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一度死んだ男は転生し、名門一族を追放された落ちこぼれの少年と共存する 〜俺はこいつが目覚める時まで守り抜くと決意する〜  作者: 白黒キリン
第2章 異世界の男は鎮圧する

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第22話

「何を言っている……?」


 玄坐(げんざ)秋臣(あきおみ)の言葉を聞いて愕然としている。


 そんなに受け入れがたい事か?


 秋臣(あきおみ)は……、気力を使い果たしたみたいで奥底でぐったりとしている。


 玄坐(げんざ)に言った事への後悔は感じないから、このまま俺が秋臣(あきおみ)の意思を引き継ぐとしよう。


「き、貴様は何を言っている⁉︎ 鶴見(つるみ)家を最強にできるのだぞ‼︎ 責務を果たせ‼︎」

「僕はあなたに鶴見(つるみ)家を追放されたんです。それなのに今さら、戻ってこいとか責務を果たせとか言われても困りますよ」

「ふざけるな‼︎ 鶴見(つるみ)家は、これまでもこれからも最強でなければならんのだ‼︎ 鶴見(つるみ)を名乗るなら、その義務を果たせ‼︎」


 鶴見(つるみ)の名前を持つ義務ね……。


 俺は、俺の考えている事を秋臣(あきおみ)に伝えてみた。


 その結果、秋臣(あきおみ)からは俺の好きにして良いという返事があったので、この考えをまとめてから玄坐(げんざ)に宣言する。


「それなら僕には鶴見(つるみ)の名は必要ありません」

「な⁉︎」

流々原(るるはら)先生」

「何かしら?」

「名前のせいで起こるこういう騒ぎを防ぐため自分の苗字を変える事は可能ですか?」

「…………私は、そういう方面の知識は少ないけれど、明らかに生活に支障が出てるなら申請しても問題ないはずよ。証人がいるなら私がなるわ」

「ありがとうございます」

「俺を無視するな‼︎」

「大人しくしろ‼︎」


 玄坐(げんざ)が自分を組み伏せるものから逃れようともがいてるけど、玄坐(げんざ)の相手をしている警備員達はこれ以上自分達の職場でもある学園の敷地内で騒がれてたまるかと言わんばかりに全力で抑え込んでいる。


 そんな玄坐(げんざ)をチラッと見た流々原(るるはら)先生は、警備員達に任せておけば大丈夫と判断したらしく改めて俺の方を向いた。


「でも、その前に一度学園長や学園上層部に相談しましょう」

「わかりました。そうします」

「一応言っておくわよ。鶴見(つるみ)君は驚異的な戦闘能力はあっても子供なのだから一人で抱え込まないようにね」

「……気をつけます」

「ちょっと間は気になるけれど素直でよろしい」

『夜になりなさい』

流々原(るるはら)先生、何か言いまし……は?」


 俺が流々原(るるはら)先生と話していたらボソッと誰かの声を耳にしたため、流々原(るるはら)先生へ確認を取ろうした時には景色が夜になっていた。


 そしてあまりの状況変化に周りを見回していると、(りん) 麗華(れいか)、生徒会連中、流々原(るるはら)先生、警備員達がビシッと姿勢を正しているのに気づく。


「あの……みなさん、どうしたんですか?」

鶴見(つるみ)君、今は静かにしてて、あとシスティーゾ君もよ」

「よくわかりませんが、わかりました」

「……フン」


 (りん) 麗華(れいか)が俺とシスティーゾへものすごく真剣な表情で言ってきたため、俺とシスティーゾは顔を見合わせてから了承した。


 誰も言葉を発しない中で、この状況でどうするのか観察していると龍造寺(りゅうぞうじ)が代表となるためなのか一歩前に出る。


「お久しぶりです、学園長」

『ええ、久しぶりね。(たける)

「きょ、今日はどうされたのですか?」


 へえ、夜の景色のどこかから聞こえてくる声に、俺から見ても規格外の龍造寺(りゅうぞうじ)が緊張している。


 秋臣(あきおみ)から驚きの感情が伝わってくるから、学園長の存在を感じたのは初めてみたいだな。


 なるほど、吾郷学園七不思議の一番目、誰も見た事のない学園長ね。


 …………ちょっと待て、この学園にはそんなわけのわからないものが他に六つもあるのか?


『この騒動の発端になった鶴見(つるみ)君に聞きたい事があるのよ』


 学園長の目的が秋臣(あきおみ)だとわかると、秋臣(あきおみ)は奥底で魂をビクッと震わせ全員の視線が俺に集中した。


 奥底で秋臣(あきおみ)がワタワタしているのを感じるので、とにかく落ち着けと言い聞かせる。


 …………これは、いろんな意味で俺が答えないと話が進まないな。


「ええと、学園長、初めまして。器物級(マテリアル)鶴見(つるみ) 秋臣(あきおみ)と言います。この度は、その、騒動を起こしてしまい申し訳ありません」

『うふふ、私は吾郷(ごきょう)学園の学園長、黒鳥夜(くろとや) 綺寂(きじゃく)よ。気軽にきーちゃんって呼んでね』

「は……?」


 クソッ、上位者らしくない妙に友好的な奴か。


 前の世界でも、こういう奴は扱いに困ったぞ。


 最底辺の傭兵と肩を組んで酒を飲もうとする上位貴族とか面倒この上なかった。


 これは次のやり取りで俺が苦労するかどうか決まる。


 考えろ‼︎


 しくじるな‼︎


「それで学園長、僕に聞きたい事とは何ですか?」

『きーちゃんって呼んでくれないのかしら?』

「学、園、長、僕は何を答えれば良いんですか?」

『あらあら』


 く……、明らかに喜んでいる。


 バッサリと拒絶されるのをおもしろいと感じる奴だったのか⁉︎


 対応を失敗した……。


鶴見(つるみ)君、あなた、おもしろいわね。だけど、その前に、夜に沈みなさい』


 学園長の声色が冷え切ったものに変わると叫び声が聞こえた。


 声の主は玄坐(げんざ)達だ。


 玄坐(げんざ)達が夜の暗い空間にズブズブと飲み込まれていく。


『あなた達には、この学園で騒ぎを起こした事を後悔してもらうわ。心の底からね』


 …………この能力は何なんだ?


 明るい時間帯だったのを夜に変え十人以上へ同時に空間干渉をするなんて、精霊級(エレメンタル)だったとしても能力の規模が桁外れすぎるぞ。


 それに、これだけの事を起こしても消耗した様子がない……。


『さてと、それじゃあ鶴見(つるみ)君との話の続きといきましょう』

最後まで読んでいただきありがとうございます。


注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。


また「面白かった!」、「続きが気になる、読みたい!」、「今後どうなるのっ……!」と思ったら後書きの下の方にある入力欄からの感想・★★★★★評価・イチオシレビューもお待ちしています。

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