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弟が作った世界でハーレム人生   作者: 永遠の28さい
◆第六章◆ 背信の半神少女
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12 六人の奴隷少女

まことに申し訳ございません!

仕事がほんとに忙しくて投稿できませんでした!

忙しい中、何とか書き上げましたので、ぜひ読んでください。



「…初めまして、ユキと言います。」


 ぺこりと可愛らしくお辞儀をする小さな精霊。俺はその可愛らしさにちょっとにやけていたが、脇腹をヨーコに小突かれ姿勢を正して応答した。


「これから、宜しくね。」


 お互いにお辞儀をして、俺はもう一方の黒い精霊と向かい合う。黒い精霊はむすっとした表情で腕を組んで文字通り上から目線で俺を睨み付けた。


「我がアルダじゃ。」


 お辞儀をするわけでもなく、腕を組んだまま自分の名前をいう精霊。…無愛想なんだが、構って欲しそうな目。…ツンデレキャラか?取りあえずお辞儀をして挨拶をする。


 これで俺の手元に精霊が4人。


 【ウンディーネ】のパミル

 【エント】のメルディーン

 【ホタル】のユキ

 【シェイド】のアルダ


 いずれもボンッキュッボンッの俺好み。


 それが一同を介して互いに挨拶したりしてワイワイ騒いでいた。


 このほかにエフィと契約した【ウンディーネ】のミスラもいて、船内の俺の部屋でワイワイ、キャッキャウフフ、ピーチクパーチクやっていた。

 その様子をフェルエル殿が生温かい目で眺めていた。彼女に精霊たちの姿を見せるのはどうかと思ったが、そもそもフェルエル殿がヒト族でも半神族でもなく、神に近い気を感じることから、問題ないだろうと思い、彼女の前で披露した。

 最初はびっくりしていたが、すぐに彼女達と仲良くなり、今では彼女たちの母親のような雰囲気で接していた。




 …なんだろう、この嫉妬心。彼女達を生み出したのは俺なのに。






 でもって、今は海の上。


 半神族の初代大使としてカーテリーナ殿と数名の半神族を乗せ、一ノ島に向かっている。シャナオウの港に寄港し、王宮で待つサラヴィス陛下と謁見することになっていた。


 俺は隣で海の彼方に小さく見えている一ノ島をじっと見つめるカーテリーナ殿に声を掛けた。


「緊張…されていますか?」


 カーテリーナ殿は、俺に視線を移し少しだけ笑顔を見せた。


「ない…と言っては嘘になるな。私自身が島を出るのが初めてだし。…だが、あれほどではないぞ。」


 そう言って船の中央にいるアンナを見やった。


 アンナはマストにしがみ付き、目を閉じて何やらお祈りしていた。相当海が怖いらしい。カミラが一所懸命に世話してる。まあ、任せておこう。


「そのうち慣れるでしょう。」


 俺の適当な返事に少し呆れた表情をしたが、カーテリーナ殿はまた視線を小さな島に戻して呟いた。


「…半神族の新たな歴史が生まれるかも知れぬのだ。気を引き締めて臨むまでだ。」


 半神族はこれまで、他種族との交流を断ってきた。それゆえに発展した独自の文化と、それゆえに衰退した文化を持っている。それが、今回相互に大使館を設置し、交流を深めることで…どう変わって行くか。

