12 禁忌の吸精少女
すみません、できるだけいやらしくないように書いたつもりです
≪吸精≫
夢魔族の体力回復方法の1つとして用いられる。相手の唇から精気を吸い取り、自分の魔力または体力に変換する。
精気を吸われた相手は、思考低下、精力低下の状態となり、倦怠感による運動能力低下を引き起こす。吸う量によっては相手を行動不能にさせることも可能。
≪吸血≫
吸血族の体力回復方法の1つとして用いられる。鋭い犬歯で相手に噛みつき直接血液を吸い、自分の魔力または体力に変換する。
血を吸われた相手は、その量によって貧血による行動力低下を引き起こす。吸う量によっては相手を死に至らしめることも可能。
≪メニュー≫を使って得られた情報はこんな感じ。なかなか強力な固有スキルだが、欠点は相手に直接触れなければ発動できないシロモノ。
しかし、魔人族における固有スキルは自己の種族を誇示するために用いるらしく、戦闘で使用するのは稀だそうだ。
カミラはその固有スキルを2つ持っている。このことはそれぞれの種族からは受け入れられず、カミラは生まれてすぐ村を追い出されたそうだ。
「…ウチの父親は真祖の吸血一族らしい。会ったことはないけど…。母親は夢魔一族でも身分の低い女性…だったらしく、ウチに≪吸血≫があることが分かった途端に母親ごと追い出されたの。」
そこからベレットに会うまでは本人もよく知らないらしい。物心ついた時には母親はもういなかったそうだ。
兄のベレットは、諸国を放遊しているときにカミラとその母親に出会い、母親はカミラをベレットに預けて、その命を絶ったと聞かされたそうだ。
それからはカミラはベレットによって育てられ、今に至る…。
「ぐずっ……。カミラちゃん…。」
…うん、感情移入は構わないが、そこまでグズグズに涙を流さなくてもいいんじゃない、サラちゃん?
俺は今、全員を起してカミラの抱えている問題について聞かせている。他の奴隷もそうだが、自身が抱えている問題は全員で共有するようにしている。だから、深夜であろうが全員叩き起してカミラの話を聞かせていた。
「…で、カミラの『呪い』なんだが…。」
俺の『呪い』という言葉に全員が反応する。サラもフォンもエフィもウルチも持っているからだ。
そしてカミラの持つ『呪い』は、
≪禁忌の魔族≫
種族間での交配という魔族の禁忌を犯し生まれた者に与えられる。
この呪いの所持者は、全てのスキルを自分の意志とは無関係に発動させる。
と読めた。…俺のメニューはドンドン便利になっていき、スキルの説明文章が読めるようになっていた。さっきヨーコが発情した理由はおそらくこのスキルなんだろう。
これは、場合によっちゃあかなり危険かも…。
俺は『呪い』について全員に説明した。カミラ自身もその能力については知らなかったようでかなり落ち込んだ様子を見せた。
「…そういえば、心当たりはある…。兄上に怪我をさせたことも…。」
カミラは両手で顔を覆い、何かを堪えている。カミラに感情移入しちゃってるサラがたまらずカミラの肩を手を添えた。
「あぁあああ!!」
カミラは全身にしびれる感覚を受けたように体を震わせて大きな声を上げた。その様子にサラは驚いて尻餅をついた。
…サラちゃん、今カミラは発情してるんだって。下手に触って刺激を与えちゃダメだって。
カミラは恍惚の表情で天井を見上げたまま動かなくなった。暫くそのまま天井を見つめていたが、やがてゆっくりとサラに視線を移していった。その目は最早常軌を逸している。
「…サ、サラ姉…。今の…も1回…。す…ごい、気持ちよかった…。」
そう言いながら、ゆっくりとサラに近づいた。カミラの得体の知れない挙動にサラだけでなく全員が恐怖で身動きできなかった。
「…えい!」
