表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第四章 千佳の優雅なドイツ旅行。(小学三年生 冬休み)
155/195

千佳ちゃんと、さらばドイツよ。

 お屋敷の大広間に集まった親戚一同を前に、私たち諸弓家が並んでいます。

 今日は日本へと帰国する日で親戚の中には号泣している人もいるようです。


「う、うぅ……お嬢様ぁ……お嬢様がおられないなら、わたくしはどうすればぁ……」


 ……その人がヒルデちゃんな気もしますが、とりあえず置いておきましょう。

 私たちの荷物をリムジンに運んでくれているメイドさんと執事さんにお礼を言ってから、私は皆に声を掛けます。


「えっと、長い間お世話になりました。今度は日本にも遊びに来て下さい」

「あらあら。千佳ちゃん、お世話になりましたとかじゃないのよ。ここは貴女たちのもう一つの家なんだから」

「そうだぞ千佳!」

「そうだねん千佳たん!」


 お祖母ちゃんに便乗するようにクリスとシャロルが声を上げる。

 ……でも待って。


「いや、君たちも実家はアメリカだよね?」

「細かいことは気にするな!」

「そうだねん!」

「あ、はい」


 奥でクリスとシャロルのお父さんが「そうだそうだ!」と叫んでるけど、カエルの子はカエルって感じだね。

 あ、奥さんが肘打ちで黙らせた……あの人には逆らわないようにしよう。


「こほん。そうだねお祖母ちゃん。また帰って来るね!」

「えぇ。楽しみにしてるわ」


 お祖母ちゃんと握手をして、次はヒルデちゃんファミリーの元へ。


「おじょぶざまあああああ!!」

「はいはいヒルデちゃん、泣かないで。また私たちもこっちに遊びに来るし、ヒルデちゃんも日本に遊びに来てね?」

「絶対に行きますわああああ!! わた、わだじ、おじょうざまのぜんぞぐめいどでづがらあああ!!」


 私、お嬢様の専属メイドですから。だって。

 ……いや、ヒルデちゃんを専属メイドにした覚えは無いんだけど!?


「あら、ヒルデったらどっちがお姉さんか分からないじゃない」

「……ベアトちゃん、口調忘れてるよ?」

「っ! に、日本に帰っても元気でいるのだわ!」

「いやまぁ、無理にキャラ付けしなくてもいいけど」

「べ、別にキャラ付けなんてしてないのだわ」

「おじょぶざまああああああああ!!」


 なんだこのカオス空間。

 母親であるベアトちゃんに日本旅行を確約させることでヒルデちゃんを泣き止ませたものの、私を後ろから抱き締めたまま動きません。


「お姉ちゃん、私もくっつくー!」


 そしてお父さんたちの所からトコトコと駆け寄って来たメグちゃんが私の右腕に抱き着きました。

 気分はさながら武器を装着したロボットのようです。

 仕方ない。このままクリス、シャロルファミリーに挨拶しに行きましょう。


「ヒルデ……」

「ずるいのねん!」


 二人の視線は背後霊と化したヒルデちゃんに固定されていますが、咳払いを一つして注目させます。


「千佳たんの咳払い、可愛いのねん!」

「まぁ声が高い女の子がやってると可愛いだけだよな」

「そこうるさい!」

「お姉ちゃんが可愛いのは当たり前だよ!」


 見た目は自称専属メイドに抱き着かれた幼女で、威厳を持たせようとした咳払いも幼く高い女の子の声。

 むむっ、そう簡単にはお祖母ちゃんのようになれません。

 あと親戚一同、メグちゃんの言葉に全員で頷かないで。

 動きが揃い過ぎて軍隊みたいで怖いから。


「クリスもシャロルも元気でね。今度はそっちの家にも遊びに行きたいな」

「おう。アメリカは凄いぞ! その時は千佳に故郷を案内してやるよ」

「ありがとう。クリスちゃん」


 二人はアメリカ在住で、私たちが日本に帰国した二週間後に帰るそうです。

 そう思うとヒルデちゃんが寂しがるのも分かりますね。


「千佳たん! 日本に帰ってもメールしようねん!」

「うん。携帯はまだ買ってもらってないから、パソコンの方に連絡してね」


 こっちに来た時に物凄い高性能なノートパソコンを理事長の愛架ちゃんから貰ったことだし、これからも繋がりが途切れないようにしないと。

 三人で談笑していると突然横から幼女が体当たりしてきた。

 あ、私も幼女だけど。


「チカ! また遊びに行くネ!」

「マリーも元気でね。また三人でお泊りしようね」

「ウン!」


 このお屋敷では何故か影の薄かったマリーちゃん。

 アリシアママは自身の姉、つまりは私のお母さんと話をしているみたい。


「諸弓家の皆様、そろそろお時間です」


 ペトラさんの号令を持って、私はメグちゃんと一緒にお父さんとお母さんの元へ歩いて行く。


「おじょうざまあああああああああ!」

「はいはいヒルデ。千佳ちゃんが困っちゃうからね」


 こちらに手を伸ばして崩れ落ちるヒルデちゃんはベアトちゃんに任せます。

 お嬢様の筈なのにメイドとして命を燃やそうとしている彼女の将来が心配だ。


「それじゃあ皆、またね!」

「またねー!」


 別れを惜しんでいては、この先長い人生を楽しく生きられない。

 だから別れはシンプルでいいんだ。

 例え住んでいる国が違っても、この狭い世界の中ならまた出会えるのだから。

 それにインターネットならいつでも連絡取れるしね!


「おじょぶじゃまああああああああ!!」

「またね千佳ちゃん、恵ちゃん。……あ、なのだわ」

「千佳! 恵! 気を付けて帰れよ!」

「千佳たーん! 恵たーん! お元気でー!」

「あらあら。皆、二人のことが大好きね。また会いましょう、私の愛する孫たち」


 最後に泣いたり笑ったり叫んだりしている皆に手を振って。

 私、日本に帰ります!




 そして四年目の、学園生活が始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