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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 低殺傷兵器  作者: 橋本 直
第四十一章 すべては遅かったということ

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第171話 結局は人斬りなのか

「例の志村三郎を斬った人斬りかどうかは分からないが、警官相手に冷静に刀を振えるそういうことに慣れた人物だ。それに大男の仕業かどうかは別として干渉空間を展開できるだけの法術師が動いている。ターゲットが留守だと言うのに行われた騒ぎだとしたらとてつもない馬鹿だったと言うことだが……そんな馬鹿が今まで警察の捜査網に引っかからないで闊歩しているとは考えにくいな」 


 カウラの推察にアメリアは同感というようにうなずいた。


「恐らく水島とは顔を合わせたが逃げられた……斬殺魔以外にも水島さんとやらに接触している勢力があるわけね……しかも恐らくこちらも干渉空間を展開できる手練れ付き。厄介なことになりそうじゃないの……いっそのこと出直す?」 


 そう言うとアメリアはそのまま助手席の扉を開けてカウラの『スカイラインGTR』の後ろに回りこんだ。カウラはそれを見てトランクの鍵を開ける。開いたトランクに上半身を突っ込んだアメリアはそのまま鮮やかなオレンジ色に染められたショットガンを取り出した。そしてそのまま車中にショットガンを突き出してきた。夕闇の中、あまり車の通りの多くない大通りの中央で銃の受け渡しをしている姿は極めて目立つものだった。誠がなんとか銃を受け取りながら周りを見るといつの間にか何人かの通行人が珍しそうに歩道で立ち止まっているのが見える。アメリアが東都警察の制服を着ていなかったら通報されていたかもしれない。


「かなめちゃん。ラーナちゃんに連絡つく?」 


 アメリアは何か思いついたように用具入れで留守番をしているラーナの事をカウラに話した。


「例の警邏隊に仕掛けたアストラルセンサーか?頼りになるかねえ」 


 かなめはアメリアの思い付きを先回りして否定して見せた。


「他に手段が無い。西園寺、ここで終わりと言うわけでは無いんだ。そのことだけは覚えておけ」 


 渋るかなめを一瞥した後、アメリアから銃を受け取ってそのままダッシュボードを開けた。中にはオレンジ色の紙箱が入っていた。カウラはそれを躊躇無く開け、中から取り出した低殺傷性弾薬を薬室に装填した。


「誠ちゃんも」 


 助手席に戻ったアメリアから低殺傷弾薬を受け取った誠もまねをして初弾を装填した。かなめも同じく銃を手にしてにんまりと笑いながら弾を込め始めた。


「どこまで干渉空間を使っての転移ができるかはわからないが……突然の襲撃を受けてとなればそう遠くには飛べないはずだ。上手くいけば警邏隊のアストラルゲージに動きが見れるはずだ」 


 カウラは今回の襲撃が水島を跳ばした勢力の予想していたものでは無いと考えているようだった。


「あくまで希望的な推測だと言うわけね。こんなところで例の機械しかあてにならないとは……情けなくなってくるわね」 


 カウラの推測を聞くとアメリアは自分の銃を手にして初弾を装填した。


「人事を尽くしたんだから後は天命を待ちましょう」 


 アメリアの言葉に誠達は大きくうなずいた。



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