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最終章Ⅱ 第三話 決着・人狼の覚醒
「な・・・なんだとっ!」
魔拳将軍フェンリルは、セリナの常識を越えた速度に驚愕していた。
まるで、磁気で飛ばされた鋼鉄の弾丸のようである。
「火炎障壁!」
セリナは、クレンジング・フィストに炎を宿らせた。
「狼牙火炎拳!」
セリナが放った狼の姿をした炎が、フェンリルを襲った。
「魔法拳だと!?」
立て続けに、セリナは構えた。
「大雷撃!」
セリナの拳が輝く。
「狼牙雷撃拳!」
かすりもしない。
しかし、セリナは、確実にフェンリルを追い詰めていた。
「貴様は、いかにして魔法を覚えた!?」
「レイストに教えてもらったのよ!」
事前情報では、セリナは徹底したスピード&パワーファイターだったはずだ。
「今だ!」
セリナは、闘気と魔法力を同時に高め、天に拳を突き上げる。
「狼牙超雷撃拳!」
金色の狼の姿をした光が、フェンリルを砕く!
「こ・・・これが・・・一日で魔法を覚えた者の実力だとおっ!?」
光に呑まれ、フェンリルは消え去った。
「さあ、急がないと!」
セリナは駆け出した。




