表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第五章 ライバルとアイドル(小学四年生編)
173/195

千佳ちゃん、無自覚に落とす

【前回のあらすじ】

母にアイドルになってとお願いされるものの、断った千佳ちゃん。

登校中にもアイドルにしようと画策するファンクラブメンバーたち。(気絶者多数)

そして教室で、祐里香ちゃんが涙を浮かべて相談を持ち掛けてきました。

「それで祐里香ちゃん。仕事のトラブルってどういうこと?」


朝の教室で泣きついてきた彼女を抱きしめたまま、安心させるように背中を優しく叩きながら問いかけます。

大切な友達のピンチ、力にならないなんて選択肢はありません!


「今日ね、テレビ番組の収録があるの……。でも一緒に出るはずの事務所の先輩がインフルエンザに掛かっちゃって」


いつものツンっとした雰囲気はなく、彼女は上目遣いで濡れた瞳を向けてきます。

それを見ただけで心がドキドキして……これこそギャップ萌えというやつ、なのかもしれません。

ってそんな考えはどうでもよくてですね!


「それじゃあ祐里香ちゃんはもしかして、一人で出ることになっちゃったの?」

「うん……今日はマネージャーの篠田さんが別のアイドルに付きっきりで、一人で行かなくちゃいけなくて」

「一人で!? お母さんとか、一緒に行ってくれないの?」

「……お、お母さんは、その」


祐里香ちゃんが何故か言葉に詰まっていると、隣にいた湖月ちゃんが割って入りました。


「千佳ちゃん、祐里香ちゃんのお母さんは、その……な?」

「ま、まさか――」


人によって家庭環境は様々でしょう。もしかしたら、私は話しづらいことを聞いてしまったのかもしれません。

安易に人の大切なところへ踏み込んでしまったと項垂れていると、祐里香ちゃんは私の背へ回していた腕にぎゅっと力を入れました。

私と彼女の体がより密着して、その柔らかさが服越しでもよく分かります。


「千佳、お願い……スタジオの端にいるだけでいいから、一日私のマネージャーをしてくれない……?」

「端にいるだけって言っても……マネージャーって結構大変だって聞くし、私じゃ務まらないと思うよ?」


寧ろ、こんな子供では撮影の邪魔になってしまうかもしれません。

芸能界は上下関係やマナーに厳しいと聞きますし、アイドルと同じで素人の私が軽々しく足を踏み入れては……。


「あっ、柚梨ちゃんなんてどうかな! 先生だし、大人だし!」


そう提案すると、祐里香ちゃんはまた黙ってしまいました。

柚梨ちゃんじゃダメだったかな、と考えていると次は愛ちゃんが助言をしてくれます。


「千佳ちゃん、先生の仕事もあるから、柚梨ちゃんは難しいと思うよ?」

「それもそっか……あ、なら私のお母さんとか!」


アイドル計画、なんて謎の企画に首を突っ込むくらいだし、きっと暇だと思う。

しかしこの提案にも祐里香ちゃんは黙ったままで、湖月ちゃんや愛ちゃん、教室にいる皆も何も言ってくれません。

……あれ、お母さんが嫌われてる訳じゃないよね?


「ち、千佳っ!」


抱き合ったままの祐里香ちゃんが顔を上げると、目と鼻の先に彼女の表情が見えます。

まるでキスでもしてしまいそうな距離、だけどそんなことよりも彼女の双眸から零れ落ちていく涙に目が奪われました。


「わた、私、千佳がいいの……っ。千佳と一緒なら、頑張れるって、そう思うのっ!」

「ゆ、祐里香ちゃん……!」


友達の中では出会ってから一番時間の短い祐里香ちゃんですが、いつの間にかここまで信頼を得ていたみたいです。

その事が嬉しくて、少し恥ずかしくて、何よりも大切な友人の涙を拭ってあげたいと思いました。


「……分かったよ! 私じゃ役に立てるか分かんないけど、精一杯頑張って祐里香ちゃんをマネジメントする。だから、泣かないで?」


ポケットに入れていた未使用のハンカチで、彼女の目元を優しく触れる。

零れ落ちてしまった水滴は元には戻らないけど、せめて今この時からは笑顔でいてほしい。

誰かが悲しむところなんて、見たくないから。


「私、諸弓千佳に任せなさいっ。立派にやり遂げてみせるよ!」

「千佳ぁ……あり、がとうぉ……っ」

「もう泣かないの。私は祐里香ちゃんの笑顔が好きだから、笑っていてほしいな」

「うん、うんぅ……」


泣き止もうとしている彼女を優しく抱き締めていると、チャイムが鳴る。

もう授業が始まっちゃう。少し残念に思いながら、私は祐里香ちゃんの体から離れた。


「それじゃあ、休み時間にでもお仕事について聞かせてね?」

「うん……ありがとう、千佳っ」


その笑顔は思わず見惚れてしまうほどに綺麗で、思わず私も頬が上がってしまうような、可愛い表情だった。




「――愛ちゃん。あの子、末恐ろしいわ」

「千佳ちゃんを芸能界に入れる為に演技をするって言ってたけど、本当に泣いてるようにしか見えなかったよ……」

「大人気な子役兼アイドルは伊達やないなぁ……でも、祐里香ちゃんの表情がちょっと変やで。ぼーっと千佳ちゃんを見つめてる思たら、辛そうな表情もしとるし」

「あれは間違いなく、良心の呵責だよ。祐里香ちゃんはまさかあそこまで真剣に千佳ちゃんが考えてくれるなんて思ってなかったんじゃないかな」

「自分で墓穴掘ってるとは言え、確かにあそこまで言われると心が痛むやろなぁ。見つめとるのも、そういう意味なん?」

「ううん、そうじゃないと思う。あれはね、湖月ちゃん――」


――千佳ちゃんがイケメンすぎて、恋に落ちた顔だよ。

あけましておめでとうございます。

と言いつつ、既に1月も終わってしまう今日この頃。

今年も「カリスマライフ!」をよろしくお願いいたします。


今後は、恋を知った祐里香ちゃんの行動にご期待あれ。

P.S. ブックマーク1000件突破、ありがとうございます!

P.S. 現在(3/16)少々仕事が忙しく、更新が遅くなります。ごめんなさい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