 それは俺がどうこうするところではないので、流れにまかせるが、とにかく新しい風が吹いて来たのだ。

 サラ達にとって良い風であることを祈る。





 シャナオウの港に到着した俺達を待っていたのは、エメルダ王妃であった。

 長身に豪奢なドレスを纏い、肩からストールを羽織って、幾人かの護衛騎士を従え、桟橋で俺達を出迎えた。


 俺とフェルエル殿は跪き敬礼する。その後ろでマリネール男爵とアリア殿とヨーコが跪き、さらに後ろで奴隷達が土下座をする。

 その様子を少し離れてカーテリーナ殿が見る格好となった。


「お勤め、ご苦労様です。休憩室を用意しましたので、少し休んだのち王宮へと参内されるがよろしいでしょう。」


 形式的な会話を行い、給仕嬢に先導され休憩室へ向かう途中、サラが王妃殿下に呼び止められた。


「サラよ。五ノ島の奴隷はどうであったか?」


 高貴な人が公の場で奴隷に話しかけるなど異例である。場の空気が凍りつく様な雰囲気となった。

 だがサラは動じることなく応対した。

 一度主人である俺に一礼してからその場に土下座して相手の顔を見ないように返答する。


「この島でグランマスターや今のご主人様から頂く慈悲とは全く異なる扱いを受けておりました。…唯々今のご主人様に感謝するばかりでございます。」


 奴隷に意見を言う権利はない。

 奴隷に結果を報告する権利もない。


 サラはそれを踏まえて自分の感想を言うかのようにかつての仲間に見たモノを伝えた。エメルダ王妃殿下はサラの返事に満足したように「主に感謝せよ」とだけ言ってその場を去って行った。

 エメルダ嬢なりのサラに対する気遣いだろう。やはり、彼女は俺達のことを忘れているわけではない。


 休憩室に入り俺が水を飲んでいると隣にカーテリーナ殿が腰かけた。


「…ヒト族の王妃とは知り合いなのか?」


 彼女の質問は俺を驚かせた。たぶん、親しい会話はしていないはず。なのに何故カーテリーナ殿は…?


「…まあ、元同僚です。」


 俺は当たり障りなく答えたが、


「彼女は貴公に惚れているのではないのか?」


 俺は飲みかけの水を全部吹き出してしまった。


 俺自身が何も思っていないわけではない。心当たりのある出来事もある。…だけど彼女自身が選んだ道。それは貴族としての役目を最大限に発揮して全うするため。いやしかし、それは俺を慮っての道なのか?現実にヤグナーン家はエメルダ嬢によって躍進しているし。

 俺がいろいろと考えていると何かを察したのか、「聞かない方がいいか。」と納得されたようでカーテリーナ殿は俺から離れていった。


 …俺、顔に出ていたようだ。




 王宮へ向かう馬車の支度が済み、俺たちは給仕嬢に案内されて馬車へと乗り込んだ。俺達が乗った馬車は6頭引きの大きな馬車で、俺と奴隷達とヨーコが乗り込んでも十分な広さを確保できるほどであった。しかも御者台には2人の女性騎士の御者が座っていた。

 さすが国王陛下が用意した馬車だと思い、ゆっくりくつろぐ様な恰好で座っていると、


「フフフ…。相変わらずよのうエル(・・)は。」


 と御者の1人から声を掛けられた。


 聞き覚えのある声。


 俺は声のした方を見る。


 御者台から後ろを覗き込んだ女性騎士の笑顔。



「エメ…ルダ様?」


 俺は思わず名を言ったが、女性騎士は口に指を当てて黙るように仕草をする。そしてひらりと馬車内に飛び降り、御者台との扉を閉めた。


「後は頼む。」


 もう一人の御者にそういうと「畏まりました」の返事がした。



 そういうことか……。


 彼女は密かに俺に会うために案内役の騎士に変装してきたのだ。嬉しい限りだ。


「久しぶり…」


 俺が以前の様にエメルダ嬢に挨拶しようとすると、エメルダ嬢は俺に飛び掛かるようにして抱き付いた。

 サラとヨーコが「あ…」と声を漏らす。

 俺は痛いと思うほどきつく抱きしめられた。


「…よう戻ってきた。ホントによくぞ…。」


 エメルダ嬢の感情を押し殺すように吐いた言葉で何となく理解した。


 俺は陛下によってエメルダ嬢から遠ざけられていたのだな。それともラスアルダス公爵カイトの野郎の入れ知恵か。

 自分のせいで、危険な任務に就かされたことを悔やんでいたのだろうか。帰って来た俺の姿を見てどれほど嬉しかったのだろうか。彼女の気持ちを察し、俺は無言でエメルダ嬢の背中に手を回した。