その中で俺はカミラの首筋に手刀を喰らわせる。「がっ!」という叫び声を上げてカミラは一瞬固まった。
だが…。
≪意識剥奪拳≫では、確実にカミラの意識を奪っているはず。しかし、カミラは発情しすぎて『理性』は吹っ飛び、『本能』に支配されているようだった。
≪メニュー≫でみると、
『呪い』
≪禁忌の魔族≫
≪籠絡≫(発情)(本能)
と表示されていた。
「主~…主~…。」
カミラは標的を俺に変更し、ゾンビのようにゆっくりとした足取りで近づいてきた。全身が上気し、せっかく着せたガウンをまた脱ぎ捨て、獲物を捕えるような目で俺を見つめながら近づいてくる。
…これは逃げようがないか。そうなるとこの場を収める手立てはただ1つ…。
「すまん、今からカミラを連れて寝室に篭るわ。ちょっと彼女の体を発散させてくる。」
その言葉に、全員が驚愕の表情に変わる。
…そんな顔しないでくれ。俺もできればしたくなかったんだ。
カミラは俺に体を摺り寄り全身を使って俺の体にこすり付けてきた。
「…カミラがこんな状態じゃん?ちょっと彼女を発散させないと…どうしようもないし…。わかるサラ?」
声を掛けられたサラは戸惑いを見せたが状況は理解しているらしく、うんと肯いた。
俺は異常行動に陥ったカミラを抱え上げて寝室へと向かった。扉を閉める直前、後ろを振り向き、
「…発散させるだけだから。」
それだけ言って、扉を閉め、鍵を掛けた。
それからカミラの絶叫に近い声がこだました。
そしてそれは明け方近くまで続いた。
ようやくカミラも落ち着きを取り戻したようで、俺は寝室の扉を開けみんながいるリビングに戻った。予想はしていたが、全員起きていた。眠いはずなのに眠ることはできず、寝室から出てきた俺の顔を見て、気まずそうに顔を赤らめている。
まあ、あんな声が聞こえてたらいろいろ想像するわな。
「どんなことを想像しているか敢えて聞かないけど、俺は何もしてないからな。…知りたかったらカミラに聞きなさい。」
俺はそれだけ言ってソファに寝転んだ。
サラ達はお互いに視線を交わし、ひとりまたひとりと寝室へと向かって行った。
やがて、寝てる俺の側にサラがやってきた。俺の顔の側にちょこんと座って少し怒った口調で話しかけてきた。
「…カミラちゃん、泣いてました。」
「…だろうな。」
「ご主人様に…あんな…恥ずかしい恰好を見せてしまい、すごく悲しんでいます。」
「……。」
「…カミラちゃんを見捨てないでください。もうご主人様以外にはお嫁に行けないって言ってます。」
「サラ、俺は最初から彼女を手放す気はないよ。」
「で、でも…」
不安そうな声で反論しようとしたサラを頭を軽く叩いて制す。
「わかってるよ、カミラがそう思ってないんだろ?あの虚勢を見ればわかるよ。彼女は俺に買われた後も不安だったんだ。それが積もり積もった状態で発情したもんだから、俺でも手が付けられないほど本能剥き出しになっちまったんだ。」
サラはうんうんと肯く。
「カミラにはちゃんと説明してやるから。」
サラはうんうんと頷いた。その表情は少し明るいものに変わっていた。
「じゃ、俺はみんなの朝食を用意してくる。サラはカミラの看病してあげて。」
そう言って俺は、近くにいたヨーコの手を無意識に握り、無理やり引っ張って部屋の外に出た。ヨーコは、「ちょっ!やっ!離せケダモノ!」と言いながら俺に外に連れ出された。
部屋の外に出てすぐに俺はヨーコにしがみ付いた。ヨーコは全身を押さえつけられるようにしがみ付かれ、どうしていいのかわからず、硬直していた。
「ヨーコ、すまん、今度は俺が発情してるんだ!」
俺の言葉にヨーコの体は更に硬直度が増した。
「さすがにみんなが居る前はまずいなぁと思ったんで、いろいろ理由を付けて外に出て来たんだが、気付いたら、お前の腕を掴んでいた。」
