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第十章
闇の中から、人影が現れた。
「どうしたんだい。雇用者どの?」
『それ』は、鎧をまとい剣を帯びていたが、剣士には見えなかった。
「君の「雇用条件」にある仕事がある。」
ウォルストは、『それ』に言う。
「騎士団長・王女どちらでもいい。倒してもらいたい。」
「ふむ。頭をつぶすわけか。おもしろい。」
「君は、魔王のなかでは『最強』だからな。」
「ありがとう。いってくるよ。」
『それ』は、姿を消す。
「何者だ!あれは!」
グラストが怒鳴った。
「混沌の魔王カオス。ダイアレートの製作者たちの自我は消えたと言っていたが、そうではない。統合され、人間くさい部分だけ残った。それがあいつだ。さて・・・」




