第3話 お母さんズと妹ズ、光り輝くギャグセンス
元の物語を残したまま、リメイク始めました。
まだ(新)第1話から読めていない方は、174ページからお読みください。
花ちゃんママ、リメイク前はあんまり詳しく書かなかったのでキャラ変更&設定加筆してます。
花ちゃん親子の話とかも面白そうかも?
天使に両腕を抱かれながら、転けないように階段を下りて明かりの差し込む扉を開ける。そうして1階へとやって来た私たちを迎えたのは、フリルに溢れたエプロンを揺らすお母さんでした。
「おはよう、お母さん」
「ふふっ、おはよう千佳、恵、それに花ちゃんも。今日も皆可愛いわね~」
目を細めて笑うお母さんの容姿は、綺麗というよりは可愛いといったイメージが先行する。高い鼻と大きな蒼色の瞳、そして私とメグちゃんと同じ真っ白な髪は、純粋な日本人でないことを如実に表わしています。
日本とロシアのハーフらしく、そしてもう既に出勤しているであろうお父さんはアメリカとドイツのハーフ。つまり私とメグちゃんは4つ血を持つ、いわゆるクォーターやミックスと呼ばれるものなのだ!
それにしてもお母さんは既に30歳近いはずですが……どうしてこうも薄桃色やフリルの付いた服が似合うのでしょうか。私とメグちゃんと一緒に出掛けていると偶に三姉妹だと間違われるくらい、背が小さめで童顔な可愛い自慢のお母さんです。
「もう花ちゃんママ来てるわよ、挨拶してきてねっ」
「「「はーい」」」
そうしてキッチンから繋がっているダイニングへと進むと、そこにはテーブルで静かにコーヒーを飲んでいる花ちゃんのお母さん……通称花ちゃんママがいます。こちらはお母さんと違って、カップを持つ佇まいから凜々しい雰囲気。
「ママー!」
「おはよう皆。ほら花、皆と一緒に顔洗ってきな」
言動は少しぶっきらぼうで男らしい感じですが、私たちを見る切れ長な目はとても穏やかで慈愛に満ちています。花ちゃんパパが言うには結婚する前はとてもやんちゃだったそうですが……それを告げようとする度にヘッドロックを食らっているので、秘密にしていることなのでしょう。
「千佳。変なこと考えてないか?」
「何でもございませんっ。顔洗ってきます!」
更に察しもいいと。下手なことすれば首を絞められはしなくとも、コチョコチョ地獄とかされるかもしれません! 以前秘密を探ろうとしたら、2時間抱き枕の刑に処されましたから……感触は非常に幸せだったのですが、いかんせん力が強いので要注意です。
そそくさと逃げるように洗面所へと向かえば、先に着いていた天使二人がタオルを持って待っていました。どうやら二人ともまだ顔は洗っておらず、期待を込めた輝く双眸を向けていて。
「……はいはい。顔拭いてあげるから、二人とも先に洗ってね」
「やった、それじゃあ花ちゃんからお先どーぞ!」
「ありがとメグちゃんっ。ねぇねと一緒にお顔きれいにする~」
同い年であり、物心つく前から一緒に過ごしてきた彼女たちはとっても仲良し。お互いに(私を)譲り合って過ごしており、二人を見る度にこういう対等な関係の幼馴染みが欲しいなと思わせてくれます。
「ねぇね、洗った~」
「あらら髪の毛までびっしょりさせちゃって、花ちゃんったら仕方ないなあ……」
タオルでぽんぽんと優しく彼女の顔を拭くと、為すがままにふにゃりと頬を緩ませました。生地越しでも分かるお餅みたいなもちもち肌は、その柔らかさを見ているだけで癒やされます。何歳になってもお姉ちゃんにお世話させて欲しい……
花ちゃんは私たちとは違って綺麗な黒髪の持ち主。今は寝起きということで下ろしていますが、いつもは髪をツインテールにしています。
顔を拭き終われば大きなタレ目がパチクリと瞬きをして、また幸せそうな笑顔に変わる。可愛すぎてキュン死しそうだ。
「お姉ちゃん、こっちも!」
「もう洗った後に飛び跳ねちゃ駄目だよ。沢山飛び散っちゃうんだから、メグちゃんが元気なのは嬉しいけどね」
「ふふっ、ごめんなさーい」
タオルの乾いてる部分を使って、妹の顔からも余計な水分を取っていく。二人の天使はこうして我儘を言ってくることが沢山……具体的に言うと1日に10回以上はあるけど、こうして擽ったそうに笑うのを見てしまえば、もっとお願いして欲しくなってしまいます。
そんなメグちゃんは母譲りの輝く白髪。彼女はうなじが少し隠れるくらいのショートで、私は腰まで伸ばしたロング。少しだけツリ目ですがぱっちりお目々で、まるで人懐っこい猫のよう。
ちなみに髪色もちょっとツリ目な所も姉妹でそっくりなのですが……お母さんが言うには私は綺麗、カッコいいイメージで、メグちゃんが可愛いイメージだそうです。
「はい、これで出来た。それじゃあ私も顔洗わなきゃね」
「私が洗ってあげるー!」
「花も、花も!」
いや、洗面台で自分以外の人に顔を洗ってもらうのは難しいでしょ。辺り水塗れになるよ。
流石に難しいと判断した私は非常に心苦しく思いつつ、苦渋の決断で遠慮することにしました。そうして自分で顔を洗った後――
「お姉ちゃんの顔は私たちが拭いてあげる!」
「おっ、ありが――むぐっ」
「ねぇねの顔も綺麗きれいにするよ~」
子供らしく抑えのない力でタオルを押し付けられながら、私もされるが儘に拭いてもらいます。ちょっと息苦しいけど、可愛い天使たちがしてくれている……うん、幸せ! 誰が何と言おうとお姉ちゃんにとって最高の幸せなのです!
ちょっと変態ちっくな思考に陥りながらも、何とか洗顔を終えました。
「それじゃあ二人とも、戻ろっか」
「うん、お姉ちゃん!」
「ねぇねと一緒に戻る~」
起きた時のようにぎゅっと二人が腕へと抱き付いて歩き出す。もはや私が二人を引き摺ってるんじゃないかというくらい、二人は抱き付くことに集中している。いや、重くはない。私も女子だが、可憐な女の子を重いとは言わないのだ……!
なので気合いを入れて彼女たちをダイニングへと連れて行く。
「ふっふっふっ……これはご褒美。これはお姉ちゃんとしての幸せ……っ、よく考えれば両手に花ってやつだしね! 片方は本当に花ちゃんだけど」
「お姉ちゃん上手い! 凄い!」
「ねぇね面白ーい!!」
嬉しいけど、そこまで褒められると煽てられてる感が凄い。二人が純粋な心で言ってくれているのは分かってるのに、ギャグの下手さが鋭く刺さるよぉ……
待ちに待った小学校入学の日、私は自身のギャグセンスに涙するのでした。
花ちゃんママは、凜々しい系のお母さんにしました。
元ヤンです。
ちなみに、両親の血筋も設定し直しました。
リメイク前は設定がぐちゃぐちゃだったので、お母さんが日本×ロシア、お父さんがアメリカ×ドイツで確定です。
母方のお祖父ちゃん家(日本)に行く話と、父方のお祖母ちゃん家に行く話も勿論やる予定ですので、お待ちくださいませ!




