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ご利用は計画的に。

おいしい料理に舌鼓中です。

なんて幸せだろうとそう逃避してたら終にデザートが来てしまいました。


「すごい・・・このチョコアイス、中のオレンジリキュールムースと相性がもうたまんない」


「お前もっとさ、普通においしいって言えよ」


そう言いながらもまんざらじゃないという笑みを浮かべる男に私は悔しさ一杯です。

こんなにおいしい料理を食べさせてくれるなんて、なんて食べ物じゃつられないからね、好敵手。


「おいしいです。」


「そっ・・ほらこれ好きだろう?」


そう言って差し出されるアーモンドクッキー。

いや好きですが、マナー違反ですよ好敵手、そう思いながらもつい受け取ってしまった。


「あり・・がと」


「おう・・・・あとお前気づいてないだろう?」


「何が?」


まさか・・・このデザートの中に何かが!?王道かっ!

そうビクビクして料理を見つめれば、幼馴染は呆れた風に大きくため息を吐いた。


「横・・・お前の座ってない方の椅子・・・」


そう指示されて私は持っていたナイフとフォークを置いて視線を横にずらした。

私の視線は自分が置いた鞄の奥、小さな箱を見つけた。


「っ!これ何?」


「なんだろうな?」


そっと手を伸ばしてそれを持ち上げれば思ったよりも重かった。

あぁ、本気ですね好敵手そしてニヤリと笑うな。ちょっと真面目に引いてますよ、そっとテーブルに置くとまるでなぜ開けないという顔をするので私は再び食事に戻った。


「おい」


「食べてから・・」


そうなんでもうまくいかせないわよ、そう思いながら中身が気になるのは私も一緒だ。さっきまでの感動満載のデザートが霞むほどの攻撃だ。


「そこはあけるだろ?普通。」


「アイス溶ける。それに後での方がいいもん」


「意味わかんねぇ・・」


そう不満げに料理を食べる幼馴染は、子供のようにケーキとアイスを一緒に口に運んだ。


「こら、もっと味わって」


「味わった」


もぐもぐと口を動かす。さてコース料理っておかわりってできたかしら・・・。このデザートを食べ終えてしまったらこの箱を開けなくてはならなくなりそうですよ。

コース料理におかわりがあるのは飲み物だけだ。

あと5口・・4・・3・・・。

最後の一口を終えてちょっときどってナプキンで口元を押さえればもう、期待度MAXの顔をした好敵手が私を見ていた。


「わかったから・・・」


箱に手を伸ばしその思ったよりも重い箱を掌にのせる。

これを思いと感じるのは目の前の男の気持ちが詰まってるからかしら・・・。


「それ、結構悩んだ・・・」


知ってる、女の子の装飾品なんて今まで意識して見てなかったのだろう。


「そう、じゃあ開けるね」


包み紙を開けると中から如何にもなベルベットの生地が見えてその箱をそっと取り出す。

これがパンドラの箱だわ・・・そう思いながら私は指に力を入れ箱を開けた。






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