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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
第一章 転生少女とカリスマ開花。(小学一年生)
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第19話 子は眠り、ママ友は仲を深める。

花ちゃんママ(咲)視点です。

これは千佳たちが眠った後、静かに動き出すおもちゃたちの……

否、保護者たちのママ友談義である。


「ここに千佳たちを収めたアルバムがあります」

「言い値で買いましょう」

「おいこら」


嬉しそうに自分の娘である千佳と恵、そして私の娘である花の写真が入った分厚いアルバムを持ってくる美佳(みか)

スマートフォンも満足に使えない機械音痴の彼女は、今もこうしてアナログの写真で思い出をまとめている。

それを見てすかさず財布を取り出した新しい友人、室崎ことねにチョップを入れた私は溜め息を吐いてからコーヒーを飲む。


「駄目よ、ことねさん。これはプライスレスなの!」

「コピーで、コピーでいいですから! それなら問題ないでしょう!?」


どの辺りが問題ないと思ってるんだ?

というか自分の欲望に忠実すぎるだろこいつ、最初の挨拶で見せた優雅な姿はどこにいった。


「なんでそんなに欲しいんだか」

「まさか、千草さんは千佳さんの写真が欲しいと思わないのですか?」

「いや、それ以前に持ってるしな」


そもそもアルバムに入ってる写真は私のノートパソコンから印刷したものだ。


「……ズルいです」

「花が映ってる写真にはほとんど千佳か恵が一緒にいるからな。ちなみにスマホとパソコンの壁紙も娘たちだぞ」


そう告げて少し前に撮った三人が笑ってる写真を見せる。

自分の娘が一番可愛いとは思うけど、千佳も恵も本当に可愛いんだよな。


(さく)ったら、皆を撮るためにすごく高いカメラを買ったのよ。親馬鹿よね」

「お前にだけは言われたくない。というかカメラのカタログ持ってきたの美佳だからな?」

「へえ、そんなに昔からの付き合いなのですね」


美佳とは高校からの腐れ縁だからな、こうして隣同士の家に住むくらいには仲良しなんだろう。

そして初めてカメラを買ったのは確か……。


「千佳が生まれる時だったな。機械音痴で使いこなせない癖に写真が撮りたいとか言い始めて、結局私が買うことになったんだ」

「懐かしいわ。でも私だってカメラくらい使えるわよ?」


えっへんと胸を張って宣言しているが、いやだからスマートフォンで写真も撮れないだろうに。

それを伝えると、ことねは少し目を丸くさせていた。


「そこまで機械音痴な人は初めてみますね……えっと、私もコスプレの趣味からカメラは幾つか使ってますよ。また今度見に来ませんか? 千佳さんも連れて」

「絶対最後のやつが目当てだろお前。一回警察のお世話になっておくか?」

「私は悪くありません。千佳さんの美貌が悪いんです」


こいつ、悪気一つなく小学生に罪をなすりつけやがった……!


「ことねさんが千佳のことを褒めてくれると嬉しいわね〜。コスプレする時は恵もお願いできるかしら?」

「ええ、勿論です。恵さんも花さんもまた違った魅力があって、妄想が止まりませんから」


こいつ親の前で堂々と変態発言しすぎじゃないか?

いや、でもこれくらいは千佳も言ってるか……。


「衣装を作っておきますので、採寸してデータを送ってください。連絡先を追加させてもらっても?」


皆が使っているSNSアプリを起動して、連絡先を交換する。

もしもの為のママ友連絡網も兼ねて電話番号も伝えておいた。

なお、美佳は携帯を持って首を傾げていたので、代わりに私がやっておく。


「ありがとう咲! 簡単にやっちゃうなんて、天才ね」

「お前が馬鹿すぎるだけだぞ」


普通のことを大袈裟に褒められると何だかむず痒いな。

だけどまあ……


「……頼られるのは嫌いじゃない、そんな顔をしていますね」

「ぶっ飛ばすぞことね」

「照れている姿も可愛いですよ、千草さん」


今日がまともに言葉を交わした初めての日だと言うのに、彼女は十年来の友人かのごとくからかってくる。

軽口を叩き合えるような関係になれるとは、美佳に会う前なら考えもしなかったな。


「咲でいいぞ。私は既に名前で呼んでるしな」

「分かりました、咲さん。親同士、そしてカメラ好き同士、これからよろしくお願いしますね」

「うふふ、咲に新しい友達ができて良かったわ。この子ったら高校生の時からずっと一人なんだから」


それから話題は互いの昔話へ。

私と美佳が出会った日のことや、隣の家へと私のわがままで引っ越してきたこと……いやそれは言わなくていい、その口を閉じなさい。

そうして談笑をしていると、リビングから声が聞こえた。


「むむぅ……あれ、寝てた……?」


妹たちと新しくできた友人に抱きつかれるようにして、ソファで眠っていた千佳が目を覚ます。

身動きの取れない自分の状況を見て、彼女はにへらと笑った後に私たちの方へと顔を向けた。


「ここは天国ですか?」

「すごい寝惚け方だな、千佳」


花たちに囲まれて起きることなんて毎日のことだろうに。


「平凡な日常こそ、幸せを噛み締めていたい」

「相変わらず子供らしくねえ女の子だな、お前は」


私はやれやれと溜め息を零しているが、美佳とことねは何やら恍惚な表情をしている。


「うふふ。あの子、私の子供なんですよ……!」

「流石は千佳さん……この目に狂いはありませんでした」


……もうやだ、こいつら。

私はまた一つ大きな吐息を零して、残ったコーヒーへと口づけるのだった。


【ひとこと説明】

千草咲 現在:30歳

千草家の母であり、趣味のカメラでよく両家族の写真を撮っている。

当初は親友である千佳の母親、美佳にお願いされて始めたが……

今となっては色々なレンズを買い揃えたりするほどにカメラにハマっていた。


次回は千佳ちゃん視点にもどります。

本日、2回目の更新です。

前話は登場人物の設定紹介ですが、興味がある方は読んで見てくださいませ!

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