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一度死んだ男は転生し、名門一族を追放された落ちこぼれの少年と共存する 〜俺はこいつが目覚める時まで守り抜くと決意する〜  作者: 白黒キリン
第2章 異世界の男は鎮圧する

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第3話

「「「「「…………」」」」」


 突然の事態に俺は驚いて絶句していたが、同じ生徒会であるはずの龍造寺(りゅうぞうじ)達も、斗々皿(ととさら)が殴り飛ばされたのを見て唖然としていた。


 さすがに殴り飛ばして窓から落とすという行為が、日常化しているわけではなくて内心でホッと息を吐く。


奈綱(なづな)ちゃーん、これはひどいんじゃないの?」


 自力で登ってきたらしい斗々皿(ととさら)が窓枠に腰掛け、自分を殴り飛ばしたものを鋭い視線で見ている。


 …………チッ、あの気持ち悪い感じが離れているのに伝わってくるが、斗々皿(ととさら)を殴った相手は斗々皿(ととさら)の気持ち悪い気配で俺以上にイラついていた。


斗々皿(ととさら)、私は前から言っていたぞ。私がいる場所でそれをするなと」

「あっはっは、俺が奈綱(なづな)ちゃんの命令に従うと思ってるなら哀れとしか言えないよ?」

「貴様……、私を愚弄する気か?」

「うーん、どうだろうね? 奈綱(なづな)ちゃんが気にするならそうなんじゃない?」

「ははは……、上等だ。殴り殺してやる」

「あれあれ? やる気になっちゃった? そっかー、それなら俺もやろうかな」


 どういうわけか斗々皿(ととさら)と、生徒会第一書記の奈綱(なづな) 羅魏(らぎ)が構えた。


 合う合わないは人間関係で当然出てくる問題だが、ほぼほぼ全力で相手を倒そうとするのは異常だぞ。


「二人とも、そこまでにしてくれ」


 斗々皿(ととさら)奈綱(なづな)の充満していた戦意が、龍造寺(りゅうぞうじ)の一言で霧散し二人は何事もなかったかのように元の位置に戻る。


 ほお、生徒会という組織の長になるだけの実力があるわけか。


鶴見(つるみ)君、話の腰を追ってしまったね。すまない」

「いえ、僕も突然動いてすみませんでした」

「よし、それじゃあ、説明を再開しても良いかな?」

「はい、お願いします」

「わかった。斗々皿(ととさら)、余計な事はせずに、きちんとした説明を頼むよ」

「はいはいと。鶴君、こっちへ座って」


 斗々皿(ととさら)がソファを軽く叩き俺に座るよう言ってきたので、俺は木刀を消しソファへ戻る。


◆◆◆◆◆


 その後は、さすがにまずいと思ったのか斗々皿(ととさら)は不快な干渉をしてこず、淡々と書類の説明を進めていく。


 これができるなら始めからしろって感じだな。


 俺は斗々皿(ととさら)の狙いがわからず悩んでいると、斗々皿(ととさら)が何か言いたげに俺を見ていた。


「…………」

「何か?」

「鶴君、俺達はまだ未成年だから、お金に関わる事は親の了承がいるんだ。連絡は取れそうかな?」


 斗々皿(ととさら)が親という単語を言ったら俺の身体の奥底がズキンと痛み、苦い感情がブワッと膨れ上がってくる。


 これは俺の痛みじゃなくて秋臣(あきおみ)の痛みで、感情の乱れも秋臣(あきおみ)のものだ。


 秋臣(あきおみ)、頼りないかもしれないが俺がいるから落ち着け。


 奥底で眠りながらも乱れる秋臣(あきおみ)に呼びかけて鎮めつつ、斗々皿(ととさら)に聞く。


「その了承は絶対にいるんですか?」

「そうだね」

「……そうですか。それなら報酬は辞退します」

「え?」

「あの人達とは縁が切れているので、僕からあの人達へ連絡を入れるのは不可能です」

最後まで読んでいただきありがとうございます。


注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。


また「面白かった!」、「続きが気になる、読みたい!」、「今後どうなるのっ……!」と思ったら後書きの下の方にある入力欄からの感想・★★★★★評価・イチオシレビューもお待ちしています。

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[一言] 「鶴君、俺達はまだ未成年だから、お金に関わる事は親の了承がいるんだ。連絡は取れそうかな?」 変な所に親が出て来ますね。人に急に殴りかかってきたり、毒を与えようとする許可も考えないと、暴力に…
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