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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 低殺傷兵器  作者: 橋本 直
第四十二章 助けられた先は地獄

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第173話 追跡者の影

『おじさんストップ!』 


 頭の中でまたクリタ少年の声が響いた。驚いて壁に張り付き息を整えた。


『来たよ。ぴったりさっきおじさんがいた場所だ。逃げた分だけ遠くなったよね。あの人斬りとコンビを組んでる法術師は切れ者だ。当然の話かな。なんと言っても地球人類の敵の『廃帝』の手先なんだから』


 少年の言葉はどこまでも他人事だった。 


「責任を取れよ……貴様らに協力するんだから……ちゃんと助けろよ……」


 運動不足の水島には恐怖と戦いながら廃墟を巡るのは酷な作業だった。百メートルも移動していないというのに心臓は激しく波打って息もかなり上がってきていた。


 少年の満足そうな笑みが頭の中に浮かんだ。 


『まあ、できるだけのことはするつもりだよ。もっともおじさんがなかなか決断してくれないからできることは限られているかもしれないけどね』 


 焼け石に水と言うような調子の言葉を最後に頭の中から少年の気配が消えた。水島はその時になって初めて自分が本当の意味で孤独であることに気づいた。


 所詮、自分はアメリカの人体実験の材料に過ぎない。あの斬殺魔に水島が殺されたところで少年は多少の同情はするだろうがその程度で終わりだろう。


「誰も頼りにならないのか……この世の中なんてそんなものなのか」


 水島はそんな独り言を口にしながらどこに向かうべきか途方に暮れていた。



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