を捻る。


「別に部活に行きたければ行けばいい。 ただこちらでの仕事を優先的にこなしてくれればな。」

「上の役職とかになっちゃうとそれも難しくなるけど、今はそんなに気にすることではないかな。」


 海星と松丸はそんな風に話したので、真面目も納得をしたように頷いたのだった。


「それではすみません。 来週からよろしくお願い致します。」


 そうして頭を下げて真面目は生徒会室を出て、それならばと日本舞踊クラブの部屋に行こうと思ったのだが、なぜか身体が重たくなってきている。


「・・・あれ・・・? なんだろう? 身体が・・・」


 それから真面目は部活に行こうとはせずに、そのまま家に帰ろうとするも何故か足がうまく進まない。


「・・・本当にどうしたんだろ? 僕。」


 真面目はそれでも足を何とかして家へと足を運ぶまでには至った。


「・・・どうしたんだろ? 急に身体が動かなくなって・・・」


 部屋に戻った後に真面目は部屋着に着替えることもなく、その場で突っ伏してしまったのだった。


「・・・・・・ん?」


 真面目が目を覚ますと既に外は暗くなっていたにも関わらず、真面目の身体のダルさは残っていた。


「・・・なんだろう? この気分の悪さは・・・」


 頑張って立とうとしても全く力が入らない真面目。 どうしようもないと思いつつも、階段を下りていく。


「大丈夫? 真面目。」

「・・・あんまり良くはない・・・どうしたんだろ?」

「あんた、もしかして自分が何が起きてるか分からない感じ?」


 壱与の言葉に真面目は意味が分からなかった。 その様子に壱与も珍しく頭を抱えた。


「まあいいわ。 あんた明日は部屋で休んでなさい。 それがあんたのためだから。」

「それは構わないけど、勉強もしないと・・・」

「その状態でやっても無意味よ。 とにかく休みなさい。 週末でとりあえず治せればいいんだから。 ご飯はこれね。」


 そう言って出されたのはお茶漬けだった。 確かに今の真面目は食欲が無かったので、丁度良いと言えば丁度良いのかもしれない。


 真面目はその後も結局なににも力が入らなくなってしまって、真面目はそのダルさに身体を任せていたら、いつの間にか眠りについていたのだった。


 ―――――――――――――


 真面目が眠りについた少し後に、壱与と進が真面目の部屋に入る。 既に眠っている真面目の姿を見ながら、壱与は真面目の身体を身体を拭いていった。


「全く、自分の事になるとてんでないがしろにするんだから。」

「昔から自分の事よりも他人の事を気にする子だったからね。 誰に似たのやら。」


 身体を拭き終えた壱与は真面目の額に冷えピタを貼って、眠っている真面目の姿を見るのだった。


「自分の息子が娘になるなんて、いつから想像したかしら?」

「少なくともこの5年では思わなかっただろうね。」


 2人は自分の子供を見た後に、部屋を静かに後にして、ゆっくりと夜を過ごすことにしたのだった。

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