そう、俺は今理性で行動していない。本能の赴くままにヨーコの手を引き、連れ出し、抱きしめている。頭では自分の行動を俯瞰的に見て理解しているのだが、頭からの命令を体が無視していた。俺ン中の複数の俺がそりゃあもう大騒ぎしていた。
「…俺を引きはがして、部屋に戻ってくれ。そしたらどっかで水浴びして体を冷やしてくるから。早く、ベシッと叩いていいから!」
俺はヨーコに抵抗するように言った。だがヨーコは何もしなかった。
それどころか…
「……隣の部屋…空いてるから。」
と囁いてきた。
俺はその瞬間、理性を失った。
猛ダッシュでヨーコを引っ張って隣の部屋に入り何故かしっかり鍵を掛けた。
もう、俺は止まらない…。
……感情をむき出しに、ヨーコを貪り、気が付くと俺の下でヨーコは痛みを堪える表情で俺にしがみ付いていた。
俺の『本気でおっきい君』が彼女に痛みを植え付けていた。ヨーコはもだえ苦しむ表情で何度も俺にしがみ付いて来た。その可愛らしさに俺はまた理性を失った……。
「…1階に行って、朝食を取ってくるわ。ヨーコは先に部屋に戻ってくれるか?」
ヨーコは俺の胸に顔を摺り寄せて返事をする。
「…歩けるか?」
「大丈夫…。」
ヨーコはそういって体を起し、服を着た。
「…ゴメンね。」
ヨーコが俺に謝った。
「へ?」
「だって、離れろって言われたのに…アンタの理性をふっとばしちゃった。」
ここで、俺が下手な言い訳をすると彼女を傷つけてしまう。
「ち、ちがうんだ!俺が、俺が前からこうしたいって思ってたんだ!だけどちゃんと、その、ムードというか、シチュエーションというか…。」
俺の慌てふためいた返事にヨーコはクスッと笑った。
「…うれしい。いいのよ、アタシがのぞんだんだし。…でも覚えていてよね、初めてだったんだからね。」
俺は何度も肯く。
ヨーコは笑顔でベッドから立ち上がった。俺も服を着て、ベッドから出る。ベッドの乱れを直してこそこそと部屋を出た。
「じゃ…。」
俺が挨拶をすると、ヨーコは何も言わずにキスをした。
「皆の朝ごはん、ヨロシクね。」
そう言って先に部屋に戻って行った。
俺は階段を降り、1階の食堂でパンやらスープやらを注文して部屋に届けるように言って戻ってきた。
部屋では、フォンがサラとヨーコと手を繋いで尻尾を振っていた。サラとヨーコが微妙な表情をしていた。
…嫌な予感がする。
「ご主人…。私たち、ナ・カ・マ。」
サラは苦笑い。
フォンは尻尾が喜びを表してる。
エフィはフォンの言った意味が解らず腕を組んだまま。
ベラは我関せず。
ヨーコはは引きつった笑いを見せていた。
俺はヨーコに何があったのか問いかける視線を送る。
「…フォンに匂い嗅がれた。」
ヨーコは恥ずかしそうに答えた。
そうだった。ヘリヤ様の時もフォンに見破られたんだった。
俺はフォンの嬉しそうに尻尾を振る様子を伺った。彼女はどういう意図で…?
「フォン、嬉しいのか?」
「そう、ナカマ。私…嬉しい。」
獣人の考え方はこうなのだろうか。
「ご主人、カミラもナカマにする?」
サラとヨーコが噴き出した。
「しない!しない!今はしない!」
思わず口に出した返答は、すぐさまサラとヨーコの耳に引っかかった。
「今は?」
「……。」
もう俺は黙るしかできなかった。この状況を打破できる言葉は見つからない。幸いなのはエフィがまだ理解していないことだ。ここはサラとヨーコも味方に付けて…。
「…エル、別にいいけど、ちゃんと責任は持ちなさいよ。」
ヨーコの天使のような言葉が俺の耳に入る。俺は何度も肯いて真剣さをアピールした。
「…まあ、アンタなら何かあっても大丈夫と思うけど…。弄ぶのだけはナシだからね!アタシも含めて!」
うんうん!わかってる!絶対幸せにするから!