 …周りからの視線が痛いが、この際はしょうがない。


 ひとしきり抱擁が終わると、エメルダ嬢はヨーコ、サラ、フォン、エフィ、ウルチ、カミラにも抱き付いた。


「王宮までの時間はわずかじゃが、伝えたいことだけは先に話しておこう。…心して聞け、エル。」


 彼女なりの挨拶を終え、エメルダ嬢は王妃という地位で得た情報を俺達に伝えた。

 サラヴィス陛下は引き続き俺に五ノ島行を命じるらしい。しかも、その途中でハーランディア島に寄って、マイラクト子爵の討伐に参画させるそうだ。その後、五ノ島の竜人族の代表に会って寄港の許可を取りつけてくる。…今回は事前交渉すらなしだそうだ。



 …サラヴィス陛下は俺を嫌ってるのか?……。



 俺が思案している表情を見て、エメルダ嬢はくすりと笑った。


「エル、我が夫は貴公と私を会わせることを極力避けているのは事実じゃ。今回の出迎えも随分と渋っておった故、お主の考えている事も間違いではないぞ。」


 エメルダ嬢の返答でヨーコは俺を睨んでるし、サラはニコニコしながらフォンとひそひそ話をしていた。



 うん、俺はエメルダ嬢には何もしないぞ。国を敵に回すのは俺も嫌だし。



 するとエメルダ嬢がすっと俺に寄り添い、耳元で囁いた。


「私は、お主との思い出はちゃんと心に仕舞っておく。私はそれで十分じゃ。」



 …やっぱりエメルダ嬢は自分よりも貴族令嬢としての使命を優先したのか。




 複雑な感情を胸に、俺は馬車が到着するまで無言で考え込んだ。






 国王陛下との謁見はいたって形式的なものであった。


 四ノ島での出来事についての報告と大使交換について。それから、カーテリーナ殿の紹介と今後の取引について。


 そしてすぐに五ノ島への交渉が命じられた。

 どうも、俺にはここに長居してほしくないようだ。サラヴィス陛下も狭量になったのではないだろうか。

 謁見後、何とも言えない不快な感情は押し殺して、与えられた宿へと引き上げた。




 だが、すぐに呼び戻された。


 裏口に案内され、かつてお忍びで通っていた隠し扉の前に連れて行かれた。…昇って来いということか?

 俺は衛兵に軽く手を振って隠し扉から中に入る。今は国王なのだから、多分最上階の部屋だろう。俺は真ん中の縄梯子に手を掛けて昇って行った。


 そして昇りきった先には、あの時(・・・)と同じようにニコニコしながらカイトの野郎が座っていた。


「なんだか懐かしいね。」


 カイトの言葉に俺は苛立った。


 彼は俺やヨーコと同じ“この世ならざる者”。たまたま入れ替わった相手が王族だったため、割と不自由なく過ごしているが、名前も知られやすく、既に3度創造神(おとうと)に呼び出されている人外(・・)の者だが・・・。


「もう、二度と会うこともないと思っていたのだがな。」


 俺は相手の顔を見ずに答えて、そのまま部屋の奥に向かった。

 カイトの野郎が何か言っているが、俺はそれを無視して秘密の扉を開けた。

 予想通り、サラヴィス陛下がベッドに腰掛けて俺を待っていたようだ。


「…すまぬな。こういう形でしか、貴公とは本音の会話をすることもできぬ身でな。」


 陛下の言葉に俺は一礼する。彼の言う“本音”とは…?俺は少し身を強張らせた。


「まあ、硬くならないでくれ。昼間の貴公に対する態度は、俺の本心ではないのだ。それを解ってほしくて呼んだのだ。」



 陛下の話はこうだった。


 本妻であるエメルダ嬢は、南部の田舎貴族の娘である、傭兵まがいのことをやっていてあばずれ女である、傭兵仲間に恋人がいる、などと噂が飛び交っており、その噂を信じている貴族も多い。

