表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 低殺傷兵器  作者: 橋本 直
第二十八章 上手く行かない調査

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/203

第127話 『駄目人間』の思惑

「でも……外したら隊長がこのメンツで東都警察に私達を出向させた意味が分からなくなるじゃない。私としても誠ちゃんが外れた方がいいと思うけど……隊長の意向もあるしね」 


 出向を提案した張本人であるアメリアにはその程度の自覚は有った。


「叔父貴の都合か……そうだけどな」 


 アメリアのフォローにもただかなめの表情は曇るだけだった。誠の能力は干渉空間展開と領域把握能力の二種が確認されていた。干渉空間を展開し、その中の存在を有る程度意のままに操れる。それは先日の死者を出した事件を見ればかなり危険な能力だった。そして領域把握能力をハッキングして他の隊員の意思を読み取られてしまえば逮捕どころの話ではなくなる。


「今の神前に必要なのは自分の力を使いこなすこと。そしてアタシ等が試されてるのは法術師を使いこなせってことか……相手が誰でも……そう言いてえのは分かるんだけどさ」 


 再びかなめがこめかみの辺りの長い髪を掻きあげた。沈黙がその場を支配した。


「でもアタシも法術師っすけど?」 


 ラーナは相変わらずモニターから目を離さずにそうつぶやいた。思い出したようなかなめの表情。そしてアメリアがうれしそうにうなずいた。


「かなめちゃん。ラーナちゃんも捜査から外すつもり?」


 アメリアはかなめに向けて肝心の人物を外してどうするんだと責めるようにそう言った。 


「こいつは慣れてるから良いんだよ!」


 かなめはやけになってそう反論した。 


「慣れてるって……この種の法術師が発見されたケースはほとんどねえっすけど。アタシの力も乗っ取られるかもしれないっすよ。まあ、アタシにはそうならない自信はあるっすけど」 


 そんなラーナの言葉にかなめはさすがに頭に来たようで手を上げかけたものの静かに右の握りこぶしを静かに下ろした。


「ああ、ようやく我慢を覚えたか」 


 カウラは静かにそう言うと再び画面に目をやった。


「うるせえよ」 


 カウラに茶化されてかなめは苦笑いを浮かべていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