俺の何の根拠もない宣言にヨーコはため息をついてこれ以上俺に文句を言うのをあきらめてくれた。
「あの…」
気が付くとベラが横に佇んでおり、言いだす機会をうかがっていた。
「ど、どうした?」
「私は構いませんので、ウルチはその“ナカマ”に入れてあげてください。」
何故か俺の手を取り懇願をするベラ。それを見て、面白そうな顔をしてエフィも手を上げた。
「はいはい!!、妾もナカマになる!!」
全員が凍りつくような表情でエフィを見つめ、次いで俺を見る。
…エフィよ。よくわからないのに手を上げないでくれ。話がややこしくなる。
朝食が届けられ、一同は会話を中断し、食事にありつく。俺が差し出した食事をサラ、フォン、ベラはおいしそうに食べ、エフィががっつく。サラが窘めて行儀よくがっつく。
カミラはまだ寝室に閉じこもっていたので、俺が食事を持っていくことにした。小声でフォンが「ナカマ、ナカマ」と俺を煽る様な声援を送ってきたが無視して寝室の扉を開けた。
「カミラ、朝食を持ってきたぞ。」
部屋を見渡す。
カミラはベッドの中心に座り、毛布をマントのように羽織って俯いていた。
俺とは目線を合わせようとしないので、俺に何かしらの感情を抱いているのがわかった。…まあ、あんだけ悲鳴を上げさせるような発散をさせたんだからな。俺も目を合わせにくい。
「…そ、そのすまないな。あの時はああするしかないと思ってたんで…その……悪いのは俺だから…」
カミラはブンブンと頭を振った。
「…悪いのは、ウチだから…。」
カミラは体を折りたたみ小さくなる。呪いのせいで迷惑をかけたと思っているのだろうか。
「カミラ、呪いの事だったら気にする必要はないぞ。サラ達も『呪い』を持っていてみんなそれを克服するために頑張っている。…カミラも俺達と一緒に克服するよう頑張ったらいい。」
俺の話を聞いてもカミラの表情は冴えない。
「でも、ウチは“サキュバス”で“ヴァンパイア”…。主のことも襲ってしまう…と思う。」
「なんだ、そんなことか。俺はカミラのためだったら血でも何でも吸わせようと思ってたんだが…。」
カミラは俺を見た。さっきまで俺に弄ばれたお蔭でカミラの肌はカサカサ、目に隈も作っていて青い肌が更に青黒く病人のようだった。体力が極限まで低下している証拠だ。
俺は食事のトレイをテーブルに置き、ベッドに上がってカミラに近づいた。カミラは体を強張らせ毛布に包まった。さっきまでの俺の行いがまだ頭ン中に残っているようで反射的に俺を拒もうとした。
俺はカミラの正面に座り小さく折りたたんだカミラの体を引き寄せた。カミラは少し抵抗したが俺のがっしりした胸に引き寄せられる。
俺はカミラの後頭部に手を押し当てて抱きしめた。カミラは少し間を開けてしゃくりあげるように泣き出した。
「…ふぇ…えぐっ……。」
俺はカミラの背中と頭をポンポンと叩いて彼女が泣き止むのを待った。
やがてカミラは落ち着きを取戻し俺に体を預けた。フォンがよく俺にやってくるのだが、可愛い女の子に体を預けられるのは何度受けても気持ちがいい。
「…さてと、カミラ。お前は今、俺に果てしなく昇天させられて極限まで体力を失っている状態なんだが…。」
言い方が良くなかったのか、一瞬体を強張らせたが、また体を預けて言い返してきた。
「ホントに気持ち良すぎたんです…。主の技量が良すぎるんです。完敗です。」
そんな風に言われると悪い気はしない。むしろうれしいくらい。でも、あの時は特別。カミラの状態が酷かった故にあの絶叫だからな。それよりもお前の体力回復を。
「ほら、俺の血…。いいぜ。」
