第12話 魔性の美少女、扉を開く
リメイク前のノリも嫌いじゃない。
リメイク後の地の文多めも嫌いじゃない。
頑張って前と今のいい所を取れるように試行錯誤してます。
気になった部分あれば感想でとびきり優しく教えてください、お願いします。
(特にとびきり優しくの方を)
穏やかな朝日に照らされるという気持ちのいい目覚めを経て、お母さんの美味しい朝食に舌鼓を打ち、今日も今日とて天使たちの「行っちゃやだ〜」攻撃を何とか潜り抜けて。そんな日々を送る私の小学校生活は、あれから数日が経ちました。
前世があると言っても、新しい生活というものはドキドキと楽しいものです。授業内容は呆れてしまいそうな程に簡単なので正直退屈とも感じてしまうのですが、可愛くも楽しい友人たちとの時間は精神年齢すら忘れてしまうくらいで。
思わず心も小学生のようにピュアになっちゃいそうだ。
「千佳ちゃん、おはよう」
「おはよう愛ちゃん! 今日も可愛いねっ」
「え、えへへ……千佳ちゃんの方が、可愛いよ」
うむ、今日も問題なくピュアな心だ。女の子は愛でるものだからね。それに私自身も女子だし見た目は健全な触れ合いだよ。中身はアレだが。
そんな会話を朝の教室で繰り広げていると、傍にあった扉が勢いよく開かれた。
「おはよーさん!」
「おー、湖月ちゃんは朝から元気だねえ。見てるだけでこっちも元気が貰えちゃいそうだ」
「ふっふっふっ、ほんなら千佳ちゃんにも愛ちゃんにも元気お裾分けしたるで。パワー注入〜っ!」
そう言いながら腕を広げ、私たちへと思いっきり抱き着いてくる湖月ちゃん。行動だけでも可愛すぎて鼻血出そうなくらいなのに、彼女の感触は小さくて柔らかくて……くっ、抑えろ千佳! ここで興奮してしまったら引かれるぞ!
「こ、湖月ちゃんありがとう、今日も一日頑張れそうだよ……」
「千佳ちゃんがぐったりしとる!? う、うちのせいか?」
間接的にはそうだけど、これは私の性が悪いのさ……思わず涙目になってしまった湖月ちゃんに土下座を敢行しながら、私はどうにか興奮を抑え込むのでした。
それから暫くして立ち直った後。
「皆さんおはようございます。今日のお勉強を始めますよ」
チャイムと共に教壇へと立った九重先生の挨拶で、今日一番目の授業である国語が始まりを告げる。小学1年生では平仮名を1文字ずつ覚えていくような簡単なものばかりなので、少し退屈ですが私も復習していきましょう。折角だから綺麗な字を書くことを目標にしますよ!
「ち、千佳ちゃん、それ何描いてるの……? みみず?」
「え……いや、字なんだけど……」
そう伝えると愛ちゃんは少し固まってからニッコリを微笑み、可愛い字だねと褒めてくれる。空気を読んだかのような対応に心が痛い! 前世の時から字が汚いんだよ、生まれ直したのに癖が上手く抜けないんだよー!
そんな言い訳が出来るはずもなく、私はむぐぐと下唇を噛みながら涙を堪えます。
「あ〜、愛ちゃんが千佳ちゃん泣かしとる〜」
「ええっ!? ご、ごめんなさい、千佳ちゃん」
「な、泣いてない! これはただの汗だからあああああ!!」
精神年齢が一回りも二回りも下である女の子に、頭を撫でられながらあやされる私って……入学式で勝ち取ったはずの出来るお姉さん像が崩れていく音が聞こえる。
——確かに彼女、諸弓千佳のお姉さん像は崩れていた。そして新たに生まれたのは。
「……千佳ちゃんって大人びてると思ってたけど、子供らしい所もあるんだ」
「……なんや、見てるだけでこう胸が……きゅんっとするな〜」
そんな友人たちを筆頭にして、クラス中からの羨望の眼差しがみるみる内に可愛い子供を見るようなものへと変わっていき。それはクラスメイトだけに留まらず。
「ち、千佳ちゃん、いつもキリッとしていて頼りになる子だと思ってたけど、あんな姿も見せてくれるんだ……何だろう、すごく可愛くて……もっと泣かせてみた——って何言ってるの九重柚梨! 不覚にもドキッとしたからって先生にあるまじき考えよ、落ち着かないと!」
約一名、精神年齢的には近い担任の開けてはならない扉を開放してしまう。そう、それほどにこの物語の主人公は可愛いのだ! 10人とすれ違えば100人が振り向き、微笑むだけで同性の心臓を高鳴らせる……小学1年生ながらに魔性の女なのである!
「——愛ちゃん、なんや先生の表情がすごく色っぽいんやけど」
「きっと先生も千佳ちゃんの可愛さにやられちゃったんだよ」
「入学式の時もそうやけど、ほんま千佳ちゃんはすごいなあ」
そんな会話が繰り広げられているとはつゆ知らず。主人公ちゃんはと言うと。
「字……汚い……みみず……小学1年生に、気を遣われた……」
真っ白に燃え尽きているのだった。
【ひとこと説明】
九重柚梨 現在:22歳
桜望学園の新任教師。
性格は真面目だけど、意外とうっかり。
突然の事態にはオロオロとどうすればいいか分からなくなる。
あと、千佳に対してだけSな部分が生まれた。
作者、実は個人でビジュアルノベルを作っておりまして……
3月25日頃にSteamで無料配信する予定なので、
何かゲームについて気になったらTwitter(@ryodist)を見ていただけると嬉しいです。