 そのため、エメルダ嬢の地位を守るためにもそれなりの態度でいる必要があるそうだ。現に俺を王都から遠ざけるよう主張する貴族がおり、その意向も受けて俺を使節団の正使に任命している。

 …まあ、そう主張している貴族の筆頭が俺の後ろでニヤニヤしているこの野郎だと聞いたことで、得心はいったが。


「エルバードよ。貴公の恩に報いるには貴公を王都から遠ざけるしかないことは理解してくれ。」


 一国の主が俺に頭を下げた。それは本来あってはならぬ事だが、俺は陛下の謝罪を受け入れた。




 王には王の悩みがある…か。


 俺には貴族なんて務まりそうにない。



 そんなことを考えながら俺は陛下といくつかの会話をした。









「…奴隷とは、道具であるが道具にあらず。命あってこそその使役を果たす。その命の重みは低けれど、ゆめ無きものではなかりけり……。」



 ナヴィス殿の抑揚のある声が響き、アンナに首輪が付けられる。

 アンナは恐る恐る首輪に触れ、その感触を確認する。


「…意外と重いのね。」


 ありきたりの感想にありきたりの挙動。

 一見しては奴隷とも見えず、更には戦乙女族(ヴァルキリー)にも見えないアンナ。

 俺はそのアンナに腕輪を渡した。


「これは…?」


 アンナは見たことのない腕輪を不思議そうに見つめた。サラとフォンとカミラが「御主人様から物を頂くとは!」と騒いでいるが俺は無視して話を進める。


「それは、ナイチンゲール様から頂いた腕輪だ。その腕輪を付けている間だけ≪種族封印≫の呪いが解かれる。」


 アンナは目を見張って腕輪を見つめた。俺は話を続けた。


「その腕輪は、自分を守るとき、仲間を守るときに装備することを許可する。…普段は腰にでもぶら下げておけ。」


 アンナは腕輪を握りしめて俺を見上げた。


「御館様…。」


「いずれ、お前の種族の力が必要になる時が来るだろう。それまでは大切にしろよ。」


 アンナはその場に跪き、口上を述べようとした。


「御館様の厚きご恩情、私めには余る行為…」


「この先、口上は禁止!」


 俺は、アンナを制した。エフィは笑いを堪えてる。

 アンナにはもう少し砕けて接するように躾する必要があるな。エフィとカミラに任せよう。


 俺は一息ついて周りを見渡した。ヨーコとアリア殿は置いといて、俺を主とする奴隷少女が6人。




 ヒト族のサラ。


 生まれつき奴隷で“忌み子”の呪いにより決して解放されることのない奴隷少女。



 海銀狼族のフォヌヘリアスタ。


 エルフに対して異常なまでの憎しみで“エルフへの多情多恨”に苦しむ銀狼少女。



 エルフ族のエフィルディス。


 一族を守るため、自ら“はぐれエルフ”の呪いを受け入れた耳長少女。



 小竜族のウルチ・ショウリュウ。


 一族滅亡により観賞用奴隷として売られ、自らの出自を隠すために“精神分裂”による二重人格となった竜人少女。



 魔人族のカミラ。


 両親の禁忌により夢魔族と吸血族の両方の能力を受け継ぎ“禁忌の魔族”の烙印を受けた吸精少女。



 戦乙女族のアンネローゼ。


 運命に翻弄され一族を裏切る結果となり、“背信の十字架”を背負った背信少女



 考えてみれば、俺の側にいる奴隷少女たちは他の奴隷よりも不利なスキル(のろい)を持っている。なのに、サラを筆頭に奴隷らしからぬ生き生きとした表情を持って毎日を過ごすことができている。

