私が悪いわけじゃない!
はじめまして、月のしずくです。初投稿作品となりますので、文章の拙さやいろいろと言葉遣いもおかしなところがあると思いますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
青空はどこまでも澄み渡り、白い雲が空高く上がるその日。
日本人なら馴染みのある、桜が世界を彩る4月の最初の土曜日。
「なぁ、・・・付き合わないか?」
そうあいつは言った。
「いいよ、行こうか?花見。」
私がそう返したのけして鈍いからじゃない。
今年もなのだと思ったからだ、毎年、母校の裏にある桜並木を思い立ったその日に空いている人間たちと一緒に歩きながら、近くのコンビニで買ったお菓子を片手に花見をする。
「・・・おう・・・・いや」
「なに?ほら、早く行くよ。今日の気分はアイス!」
歩き出した後に何か言おうとしたあいつの事を振り返らなかったのは、なぜだろう。
そしてその日は、くだらない話をアイス片手に桜をみながら話して別れた。
ここまでの話を友人にした、気になったのだ。
「つきあわないか・・って、もう少し言葉選べだよね」
「あんたねぇ・・・ほんと鈍い」
なぜ私が責められる。
さて、説明しよう。私こと月山 梨桜は現在19歳。大学2年の女子大生だ。
私にいきなり「付き合わないか」っと言ったのは、3歳からの腐れ縁である高西 孝之現在19歳。某医大に通う同じく2年生だ。
3歳からの腐れ縁と言ったが本当にひどい腐れ縁である。保育園から中学校までならただの幼馴染だが、通う習い事まで同じだとなると話が違う。ピアノ、華道、剣道、書道と今まで通って来た習い事の半分以上はこいつと一緒なのだ。
小学校に上がってすぐに同じマンションに引っ越してきた私がいけないのだろうが、家から近い習い事を選ぶから教室が同じになり、同じ学年だからこそ比べられ競わされた。
高校は、私が地元でもそれなりに有名な女子高に通ったことで別れたがそれでも習い事で顔を合わせない日が無いのだ。
ただお互いに習い事も通わなくなって久しいあの日、久しぶりに会ったあの男が少しだけ変わったように見えた。それがなにかわからないが、それでも少しだけ気になった。
ここまででわかったと思うが、私とあいつは、『ライバル』という関係が十数年以上続く相手なのだ。
子供自分に親から言われ続けた『孝之くんは、どうなの?』と比べられ続ければ嫌でも好敵手だ。そう簡単にカテゴリーは変化しない。
「だから・・・・あいつは私のラ・イ・バ・ル。あいつの目に私が女に映ることはないって」
そう説明続けて20分。
「あんたは天然だ。」
そう結論づける友人に私は叫んだ。
「天然ってなんでっ!私が悪いんじゃないんだから!」




