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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第五章 ライバルとアイドル(小学四年生編)
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姉妹と練習

 演劇クラブに所属することが決まって数日。

 私、諸弓千佳の動向は瞬く間に学校中へ広がっていきました。


「――千佳ちゃんならやっぱりお姫様役だよね!」

「――いや、千佳ちゃんなら王子様も似合うかも!」

「――千佳ちゃんなら男でも! きゃーっ! 私、王子様な千佳ちゃんに抱き締められたーい!」

「――千佳様なら木の役でも似合いますわ!」


 ……いや、最後のは気にしない。

 という訳でファンクラブの皆は様々な期待を持ち、私の目の前にあるハードルは既に跳べそうにない位高くなってそうです。

 はぁ、演技とかしたこと無いんだけどなぁ。


「お姉ちゃん! 帰ろっ!」

「ねぇね!」

「お待たせしました、先輩方」


 クラスで皆と駄弁っていると、終わりの会を終えた三年生ズがやって来ました。

 メグちゃんと花ちゃんは腕に抱き付いて、桃ちゃんは私の膝の上でぼーっとしている莉里ちゃんにお小言を並べています。


「姉さん。もう五年生なのですから、千佳先輩の膝に乗るのは止めた方がいいのでは?」

「……私は老後まで乗り続ける」

「長くないっ!?」

「くっ、わ、私だって乗りたいのに……」


 お小言の原因は、桃ちゃんの可愛い嫉妬だったようです。


「桃ちゃんはまた今度ね?」

「えふっ!?……き、聞こえてました?」

「うふふ」

「う、うううううっ……は、はい。お願いします」


 顔を真っ赤にした桃ちゃんも可愛いですね!

 あの、莉里ちゃん? なんでふくれっ面なんですか?

 ちょっ、足ジタバタしないで! 微妙に痛いから!


「……桃、負けない」

「私だって負けませんから、姉さん」


 ……君たちはどうして戦っているの?




 そうして皆とわいわいしながら家に帰って来ました。

 制服から私服に着替えて、リビングのソファで一休みです。


「お姉ちゃん、演劇出来るの?」

「うーん、やったこと無いからなぁ」

「それじゃあ此処でやってみようよ! 私、お姉ちゃんの演技見たい!」


 妹の頼みなら、首を縦に振らざるを得ないじゃないか。

 ということで実際に演技出来るかを試してみることになりました。


「それじゃあはい! お姉ちゃん」

「これは?」

「台本だよ!」


 あ、うん。どうやらメグちゃんが好きなゲームの一シーンを書き写したもののようです。

 さてはメグちゃん、準備していたな!?


「それじゃあ花ちゃん呼んでくるね! お姉ちゃんは練習してて!」

「あ、うん」


 メグちゃんは庭へと向かい、お隣の花ちゃん家へと走っていきました。

 ……まぁ、可愛い妹の頼みだし、頑張ってみるか。

 私は三枚程の紙に書かれた文章に、目を通します。


「なになに。あぁ麗しの姫よ、どうして私の心が届かないの。この恋情が、熱く心を燃えたぎらせ、毎夜貴女の事を思うばかり……ってなんじゃこりゃぁ!?」


 メグちゃんどんなゲームをやってるの!?

 絶対これ、小学生はやれない系のゲームだよね!?


「タイトルは女騎士物語……あ、ゲーム自体はRPGなんだね。でも絶対レーティング(年齢制限)的に問題があるよぉ」

「お姉ちゃん! 連れてきたよ!」

「ねぇね! 演劇見たい!」


 私が一人嘆いていると、問題のメグちゃんが花ちゃんと共に戻って来ました。

 このシナリオをメグちゃんに突きつけて、お説教タイムです!


「メグちゃん! これって小学生がやっちゃ駄目なゲームでしょ!」

「うっ……で、でも! 女騎士の妹と、養子で姫になった姉のお話だもん!」

「まさかの姉妹もの!? で、でも小学生がやっちゃ駄目!」

「お父さんが買ってくれたもん!」

「お父さんのせいかああああああああ!!」


 ……後でお母さんに報告しておかなきゃ。

 最愛の娘におねだりされて買っちゃったのかもしれないけど、メグちゃんの教育に悪いからね!


「はぁ、メグちゃん、これは流石に読めな」

「じゃあこっちにする? 『お姉さまに恋してるっ!』」

「……それは?」

「恋愛シミュレーションゲームだよ! 転校してきた女の子がお姉さまって呼ばれてる先輩に恋をするの!」

「それもレーティング的に問題あるよね!?」

「じゃあこっち! 姉妹二人で冒険するゲームだよ」

「あぁ……じゃあそっちで」


 メグちゃんはもう取り返しの付かない所まで来ているのかもしれない……。

 いやまぁ、変に男に期待を持ってないのは姉としては嬉しい所なんだけど、物語が全部姉妹ものなのがちょっと。

 そういえば最近、メグちゃんがよく私の胸に触れてくるような……?


「お姉ちゃん! 早く早く!」

「ねぇね! ねぇね!」

「あっ、うん。えっと、それじゃあ」


 ごほん。何だか背筋が寒くなったので、もう考えるのは止めましょう。

 私は新しく渡された紙を、どうにか成りきって読んでみることにしました。


「さ、さぁ行くよ。私たちの冒険はこれからなんだから!」


 って初めから読み切りエンドかいっ!?


 尚、台詞が棒読みだった私は二人の妹に指導されることとなるのでした。

 止めて! 映像にだけは残さないで!!

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