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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第三章 千佳ちゃんファンクラブ、襲来。(小学三年生)
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柚梨ちゃん事変

 私の学校は女子と男子が半々くらいの人数になっており、従ってクラスも同じような割合になっています。

 そして私のクラスでは、ファンクラブのせいもあり男子の居場所は精神的に狭くなっており、女子たちはまるでボディーガードのように私と男子の間に壁を作ります。

 これはフリーキックも入らなさそうです。


「では、こちらの問題を解ける人はいますか?」


 そんな女の子たちは、授業中も戦場です。


「はい!」

「はーい!」

「はいはいはい!」

「うちを当てて!」

「はいっ!」


 競うように手を挙げて、同時に声も上げてアピールしています。

 その目はギラギラと輝いており、まさに獣を狩る目と言えるでしょう。


「じゃあ、長嶺さんどうぞ」

「やたっ! えっと、二百三です!」

「正解です。長嶺さんに一千佳ポイント贈呈します!」

「やったー!」

「いいなぁ」

「次は私が当たるんだから!」


 そう、この学校内で設けられたこの制度こそが全ての元凶なのです。

 その名も、千佳ポイント制度。


 ――学校内での行動や姿勢によって、先生から千佳ポイントを貰うことができる。

 そして貰ったポイントは、私の知らない内に制作された千佳プロマイドや私のアイデアから生まれた千佳ちゃんとツーショット券、そしてメグちゃん考案のナデナデ券などに交換することができるみたいです。

 この制度が生まれてから、学校内の女子たちは肉食獣のように善行を喰らい尽くし、授業では男子の指名率が低下する事態へと発展しました。

 因みに、男子が手と声をあげて主張しようものなら、クラス中の女子からの眼光が降り注ぐことになります。


「それでは次の問題に移りますね、それでは千佳ちゃんお願いします」

「あの、それやめません?」

「何をですか?」

「新しい種類の問題になったとき、とりあえず私に説明させることです」


 教えるのは教師の役目じゃないですか!

 どうして私の案に首を傾げているのですか!?


「えっと、駄目でしょうか?」

「……駄目です」

「でも」

「駄目です」

「千佳ちゃ」

「駄目です」

「ち」

「駄目です」

「……ぐすっ」

「あ~あ~、千佳ちゃんが泣かしてもうたな~」

「私が悪いの!? ああもうっ、泣かないでください九重先生!」


 私の頑な拒否に、何故か大の大人の九重先生が泣いてしまいました。

 クラス中のどうにかしろよという視線が私へと降り注ぎます。

 何故か、私がこういったピンチに陥ってもファンクラブの子たちは助けてくれません。

 消しゴムを落としたときは、床に着く前にキャッチして手渡ししてくれるのに……。


「ぐすっ、すみません千佳ちゃん。私、先生ですのに」

「いえ。大人だって泣いてもいいと思いますよ」

「千佳ちゃんっ!」

「うわっ!? 急に抱きつかないでください九重先生!」

「待ちや先生、それ以上は会則違反や」


 抱きついてきた先生でしたが、瞬く間にファンクラブの子たちに抑え付けられました。

 どうやら私に過度なスキンシップは駄目なそうです。

 親密な湖月ちゃんたちは問題ないそうですが。


「ううっ、千佳ちゃぁん」

「あかん。先生が幼児化しとる」

「もう滅茶苦茶だよ……。皆離してあげて」


 私の命令には迅速に対応するファンクラブ。

 ここは軍隊か何か?


「ほら九重先生。抱きついてもいいから」

「ほんとっ!?」


 声を同時に飛びついてくる先生を必死に受け止めます。

 どうやらファンクラブの子たち数名が私の背中に回って、こけないようにサポートしてくれたみたい。

 後でポイントを上げるように言っておこう。


「大丈夫だからね、九重先生」

「……やー」

「んー? 何がやーなの?」

「九重先生じゃなくて、柚梨(ゆずり)ちゃんがいいです」

「分かった、柚梨ちゃん」

「はうわっ! ふふ、何だか心がぽかぽかしますね。お母さんみたいです」

「うん、柚梨ちゃん。絶対元に戻ってるよね」


 演技だったのか、それとも一過性のものだったのかは定かではありませんが九重先生、いえ柚梨ちゃんの幼児化は無事に治ったようです。

 いいからここ、……柚梨ちゃん仕事して。


「えへへ、ここの問題はですね」


 夢見心地で授業しないで、柚梨ちゃん。

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