 俺は彼女たちに奴隷の未来を考えさせられる。



 今の奴隷法は改善すべき点がある。



 それを皆にわからせるには彼女たちをもっと周りから評価される位置に立たせる必要がある。その為に俺は行動しよう。


 俺はそう心に決意した。






 翌日、五ノ島遠征の辞令とハーランディア島のマイラクト討伐の2つの辞令を受け、出立の準備に入った。


 船はシャナオウの港から出航すれば3日でヴァルダナの街に到着する。そこから1日でベルドにいる領代と合流できる。

 並行して王都から新生第4騎士団300騎がヤグナーンに向けて出発し、8日掛けてベルドの街に到着する予定だ。

 王都からはこの第4騎士団について大々的に宣伝し、ことさらマイラクト領主を挑発している。これにより、マイラクト領主側からすると、自領に軍が到着するのは早くても9日後なので、その日に向けて防衛の準備を進めるはずだ。

 だが、実際の予定は、ヘリヤ領代率いるベルド領兵軍200騎での4日後だった。

 更に、陛下には内緒にしているが、≪空間転移陣≫で今日中にベルド領兵軍に合流し、明日にでも出陣してもらうことも可能にしていた。




 俺とサラが出会うきっかけとも言えるアルテイト盗賊団の事件。


 その後の調査で盗賊団とマイラクト子爵との関係について証拠が揃い、領地剥奪の裁定が下っているが、領主は使者を切り捨て王国に宣戦布告をしている。

 王国側も今回は重い腰を上げ、討伐のために兵を出すのだ。だが、実際に事を構えるのはベルドの領兵団。それに俺も加わり、領都の占領を命じられている。

 表向きは、俺の厄介払いとなっているが、真の目的はカイトの野郎から聞かされている。



 マイラクトには“この世ならざる者”がいる。



 領主は、この者の異能を背景に強気な態度に出ているのではないか…カイトはそう踏んでいるようだった。



 王都で適当にお土産を購入し、≪異空間倉庫≫に詰め込んで二人ずつ抱え込んで【金牛宮】へと転移する。アンナは初めての転移に目を白黒させていたがウルチが説明すると「さすが御館様」となんか納得していた。

 俺はまるで自分自身の事の様に自慢げにうんうん肯いているアンナは放っておき、フェルエル殿に宿の手配を依頼した。


「最上階を2部屋用意しておきましょう。」


 十二宮の支配人でもあるフェルエル殿は快く受け入れ、準備のためにカウンターの奥に消えていった。


「サラ、ヘリヤ様のところへ行って来る。全員はここで待機しててくれ。」


 そう言うと俺は一人で領代館へと向かった。




 …結果論でいくと、この行動が俺の運命を決めてしまったと思う。





 領代館の入り口で偶然にも中から出てきたヘリヤ様とマリンさんに出くわした。

 ヘリヤ様は俺を見つけると目をみはり、手に持っていた荷物をマリンさんに預け「委細は任せる」と言うと俺に駆け寄り腕をがっちり組んで領代館へと引きつれていった。

 館内ではすれ違う兵士たちに驚きの表情をされるが、ヘリヤ様はお構いなしに俺を執務室まで引きずり、強引に中へ俺を押し込むと中から扉の鍵をかけ隣の休憩室へと引っ張られる。



 …まずい。





 また、食われる。







 だけど、抵抗できない。








 休憩室の扉を閉め、俺をソファに押し倒すとその上に馬乗りになった。


 既に目は捕食者の輝きを放っていた。



 俺は抵抗を諦め、優しく声を掛けた。


「ヘリヤ様、これでは俺が楽しめません。どうせならお互いに楽しみましょう。」





 だが、俺の声は届かなかったのか、完全に野獣状態のヘリヤ様に衣服を引き裂かれ、全身を隈なく弄ばれることとなった。








 …ヘリヤ様は何故にこんなにも俺を求めるようになったのだろう?




 俺にのしかかるヘリヤ様の頭上で、精霊たちがクスクス笑っているのが見えた。





 …あ、こいつら絶対支配人に報告する気だ。



とにもかくにも主人公を嬲らずにはいられなくなったヘリヤ様。

本当に何がきっかけでこうなってしまったのでしょうか。


次話では、ベルド領兵団とマイラクトに進軍します。

戦闘シーンはへたくそですががんばります。


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