そう言ってカミラの口元に俺の首を差し出した。カミラはきょとんとした顔で俺の首筋を眺めていた。
カミラは恐る恐る口を開けて牙をむき出してみる。だがそこからが躊躇っているようだった。
「だ、だめ…。ウチ、≪吸血≫も初めてだから…。」
なんと。今まで一度も血を吸ったことがないと…。
「じゃ≪吸精≫にするか?」
カミラは顔を赤くして首を横に振った。
「ダメ!そっちもしたことない!」
…君は本当に魔人族なのか?別の意味で初物なのか。
「ほう…。では、俺が初めてのヒトになるわけだ。…嬉しいねぇ。」
その言葉を聞いたカミラは俺に抱き付いた。両足で俺の腰を挟み込み背中で交差させる。
「主~…。」
カミラはひたすら俺にしがみ付き何度も何度も俺を呼んで嬉しそうにした。その度にちょうどいい位置にある俺の“おっきい君”にカミラのお尻が当たり、心地よい感触が…い、いや。
「は、早くしてくれ。みんなが待ってんだから。」
俺にしがみ付いて暴れるカミラを窘め、首筋を見せつける。カミラは何度か躊躇いながらも、牙を俺の首に突き刺した。
チクッとした痛み。そしてカミラのねっとりした唇の感触。唾液が俺の首に絡みつき彼女の息遣いが更に刺激を加える。
そして…。
カミラは勢いよく俺の血を吸った。
その瞬間、俺は首から全身に向かって経験したことのないほどの強烈な刺激を受け、瞬間的に昇天した。
「グォオオオオ!!!!」
獣が吠えるような叫び声を上げ、昇天したまま2回目の昇天が込み上げてきた。
まずい!意識まで持ってかれる!
次の瞬間、寝室の扉を蹴破ってフォンが飛び込んできてカミラを俺から引き剥がした。首から俺の血がシュッと吹き上げ、カミラの顔に掛かる。
「キャッ!!」
俺は2回目の昇天でそのままベッドに倒れ込み、カミラはフォンと一緒にベッドの下に転がり落ちた。カミラは反射的にすぐ起き上がり、俺に駆け寄った。
「離れろ…お前…ナカマじゃない……。」
抑揚のない言葉と同時にカミラは部屋の端に吹き飛ばされた。フォンがカミラの首を掴みそのまま後ろへ振り払ったのだ。
「や、止めろフォン!俺は、だ、大丈夫…だ!!」
2度の昇天で体力を一瞬にしてごっそり奪われた俺はゼイゼイ言いながらもフォンを制止しようと声をあげる。慌ててヨーコが来てフォンを押さえつけた。
「フォンちゃん!落ち着いて!」
ヨーコがフォンの耳元で大声を出してようやくフォンが我に返った。
フォンがエフィ以外に対して怒りを露わにしたのは初めてだ。それほど俺の身に危険が迫っていたということか。
「サ、サラ。カミラのほうを…。」
続いて入って来たサラにカミラの様子を見るよう指示する。サラは壁に叩きつけられたカミラを見に行き、カミラの意識があることをすぐに確認した。
カミラは何で壁に叩きつけられたのか理解できないようで、驚きの表情になっていた。
「カ、カミラ…。い、一気に…吸い過ぎだ。」
俺は動かない体を必死に動かしてカミラの方を見やる。カミラは俺の酷い状態を見てその原因が自分にあることを悟り、青ざめていた。
「ご、ごめん…なさい。」
前言撤回だ。
≪吸精≫の力を持つ≪吸血≫のスキルは恐ろしい…。
に、2連続の昇天…。賢者タイムどころじゃない……。
主人公は≪吸精≫+≪吸血≫の恐ろしさを体験しました。
おそらくこの先何度かその恐怖を味わうことでしょう。
さらにとうとうヨーコとも関係を持ってしまいました。
主人公のハーレム道はどこまで進むのでしょうか。
次話ではカイト殿下のお話です。
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