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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 低殺傷兵器  作者: 橋本 直
第十二章 節分恒例の時代行列

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第61話 嵯峨の差し金と言う奴

「実は……『駄目人間』から言われててな。今回の件。誰か志願する奴がいれば捜査に当たらせてやれってよー。まあうちが機能しなくなるといけねえから、第一小隊か第二小隊のどちらかって言う話になるんだが……日野の奴に経験を積ませるのにいい機会かと思ったが今回も第一小隊で対応してもらおーか」 


 器用に紐を解いていく小さなランの姿を見ながらアメリアが少しだけ目を潤ませていた。


「ランちゃん……」 


 アメリアはランの英断に対して感動に打ち震えながらそう言った。


「『駄目人間』のいつもの悪だくみだ。それと今アタシのことを抱きしめてみろ……ぶっとばすからな」 


 そう言われるとアメリアはがっくりとうつむいてしまった。それを見ながら黙々と作業を続けてワイシャツに袖を通しているかなめが大きくうなずいていた。


「まあ叔父貴だからな……裏で何を考えているのやら……まあアタシも今度の事件を起こした馬鹿野郎には着物代を弁償してもらわないといけねえからな。払えねえなら姐御じゃねえが指の一本でも詰めてもらう」


 かなめはいかにも面白いことに関われることが楽しくてたまらないというようにそう言って笑った。


「かなめちゃんも手伝ってくれるの?」


 アメリアは目を潤ませて手を合わせる。かなめは思わず引き気味にうなずくとそのまま無視してランに目を向けた。


「で、現在の豊川署の捜査担当の部署は?」 


 一人、冷静なカウラはランに現状を確認した。


「あそこは捜査二課だそうだ。しかも専従捜査官はいねーそうだ……危機感があるのかねーのか……当日は相当な騒ぎだったみてーじゃねーか?そのくせ専従捜査員はゼロ。矛盾だらけだな」 


 ランは顔を上げてかなめ達を満足げに見上げた。そしてカウラの右足の足袋を脱がせると今度は左足に取り掛かった。そしてそんなランの言葉に予想通りだというようにかなめは口笛で応じた。


「大山鳴動して軽犯罪ですか……まああれから連続して小火騒ぎがあれば本庁から捜査官でも派遣されるんでしょうが……そうなるには同じような事件があと十件は起きないと無理ですよね。怪我人の出ていない法術の違法発動だけならいつもそんな感じですから」 


 誠も胴丸や上半身の小手などを自分でとって足袋を脱ぎ始める。その様子を確認するとランはそのままカウラの左足の足袋を脱がせた。


「まあそんなところだ。危機感が足りねーんだろうな。この前の厚生局事件の時はあれほど大騒ぎしたのに被害が小さければなかったことにする。まったくお役所仕事って奴さ」 


 ランは諦め半分にそう言うと全員の顔を見まわした。


「それを言うならアタシ等もお役所じゃん」 


 かなめは得意げに揚げ足を取って見せた。


「くだらねーことやってねーで早く着替えろ!」 


 ランの言葉に舌を出すとかなめはすばやく鎧の胴を元の箱に戻した。


「でもさっきの派遣任務の話は本当と受け取っていいんですよね」 


 アメリアは念を押すようにランに向けてそう言った。


「当たりめーだろ?くだらねーこと言ってねーで着替えろ!」 


 ランの怒鳴り声に一斉に隊員達は着ている鎧を脱ぎ始める。誠も自分の胴丸の背中に手を伸ばしながらこれからの任務に緊張の気持ちを隠すことが出来ずに引きつった表情を浮かべながら結び目の紐を捜した。



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